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そしてこちらにもまた出会いが
ラジェルネもまた、生まれたばかりの男の子を風呂敷に包み、胸の前に抱えるようにして城を離れた。ただ西を目指して城を出た。ラジェルネはそう遠くまで行くつもりはなかった。この男の子を早々に処分して早くに城へ戻るつもりであった。とはいえ、城の近くでことを成すのもはばかられ、少しは遠くまでいかなければならないと覚悟はしていた。
そこへ、一台の馬車が通りかかった。荷車のような馬車は若い男が御していた。四〇歳にはなっていないだろうその男は旅人のようで、中肉中背とでもいうような善とも悪ともとれないその姿は手綱を引かれている馬も同じくであった。誰にもなびかないであろう中立であることを固持するただの旅人なのだろう。金儲けを目的にした行商人とも、各地の人を楽しませる旅芸人にも見えず、ましてや恨みを晴らすために旅を続ける復讐者にも見えなかった。




