表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
29/34

まさきマジシャン PART3

「・・・とりあえず、ここから出よう。ここに居ても何も変わらない」


「そう・・・ですね」


 ルーチェは曖昧にそう答えた。当然、ボクも現状を明確に理解しているわけではない。ただ、分かっているのは


『ルーチェを殺せ』 


 これだけみたいだ。


「・・・どうしたんですか? 兄さん」


 気が付くと、ルーチェは扉の向こうで待っていた。


「ああ、なんでもない」


 そう言った後、ボク等は生徒会室を後にした。




 -------グラウンドーーーーーー




「――――――――ッ!!」


 ボク等がグラウンドに着いた頃には、信じられない光景が広がっていた。 

辺りは、地面が抉られ、周りの物はその原型を留めていなかった。そしてその中央に会長と大和がうつむせで倒れていた。


「会長ッ!! 大和ッ!!」


 ボクが慌てて、駆けつけ会長を抱きかかえると、会長は虫の息で、ヒューヒューと小さい呼吸を繰り返すばかりだ。


「マ・・・サキ・・・・」


「大和ッ!」


 大和は如何にも死にそうな感じで、声を振り絞る。


「鍵を・・・・鍵を連れて・・・行け・・・・。あいつ等に・・・わたす・・・な・・・・」


「大和ッ!! 馬鹿いうなッ!!会長も死にそうなのに!!」


「いいか・・・ら・・・行け・・・鍵を・・・・こわ・・・せ・・・」


「嫌だよ!! 死ぬな!!」


 大和の顔からどんどん血の気が消えていく。その中でも、大和はただ、笑って言った。


「・・・・・ありがとう・・マサキ・・・・」


 これだけ残して、大和は糸が切れたように、倒れ、動かなくなった。当然、会長も、だ。


 ボクは、顔を酷く歪め、嗚咽が零れる。涙と鼻水で、もう、グシャグシャだ。


「おいおい、俺達のことはシカトかよ」


 声が聞こえ、その方向に振り返ると、大鎌を持った男と、それより巨大な斧を持って男が立っていた。


「お前らが・・・会長を・・・・」


「お、いいねぇ。その憤怒。悲しみ、実に良い。それでこそ、殺し甲斐があるってもんだ。なぁ、ミュー?」


「・・・・・」


「・・・・・・殺してやる」


「あ?」


「殺してやるッ!!殺してやるッ!! お前等なんかッ!!」


 そして、ボクは二人の気付かぬ間に、頭上へと跳躍し、己が全てをぶつけた。


『ルーンの禁忌、2番ッ!! 七魔将のロイガバル・ディーメントッ!!』


 槍から派生して産まれたその巨大な爪は、鎌のように敵に襲い掛かる。だが・・


「・・・芸がねぇ」


 瞬間。爪は音を立てることも無く、崩れ去った。


「――――――ッ!!」


 着地したボクは、眼を疑った。ルーンの禁忌は、それ単体で、対象を破壊するまで消えないはずなのに。消えた。否、存在が無くなったのか?


「まったくよぉ。もっと、気前良くいこうぜぇ。なぁ。死戦の魔術師さんよぉ!!」


 驚きと絶望に身を任せているボクに、男の声だけが響き渡った。

いかがでしたか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ