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分かってしまうのだな、見る人が見れば
そして赤子の顔にかかった部分の風呂敷を払い除け、その左目にかかる痣を見た。御者台の男は天を仰ぎ、赤子の方を見ないようにした。
「火傷か?」
ラジェルネは答えずにいた。火傷だったらどうだというのか。
「いや、そうじゃないんだな。」
ラジェルネはまだ答えずにいた。
その若い男はラジェルネを頭の天辺から足の爪先までをじろじろと見入った。鎧こそ身につけてはいないものの、そのがっちりした体格、豪奢さを最低限に抑えながらも気品さが感じられる刀の柄や鞘、高貴な衣類を暗闇の中に見て取った。




