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人民たるもの
それでもアファトスはトルフを敬った。王として崇めていた。アファトスにとってトルフは王子でも弟でもなく、崇めるべき王であった。それは、北の塔の天上に幽閉した父王への戒めであったのかもしれない。
トルフはなにを考えているのか、周りの人からするとまったく分からなかったが、ただ思慮分別のない呆けた人ではなかった。特にアファトスの前では、トルフを王として認め敬い、崇め奉るほかに術はなかった。彼からとおく離れた人民はそのような事実を知る由もなく、一四歳と若々しくも崇高たる王として人気を博し、羨望の眼差しで崇められていた。




