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女はダルエを連れて行く
ダルエは立ち去った男に対する腹立たしさと、こんな女に話しかけるものかという思いもあり、返事をせずに立ち去ろうとした。そのとき、女は扉を素早く上の階へ向かって大きな声でこう言った。
「ねぇさん、ちょっと出てくるわ!」
中から返事はなかったが、女はバン!と勢いよく扉を締めたかと思うと、ダルエの左腕を自らの右の上にがっちりと組ませ、有無を言わさず進んだ。三件先の同じような屋敷の裏口の前で立ち止まり、ダルエの腕を掴んだままドアを叩いた。ダンダン、ダダンダンと少し奇妙なリズムで、でも大きな音でドアを叩いた。一、二、三秒と待ったけれど中から返事はなかった。女はドアを開いて、やっぱり上の階へ向かってこう言った。
「ねぇさん、邪魔するわよ!」
そう言って勢いよくドアをバン!と締めた。




