ルーチェ・エデンズ・キー
「兄・・・・・さん?・・・」
一人の少女は、悲しみに揺らぐその瞳をこちらに向けた。その横顔が、月明かりに映え、ボクはその瞬間に何とも言えない既視感を覚えた。
そして、ボクがそうこうしている内に、彼女が駆け出し、僕の胸へと飛び込んだ。
「兄さんっ!!ユグ兄さん!!会いたかった! 会いたかったです兄さん! ごめんなさい・・・・あの時、兄さん達のいうことを聞かないでしまって、だから・・・・こんな・・・・」
「えっ!! ちょっと・・・これは、どうなってんだ!?」
『・・・・・・・』
当然のごとく、ボクや岡田先輩、是沢先輩はまったく話しに付いていけてはいない。
「成瀬、俺達は別のところに行って来るから、ゆっくり、な」
「えっ! ちょっ、待って!」
そう言おうとしたら、それより早く、岡田先輩達は、トンヅラしていやがった。
そして、少女はボクの胸に寄り掛かり、グスグスと音を立てて泣いている。
「ねぇ、ボクが君の『兄さん』ってどういうこと?」
「・・・・・兄さんは、兄さんです・・・・・・・」
『そのままの意味だ、マスター』
「いや、そのままって言われても・・・・」
『・・・まぁ、仕方ないか。ゼルティアと違い、前世の記憶が無いのも無理は無い。
この方は、エデンの鍵製造メンバーだった頃のマスター、『ユグラルト・ルーン』様の妹君、『ルーチェアルト・ルーン』様だ。』
ムギンが淡々と語っているのに、ボクはあまり気に止まらなかった。
どうしてだろう? なんて、思っているところで何の効力もない。
「ねぇ、ルーチェ・・・・・」
「はい、兄さん・・・」
「さっきの謝罪は何なの?」
「・・・・・・・・・・」
「い、いや。言いたくなければ、良いんだ、無理する必要は・・・ないし」
「・・・・いえ、言って置かなくてはいけません。これは、私のやるべき事でも在りますから・・・・」
知らない間に、ルーチェは泣き止んでおり、ボクの胸から離れた。
そして、彼女は大きく息を吸い、月明かりが顔を照らし尽くす位置まで下がってから、切実な願いを口にする。
「お願いです。私を・・・・私をっ! 殺してくださいっ!!!!!」
いかがでしたか?
感想など、よろしくです




