まさきマジシャン PART3
「・・・とりあえず、ここから出よう。ここに居ても何も変わらない」
「そう・・・ですね」
ルーチェは曖昧にそう答えた。当然、ボクも現状を明確に理解しているわけではない。ただ、分かっているのは
『ルーチェを殺せ』
これだけみたいだ。
「・・・どうしたんですか? 兄さん」
気が付くと、ルーチェは扉の向こうで待っていた。
「ああ、なんでもない」
そう言った後、ボク等は生徒会室を後にした。
-------グラウンドーーーーーー
「――――――――ッ!!」
ボク等がグラウンドに着いた頃には、信じられない光景が広がっていた。
辺りは、地面が抉られ、周りの物はその原型を留めていなかった。そしてその中央に会長と大和がうつむせで倒れていた。
「会長ッ!! 大和ッ!!」
ボクが慌てて、駆けつけ会長を抱きかかえると、会長は虫の息で、ヒューヒューと小さい呼吸を繰り返すばかりだ。
「マ・・・サキ・・・・」
「大和ッ!」
大和は如何にも死にそうな感じで、声を振り絞る。
「鍵を・・・・鍵を連れて・・・行け・・・・。あいつ等に・・・わたす・・・な・・・・」
「大和ッ!! 馬鹿いうなッ!!会長も死にそうなのに!!」
「いいか・・・ら・・・行け・・・鍵を・・・・こわ・・・せ・・・」
「嫌だよ!! 死ぬな!!」
大和の顔からどんどん血の気が消えていく。その中でも、大和はただ、笑って言った。
「・・・・・ありがとう・・マサキ・・・・」
これだけ残して、大和は糸が切れたように、倒れ、動かなくなった。当然、会長も、だ。
ボクは、顔を酷く歪め、嗚咽が零れる。涙と鼻水で、もう、グシャグシャだ。
「おいおい、俺達のことはシカトかよ」
声が聞こえ、その方向に振り返ると、大鎌を持った男と、それより巨大な斧を持って男が立っていた。
「お前らが・・・会長を・・・・」
「お、いいねぇ。その憤怒。悲しみ、実に良い。それでこそ、殺し甲斐があるってもんだ。なぁ、ミュー?」
「・・・・・」
「・・・・・・殺してやる」
「あ?」
「殺してやるッ!!殺してやるッ!! お前等なんかッ!!」
そして、ボクは二人の気付かぬ間に、頭上へと跳躍し、己が全てをぶつけた。
『ルーンの禁忌、2番ッ!! 七魔将の爪ッ!!』
槍から派生して産まれたその巨大な爪は、鎌のように敵に襲い掛かる。だが・・
「・・・芸がねぇ」
瞬間。爪は音を立てることも無く、崩れ去った。
「――――――ッ!!」
着地したボクは、眼を疑った。ルーンの禁忌は、それ単体で、対象を破壊するまで消えないはずなのに。消えた。否、存在が無くなったのか?
「まったくよぉ。もっと、気前良くいこうぜぇ。なぁ。死戦の魔術師さんよぉ!!」
驚きと絶望に身を任せているボクに、男の声だけが響き渡った。
いかがでしたか?




