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冒険への第一歩

 今まで住んでた町、たしかウルテアだったかな? から出発して、一日歩き続けたよ。ギレーアが別に寝る必要無いし、夜に目が効かなくなる事も無いだろって言ってた。私はテントとか建てて、夜営とかするの、ちょっと楽しみにしてたのにな。


「おい、そろそろフリース山脈だ。そんなに気にすることも無いだろうけど、一応注意しておけ」


 ギレーアが言うには、フリース山脈はフリーアーシアの内陸部と、海側を隔てる大きな山脈なんだって。標高自体はあまり高くないんだけど、野生動物とか居るから腕に自信がある人じゃない限りは迂回するみたい。


「そういえば、ギレーアは空飛んだりしないの? そしたら、山登るの凄く楽になりそう」


 背中に翼があるのに、それを使ってるの見たことがないんだよね。むしろなんか、いつも邪魔そうにしてる。服を着るときとかホントどうやってるんだろうね? もう慣れたって言ってたけど、慣れでどうにかなるものなのかな。


「お前……、この翼で空を飛べるように見えるのか? どう考えても構造的に無理だろ」


「えっ、飛べないの? それだと、ただ邪魔なだけじゃん」


 あっ、ギレーアが固まった。これが図星って言う事なのかな? でもそうだよね、飛べない翼なんて付いてる意味ないじゃん。洗濯物みたいに折りたたむ事って出来ないのかな? ほら、コウモリっぽい感じだし、良い感じにまとめられそう。


「……。これは飛ぶためのものじゃなくて、悪魔としての解りやすい象徴ってだけだ」


「あー、在り方とか、そういうのだっけ?」


「そうだ。魂の無い俺達は別の方法で存在を証明しないといけない。悪魔であるという事さえ、解りやすく俺達を世界に留める詭弁でしかない。従者ならそれくらい常識だろ……」


 そういえば、前にもそんな事言ってたような気がする。姿を大きく変えると力が削がれるって、多分この辺の事と関係してるって感じで良いんだよね? なんかめんどくさいよねー、でもそういうものなのかもしれないよね、キャラクター設定と大きく変わっちゃうと誰が誰だか解らなくなるもんね。


「ふーん。わかった」


「もういいだろ? 先に進むぞ」


「ちょーっと待った―! ここから先には進ませないわ!」


 どこからともなくどっかで聞き覚えのある声が響き渡った。でも、邪魔してきそうな人なんて覚えが無いし、何処に居るんだろ? なんか上の方から聞こえてきたような気がする。


「何処に居るの?」


「こっちよ!」


 声の方向を見ると、近くの木の上に女の子が二人居る。あ、降りてきた。わざわざ何で登ったんだろ? それにしても、この子達、ものすごく似てるんだよね。双子なのかな? でも、なーんかどっかで会ったことがあるような。


「……もしかして、お前らはトカレフか?」


「そう! 私はトカレフよ!」


「もしかして、別の私に会ったりしたのかしら?」


 あっ! 確かに前に会ったトカレフちゃんに似てる! でもこんなに似てて、三つ子だったって事? それにしても名前まで同じなんて、なんか色々解らなくなっちゃいそうだよね。


「同じ名前だと誰が誰か解らなくなったりしない?」


「もしかして、私の事を双子か、三つ子と思ってたりするのかしら?」


「そんなわけ無いでしょ! 勇者とかなんかアホっぽい事してるけど、そこまで能無しな訳が無いわ!」


 いや、そのー。思ってました。勇者とかアホっぽい事って言われてるけど、私がやりたくてやってる訳じゃなくて、しかも能無しって。


「スフィア、あいつらはクローンだ。話を聞く限り、他のクローン体と意識を共有してるわけでは無いな」


 なるほどー、だから同じ名前で、同じ姿してたんだねー。クローンとは違うけど、私もレアルさんと同じ姿してるからね。なんか親近感あるよねー。


「まあ、そんな事どうでも良いわ。私は勇者が気に入らないのよ。だから、鉛弾のプレゼントでもしてあげるわ!」


「えっ! なんで!」


 二人のトカレフちゃんは、私たちに向かって両手の銃で乱射してきた! ギレーアは剣で全部の弾丸を弾いてるみたいだけど、私がそんな事出来ると思う? 物凄く撃たれてるよ。でも、あまり効かないんだよね。だって、機械だから。


「どうしたのよ! 手も足も出ないかしら!」


 なんかよく解らないけど、これってチュートリアルみたいなものなのかな? それならやってみようかな。とりあえず近寄らないと攻撃が当たらないから、弾丸を受けながらでも進むしかないよね。


「なんて馬鹿みたいな硬さなのよ!」


「こんな感じで良いかなー」


 撃ちながら後退してるけど、それよりも私の方が速いみたいだね。追い付いてウルティアムを振り下ろしたら。割って入ってきたギレーアに受け止められちゃった。なんでなの?


「スフィア! お前何をやってるんだ! そんな力で振り下ろしたら殺してしまうだろうが! 相手はクローンとは言え、ただの人間だぞ!?」


「あ、うん。そうだね?」


 私の力って、凄い強いみたいで、とりあえず適当に剣を振り回してるだけでも十分な驚異になるって、言ってたのギレーアだもんね? なんでわざわざ確認してるんだろ?


「今のうちに逃げるのよ」


「私はまだ諦めた訳じゃないわ! 一旦退却するだけよ!」


 あー、二人に逃げられちゃったねー。良かったのかな? なんか諦めてないみたいだけど。

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