第4話 道化と魔術師
「さ、二人とも。位置に着いてちょうだい」
放課後、いつもの闘技場にぼくたち生徒会役員はいた。もちろん、今回も前回と同様、戦闘訓練で、だ。
「よ〜し、マサキよ。ワシとお前。どちらが強いかのう!」
「どっちでもいいよ、そんなの。予は『エデンの鍵』を壊せればいいのだから」
「ちぇ、つれないねぇ」
とかなんとか言いつつ、所定の位置に着き、各々の力を発現した。
『ローラルッ!!ゼルティア・シュバングッ!!(開演、幻想道化)』
『バルハラッ!!ユグラルト・ルーンッ!!(降臨、死戦の魔術師)』
2人の力が、魔力が、形となって相を帯びる。前は、端から見てるだけだったけど、この『バルシェ』はチカラを根こそぎ、奪い取られるような感じになる。吸い込まれそうで、でも、放っているようで。
それの感覚が終わる頃には、ぼくは右手に槍を持ち、二羽のカラスがぼくの周りを飛んでいる。
対して大和は、目のほうだけを銀色の仮面が覆い、白いフード付きのコートを着ており、被られているフードには、ウサギの耳とも思わせるような突起が髪のように後ろにたれている。
「よし、それじゃ2人共。チカラを理解するように、いろいろ暴れちゃいなさい!!」
「そんなこと言われても・・・・」
確かに、なんとなくではあるが、曖昧に使い方が分かる気がする。でも、『理解するように』っていわれても・・・
「余所見は、いかんぞっ!!」
空中に駆け上がった大和は、ぼくの頭上から幾つものナイフを放った。当然、いきなりの事だったから、対応に遅れ、悲痛の表情を浮かべていたが、二羽のカラス達がそれを払い、ぼくを守ってくれた。
『しっかりしてくれ(しっかりしなよ)、マスター』
二羽(二人と言ったほうがいいかもしれない)が突然に、当たり前のように話しかけてきたため、ぼくも、大和も、目を丸くしている。
「マスターがそんなんだと、調子狂う」
「え〜と・・・君たちは?」
「俺たちは・・・て、奴さんは話させてくれなそうだけど・・・」
そう。これは戦闘の訓練であったのを忘れていた。当然、無駄に洞察力の優れた大和がこんな絶好の隙を見逃すはずもなく、幾つものナイフを放った。
ぼくは、横に飛ぶ事で逃れたが、完全にとはいかなかった。
「ふーん。カラスがしゃべったのは驚いたけど、そんなんじゃワシは倒せんぞ」
確かに、ぼくと違い力の使い方を大和はよく理解している。このままでは勝機は薄い。
「マスター。このままでは勝てない。ここは一つ、うち等にまかせてくんない?」
「だから、君たちは何なんだっ!」
「うち等は、マスターの『記憶』と『思考』が具現化した姿。なーに、こんな奴に負けないから」
「・・・・・・」
信じていいのか、駄目なのかは分からないけど、自分の分身が『任せろ』といっている。
だったら、ぼくのやることは一つ――――――――
「で、ぼくは、何をすればいい?」
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