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そして産声は

新しくお湯がはられたばかりの盥に少女は最善の注意を払って貧弱な赤子を浸した。赤子の左手の小指がピクリとしたのを彼女は見逃さなかった。そしてその小さな小さな手をやさしく自らの手で包んだ。若い召使いが助けるように彼女に寄り添いながら、貧弱な赤子には触れずにいた。小さなタオルを盥の中で少女に渡すと、少女はやさしくやさしく貧弱な赤子の身体を拭ってやった。頭の先から爪先までを、ていねいにひととおり拭いてやった。召使いは今度は大きめのタオルを盥の外側で拡げた。少女は潤った赤子を盥からあげ、拡げられたタオルに置くように包んで自らの旨にいだいた。貧弱な赤子の紅葉のような小さな手は確かに少女の首に廻された。少女は赤子をしっかりと自ら抱いていることを確認し、そのお尻をピシャリと叩いた。ようやっと王子はか弱いながらも産声をあげた。

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