あかねアリア PART1
「さて、皆行った事だし。翔、そろそろ始めるわよ」
成瀬君を含めた3人を出払ってから、私は翔に話しかけた。
「えー、めんどくさいー」
「そう、じゃあこれからは、君の部屋にあるパソコンは没収ね」
「誠心誠意、遣らせていただきます。茜 お嬢様」
「初めからそうすれば良いのに・・・・・・」
なんて小言を言っているうちに、翔は自らのバルシェを発動していた。 白いフード付きのロングコートはふわりと翻り、顔に付けた銀色の仮面は、月に映えている。
『幻想戯曲第3章第2節 『操られる人形使い』、開演』
翔がそう言うと、薄い霧のようなベールが辺りに立ち込めた。
「まぁ、これで敵さんはワシらのおるここ(グラウンド)に来るやろ。そうなったらアカ姉、あとは頼むわ」
「君は戦わないの?」
「くぅ、戦いたい。戦いたいさ。けど、この空間を維持するには繊細なプログラミングが必要でー」
「要するに、戦いたくないわけね」
「そうそう・・・・って、なんでや?!」
「あら違った?」
「違わない」
「そう。じゃ、帰ったらパソコンに別れを言っておくのね。でないと――――――」
『おお? 弱そうなのが居るじゃねーか』
霧の中から、いや前方から声が聞こえた。 その声の主を探していると、黒のスーツを着た人影が二つ、姿を見せた。
「だれっ?!」
「おお、威勢のいいお嬢さんだなぁ、こりゃ。ハハッ」
「誰と聞いているのか分からないの?」
「ん? ああ、悪い悪い。自己紹介が遅れて。
俺は、イプシロン。で、こっちの無口の木偶の坊がミューだ。予想通り、政府の『エデンの鍵捜索班』だ。」
「・・・・・・・」
小柄な男は、ヘラヘラ笑いながらそう言い、ミューと呼ばれたものは、そのまま無口だ。
「さて、お前達の自己紹介は・・・・・と言いたいとこだが、これから死ぬ奴の名前なんてどうでもいいか」
「なんですってっ!!」
「くっくっく。さぁ、とっとと始めようぜ! 鍵を掛けた、殺し合いをよぉ」
そして、私は一次戦を開始した。




