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腹は減るもの
日もとおに暮れて辺りもすっかり暗くなっていたがダルエはとにかく東へ、人の気配のしない道をと思って進んでいた。気がつくとそこは寂れた花街だった。区画ごと、裏口らしい扉に女性が一人、ポツリとまた一人と立っていた。不思議なことにダルエは依然としてまったく疲れておらず、どこまでも休まずに行けそうな気さえしていた。ところが、赤子の方はそうでなかったらしい。ある家の裏口を女性が開け、男性が出てきたところ、家の中から芳しい食事の匂いがしてきた。スープでも煮込んでいたのだろう。その匂いが届くと赤子が泣き出した。




