覚悟を携える少女
「で、是沢君。『エデンの鍵』はどこにあるの!?」
あたかもかつ上げをしている不良のように相手の胸座を掴み、揺さぶっている会長こと、本条 茜は無理な作り笑いをしながら、是沢先輩に尋ねている。
・・・・いや、この状況だと吐かせようとすると言った方が正しい。
「か、か、会長ぅ・・・・し・・死ぬぅ・・・死ぬって・・・」
また、会長の力を前に、半ば窒息の半殺しに遭っている是沢先輩の悲痛な叫びも今の会長には、聞こえないだろう。・・・・・この場合、会長をなだめ、事態を収束されるのが当然なのだろうけど、今のぼくにそれは隔離された世界の外側の事としか思えない。
岡田先輩が言ってた『エデンの鍵は、神の力を持つ、殺戮兵器だ』という言葉が今も耳に残って離れようとしない。況してや、腹にどんどん溜まっていく『何か』をさらに大きくしているような・・・・嫌な感覚。
・・・・・背中が寒い
「いいから言いなさいっ!! 言わないんなら、燃やすわよっ!!! 永久脱毛剤ぶっ掛けるわよっ!!!! いつまでもあなたのおふざけに構ってる暇はないのよっっっ!!!!!
殺されたくなかったら、さっさと吐きなさいっ!!!」
「おい、本条!焦っているのも分かるが、やめろっっ!!死ぬぞ、l是沢が!!!」
岡田先輩が割り入って制止させようとするが、会長は止まらない。まるで走り出した猪のように。もうどうにも成らないのか・・・と思ったときだった。
「もう、いい加減にしてくださいっ!!」
その声で、一同、制止し、こちらに顔を向けた。みんなポカーンと口を開け、唖然としている。
その声は、岡田先輩でも、是沢先輩でも、況してや会長でもない。
・・・・・・・・
ぼく自身の咆哮だ。
自分でも分からない。それなのに、体が、口が、心が、勝手に動く。まるでいま、自分が何をすべきか、体が理解しているかのように・・・
「会長・・・岡田先輩から聞きました。『エデンの鍵』は殺戮兵器だそうですね。
どうして黙ってたんですかっ!
そんなにぼくが信用なりませんかっ!確かにぼくは、生徒会役員になって少ししか経ってませんけど、皆さんの力にだってなれるんです、なりたいんです・・・・
他にも隠している事があるんでしょうっ!?
いい加減、話してくれても良いんじゃないんですか?・・・」
いきなりキレて、怒鳴って、頭の中がぐちゃぐちゃになって、胸が熱くなる。
会長を除く先輩がたは、何かを察したように会長に視線を向けた。
「本条、そろそろ良いんじゃないか?」
「会長さん、俺も同意見です。」
会長は、是沢先輩から手を離し、俯いて、下唇をかみ締めた。
何かを決心するかのように、迷いを払うように、今まで肩を小さく震わせていた会長は立ち上がる。そしてーーーー
「・・・・ごめんなさい。私だけ覚悟決めないで・・・こんなの、駄目よね・・・・分かった。ここに居る全員、明日の放課後に生徒会室に来て。その時全てを話すわ。・・・」
会長の言葉の後、全員が思い思いに頷く。
この瞬間から、全てが始まるように・・・・
どしどし、更新していくので
待ってて下さい。




