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大男はまだ食べているんだけど
ほとんど噛み砕かずに飲み込んだようだった。料理長は驚いていたが、キレイに空けられた皿に、煮込んだシチューをさらに注いでやった。大男は満足そうに笑顔を見せた。給仕の女性が水の入ったコップの横に、焼き上がったばかりのパンにバターを塗って置いてやった。大男は人の目にやっと気づき、スプーンを手にし、シチューを皿から口へと移し、パンを噛み砕いた。
アファトスは食べ続ける大男よりも、窓の向こうのトルフを眺めていた。散歩の時間になったらしく、庭園を教師と歩いている姿が見えた。トルフは台所を見ないようにしていた。近寄ったりするとアファトスに怒られるのは周囲の者であることを良く分かっているようだった。




