表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守護戦士見習いのあれやこれや(仮)  作者: 阿野根の作者
番外編 新二級守護戦士は抱き上げられる
46/48

番外編 水の精霊王と角砂糖。

まったく気にくわない!異世界の男に真姫奈はやらん。


その焦げ茶色のミツアミの男は確かに色男だった。

どこかの民族衣装らしい華やかな刺繍のしてある茶色のたて襟に長袖の膝丈の正装とズボンの戦士らしい男だ。

玄関で私に怒鳴り付けられてビックリしていた。


「水の精霊王様、別人だったらどうするんですか?」

サニラがあきれたように言った。

「この男だ!真姫奈の匂いがする!どんな不埒なことをした!」

私は男に指を突きつけた。


この男にまとわりつく真姫奈の匂いと気配。

幸せそうな感情まで感じる。

気にくわない!


「え?オレは…真姫奈の婚約者で…まだ抱き上げてません。」

男がしどともどろで言った。

「ガイウス?!」

真姫奈が駆けつけてきた。

「真姫奈。」

男があまやかに微笑んで手を伸ばした。

私がその前にはいって妨害する。

「退いてください!」

真姫奈が戦闘体勢に入った。


さすが守護戦士の家系と言うわけか。


「退かない、この男にお前はもったいない。」

ああ、傭兵ギルド管理官長ときいてるだけあってどこか血の香りがする。


あの足の運びを見れば歴戦のつわものということがわかる。


「まあ、あがってくださいな、この方はほっといていいですから。」

明希奈(アキナ)が私を退かして言った。


守護戦士一級は伊達ではないと言うことらしい。


「お母さん、すごい。」

真姫奈がそういいながらガイウスとか言う男のそばにいきそうになったのでガイウスに水で攻撃した。

「わ!何て言うことするんですか!」

真姫奈があわててバスタオルと叫びながら奥に行った。

「真姫奈…。」

ガイウスは寂しそうに手を伸ばした。


うまく急所は避けられたようだ、こざかしい。


真姫奈が持ってきたバスタオルでガイウスをふきだした。

「真姫奈、寂しかった。」

ガイウスが甘やかにいって真姫奈の頬に口づけた。


この…どうしてくれよう。


「恥ずかしいんだけど。」

真姫奈が赤くなった。

「さっさと上がるが良い。」

私はガイウスの水気を乾燥させて言った。


私が真姫奈とあったのは真姫奈がごく小さい時だ。

アクアウィータ王宮の庭で水球体で昼寝していた私を見つけた真姫奈。

『ぼーりゅ!』

真姫奈は私を転がそうとした。

『やめよ!』

私は言った。

『ぼーりゅがしゃべっちゃ。』

真姫奈が目を丸くした。

『ボールではない水の精霊王だ。』

私はとび跳ねた。

『みじゅのせいれいおう?』

真姫奈が小首を傾げた。


その時から私はこの子供を見守っている。

容姿は…私のスフィーナ…はるか昔に儚くなった私の妻…かつてのアクアウィータの女王と似てないが…。

真姫奈は…スフィーナに良く似てる、あの柔らかい美貌の女王は…怪力で斧をふりまわして…いつか『水の使者』とともに世界を旅する事が夢だといっていた。

まあ…ひ孫が水の使者と旅したのだが…実際は。

そのスフィーナの強い心と柔らかい笑顔。

私はいつかからか真姫奈を自分のものにしようと思ってた。


そう…だから真姫奈に取り入ろうとする男はみんな排斥したはずだった。

異世界は…盲点だった…だが…。


「お茶をどうぞ。」

明希奈がそういってトレーに何か入れて持ってきた。

「おかあさん、何その角砂糖山盛…。」

真姫奈がガイウスの隣で頭を抱えた。


トレーのなかの皿の一つに本当に角砂糖だけの山盛の皿がある。


「あら、ヒフィゼさん甘党なんでしょう?」

明希奈がそういって紅茶をみんなの前に置いた。

「母上様もうしわけございません。」

もう少しで真姫奈を膝に抱き上げようとしたアホが言った。

もちろん妨害したが、隣はとられたな。

まあ、そのガイウスの隣は確保したが…。

「良いのよ…ああ、礼儀正しい息子…いいわ。」

明希奈が後の方は呟くように言った。


ついでにガイウスの前にシルク生どら焼きとかかれたどら焼きが三つもおいてある。

しかし…そのとなりの取り皿においてある白い粉はなんだ?


「ごめんね、ガイウスすぐ帰ろうと思ったんだけど。」

真姫奈が甘い声でいった。

「真姫奈…オレの宝物…寂しかったぞ。」

ガイウスが優しくほほえんで真姫奈の手をにぎりそうになったのでガイウスの隣から妨害した。

「水の精霊王様、孫の邪魔はしないでください。」

サニラが柔らかいが曲者の微笑みをうかべて言った。


こやつは穏やかそうなふりして大斧を振り回すやからだからな。

油断禁物だ。


「私は認めてない、真姫奈はアクアウィータで私の妃になる事が決まっている。」

昔から周りの精霊どもには言い聞かせている。

反対したやつらはひねりつぶした。

「ええ?決まってないよ…お祖父ちゃん感覚ですよ。」

真姫奈が小首を傾げた。


お、おじいちゃんだと?


「いくつ歳が違うと思ってるんですか…まったく。」

サニラがあきれた顔をした。

「おじいちゃんっていっちゃだめだった?」

真姫奈が可愛く言った。

「いや、現実を知った方がいいだろう。」

サニラが言った。


ガイウスはすました顔であんなにあった角砂糖を次々放り込んでいる。

飽和溶解度限界までいれているのか?


「まあ、お年寄りのたわごとだとおもってゆるしてやってくださいね。」

明希奈が生どらを追加して言った。

「たわごとではない、お前本当に真姫奈を幸せにできるのか?」

私は指をガイウスにつき付けた。

「必ず幸せになります。」

ガイウスが気迫あふれる眼差しで言った。


しばらく見つめあう…。

なんてまっすぐの眼差しなんだ…。

私は真姫奈に目をやった。

スフィーナ…いや違う…真姫奈は…スフィーナではない。


「不幸にしたら許さない。」

私は目を伏せて言った。

負けた…そして…自分が真姫奈でなくスフィーナを見てた事も自覚してしまった。


良いだろう…この若者に任せて見よう…真姫奈のおじいちゃんだからな。


ガイウスの前の生どらがいつのまにか消えてた。

追加を白い粉にまぶして次々口に運ぶ。


「粉砂糖たりてるかしら?」

明希奈が白い粉の入った袋…お徳用とかかれた袋を持ってきて言った。

「お願いします。」

ガイウスが甘く言った。

そして、直後に真姫奈に口づけした。

「ガイウス、甘いよ。」

真姫奈がやっと解放されて大きくいきを吸った。

「そうか?真姫奈の唇のほうが甘いぞ。」

ガイウスが妖しく笑ってもう一度真姫奈に口づけた。

そのまま膝の上に愛しそうに抱き込んだ。

「真姫奈、うまいぞ。」

ガイウスが生どらたっぷり粉砂糖を付けて真姫奈の口に押し込んだ。

「…甘すぎだよ。」

真姫奈が呟いた。

ガイウスは嬉しそうにまた真姫奈に口づけた。


「あらあら、なかがいいわね。」

明希奈が笑った。

「婿どのにはみせられないな。」

サニラがごくアマなものでも食べたような顔をした。


甘い…甘過ぎる…甘い…そんなに甘くていいのか?

それに好みも甘すぎだ!甘い生どらにさらに甘い粉砂糖まみれの生どらにするなど…恐ろしい。

しかも…飲んでるのはごく甘の紅茶だ…。


真姫奈本当にその男でいいのか?

おじいちゃん…は心配だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ