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夢恋路 ~動乱編~5

【桂小五郎】

「し~ん~さ~くぅぅぅぅーーーーーーー!!!!」

もー許さない!上海から帰って来てからの晋作の行動は無茶苦茶だ!

「伊藤君!」

「はい、」

「至急江戸に行く!準備して!」

「えぇぇ!?江戸に行くんですか!」

行く!

絶対に行く!

そして晋作を捕まえる!

「文じゃ意味がわからない!実際に晋作を捕まえる!」

脱藩だの亡命だの、その都度大事にならないよういろんなところに根回ししてきたけど、異人暗殺計画だって!?

冗談じゃない!一体何がどうなってそんな話になるんだ!

誰が止められる!?毛利様か!?

・・・いや、毛利様のお手間を取らせる場合じゃない!

久坂さんも晋作を焚き付けないでほしい!

こうなったら・・・姉さんに灸を据えてもらおう。未来を知っている姉さんなら、晋作の事も理解できるかもしれない。もう僕じゃ手におえないよぉ~!!!

「伊藤君!」

「はい、」

「幾松さんも一緒に連れて行きます。」

「はぃ!?幾松さんもですか!?」

「そう!姉さんに、晋作の暴挙を止めてもらう。」

「幾松さんが・・・どうして!?」

たぶん姉さんなら晋作の度肝を抜かせるような説教が出来るはずだ。

「訳はあとで!とりあえず大至急準備して!」

「わ、わかりました!」

「僕ちょっと出てくるから!!」

準備は全部伊藤君に任せて僕は姉さんのいる置屋へと向かった。

「そらぁ殺生やわぁ桂様!」

わかってる!

「年末は芸妓にとっては一番の稼ぎ時どす、そんな時に幾松がおらんかったらうちとしては困ってしまうわ。」

重々承知!

「幾松さんの旦那は僕です、悪い様には絶対にしませんから!お願いします!」

全部晋作に請求してやる!

女将さんは深いため息をついた。

「できるだけ早ぅ帰しておくんなましよぉ・・・」

「お約束します!」

「それと、いくら桂様とは言え幾松に傷などつく様な事がありましたら責任とってもらいますんで。」

えぇ・・・それは大丈夫です。

そんな事になったらいろんな意味で僕の身が危ないので・・・

「急ぎで発たはりますの?」

「えぇ、明日明後日の内にでも。」

「ほんなら今日中には準備させますんで、明日再びいらしておくんなまし。」

「かたじけない、恩にきります。」

「はぁ・・・桂様じゃおまへんかったら塩撒いとりましたわほんま。」

ははは・・・

翌日昼頃に置屋に姉さんを迎えに行くと、姉さんは荷物をまとめて立っていて、僕に深く頭を下げた。

「幾松さん、御足労お掛けします。」

「いいえ、桂様のお頼みとあらば喜んでお付き合いいたしやす。」

「かたじけない、では藩の方へお願いします。」

そう言って僕は姉さんの荷物を持って藩内の僕の部屋へと引き入れた。

「少し待っててね、準備があるから。」

「ごゆっくり。」

何も説明していないけど全部わかっていると言う顔で姉さんは頭を下げる。

僕は部屋を出て伊藤君の所へ行き江戸行きの準備をする。持って行かなきゃいけない物が多くって仕分けるのが大変・・・それもこれも全部晋作のせいだ!

文やら書類やらを一通り詰めて道中の着替えと旅費も準備した。

姉さんの荷物はいつも通り少ないから持って歩けるね。

とりあえず、姉さんには事を全部説明しておかないと・・・どんな顔するかなぁ、怒るかなぁ・・・それとも、笑うかな。

戸の前で一度立ち止まって、ためらって・・・って変だよね、僕の部屋なのに。

戸を開けると姉さんは僕に気が付いてにっこり笑って丁寧に頭を下げた。

今はまだ幾松さんなのかな・・・?

「ごめんね姉さん、いきなり呼び立てて。」

「桂様のお頼みとあれば。」

そう言って姉さんは笑うけれど・・・う~ん、ちょっと話しづらいなぁ。

「あのね、えーと、幾松さん、」

「なんでっしゃろ?」

「えーっと、そのぉ・・・ね、幾松さんでも良いんだけど、あのぉ、僕と二人の時は姉さんに戻ってもらえると話しやすくって助かるんだけど・・・」

そう言う僕に姉さんは笑う。

「晋作が何かしたの?」

やっといつも通りだ。

もぉ!全部しゃべってやる!!!



【おリョウ】

小五郎が本当に迷惑そうな顔をしている、やったもんだ晋作も・・・上海は晋作には刺激が強すぎたのね、困ったなぁ。蟹食って紹興酒飲んで遊んでいればよかったのよ。

でも、おかげでいいお仕置きの方法が思い付いちゃった~、待ってろ晋作!!

「ここを発つのはいつ?」

「明日の早朝だよ。」

「私は、今夜はここでいいの?」

その問いに小五郎がまるで子供の様に急に抱きついてくる。

その表情はとっても嬉しそうで、なんだかかわいい。

「やっと姉さんと二人きりになれた!」

私は思わずよしよしと頭を撫でた。

「あら、京では私の方が歳下なんじゃなかった?」

「姉さんの時はいいんだ。」

なんてわがまま、笑っちゃったよ。

「今回は伊藤君も一緒なんだから、可愛らしい行動は慎んでよ?」

「えぇぇ!!可愛らしいって・・・!」

いつも通りの反応、半年ぶりの小五郎の温もり・・・このまま眠ってしまいたいとさえ思ってしまった。

その時。

「!!!姉さん、ちょっとごめん!」

そう言って小五郎が私の体を押し放す。

なんだ!?

どうした!?

「桂さん、いらっしゃいますか?」

伊藤君だ。

小五郎は立ち上がり戸を開ける。

伊藤君は小五郎を見た後、後ろで座っている私に気が付いて頭を下げた。

私も丁寧に頭を下げる。

二人は二、三会話をして、そして伊藤君は私を見てわざとらしく言葉をかけた。

「これは幾松殿、この度はうちの桂のわがままで御足労お掛けします。」

「僕のわがままって!?」

「伊藤様や桂様のお頼みとあれば、お断りするわけにはいきまへんやろ?」

「恩にきります。どうぞごゆっくり。」

私は頭を下げる。

伊藤君が出て行った後、堪えていた笑いが止められない。

「言っとくけど、僕のわがままじゃなくって晋作のわがままのせいだからね?」

「わかったわかった。」

それでもふくれている小五郎、大人になんてなれないわね。

「伊藤君の方が上手みたいね。」

私達は笑い合って、座敷では話す事が出来なかった話をめいっぱいした。

「でも、伊藤君が山科様を追い返したとき、すごかったねー!」

「僕もびっくりしちゃったよ!翌日ね、二日酔いで大変だったんだよ。」

「あら、誰かさんみたいね。」

「またぁ、そう言う。でも姉さんだってすごかったよ?」

「あら、何がかしら。」

「山科さんを言い負かした事以外ないでしょ!」

「だって、あの時も伊藤君がくってかかりそうだったから。」

「・・・そうだったっけ・・・?」

ちょっとちょっと!忘れないでよ。

「子供を巻き込むわけにいかないでしょ?」

うっっと口をつぐんだ小五郎。

「まぁほら、今回は刀を持っていない相手だったし、無謀じゃなかったでしょ?」

「まぁね。」

夕飯は伊藤君を交えて三人で済ませ、伊藤君はまた意味ありげにニコニコと部屋を出て行く。

「朝早いですからね、あまり夜更かしはなさらないで下さいよ?」

「あら、私夜は強い方よ。」

私のこの答えに狼狽えているのは小五郎だけ、伊藤君は笑いながら頭を下げて部屋を出て行った。

道中を急いでいるため今までのようなのんびりとした旅ではなくて、だいぶぐったりな江戸着で。

「さすがに早く着いたわね・・・」

文で江戸川屋には帰る事を伝えていたから、きっと顔を出したら女将が大騒ぎするでしょうね・・・

「姉さん、僕達はこのまま藩に行くから、江戸川屋で数日ばかり待っていてもらえないかな。」

「いいわ、そうするわね。」

「で、ちょっとお知恵を拝借したいときは、また連絡するから。」

「はい、わかりました。」

私達は江戸川屋近辺で別れて、私はそのまま江戸川屋へと向かった。

暖簾をくぐるなり待ってましたと女将が飛んできて私に抱きつく。

「お帰りおリョウちゃん!待ってたわ!!」

「ご無沙汰してます!」

「さぁ、早く入って!京での武勇伝を聞かせてちょうだい!」

武勇伝って・・・

私、京ではすっごく女性らしくしていたつもりなんだけど。

私はそのまま女将に連れられて・・・お茶の席を共にすることになった。



【桂小五郎】

あぁぁぁぁぁ・・・藩に帰りたくない。あのまま江戸川屋に逃げてしまえばよかったかもしれない。

だって・・・門の前にたくさんの人がいて・・・そわそわしていて・・・

明らかに僕を待ってるんだもん!!!

「伊藤君・・・」

「はい・・・」

「やっぱり、京に帰りたい・・・」

「駄目です。」

うん・・・言ってみただけ・・・たぶん。

   あっ!桂さんだ!!

   桂さん!!!

見つかっちゃた~・・・

「・・・伊藤君、」

「駄目です。」

僕はあっという間に捕まって、荷物を取り上げられて・・・晋作の暴挙とその後を散々聞かされた。

「御盾組に土佐藩の武市さんに山内様に毛利様・・・外国公使暗殺未遂に謹慎・・・どうなってんの!?」

僕は一体どれだけの人に謝罪すべきなのだろう・・・

「こちらが聞きたいぐらいです!桂さん!高杉さんを何とかしてください!」

うぅぅ・・・みんなの視線が怖い。

しかし、一歩遅かったか。

江戸到着寸前に晋作がひと騒動起こしていたとは・・・実行されてなくて良かった。

毛利様に頭を下げなければ。

異国人の暗殺なんて・・・薩摩の事件があった後だぞ?そんな事が起こっては長州だけで済む話ではない。江戸自体が攻め込まれてとんでもない事になったかもしれない。

一体何があって晋作はこんなにも攘夷思想を強めてしまったのだろう。

暗殺なんて・・・そんな事で世は変わらない。今のこの世の中で、晋作が上海の地で見てきた本当の世界を理解できるのはきっと姉さんだけだ。やはり、姉さんの知恵を借りよう。

「で、晋作は大人しく謹慎してるのか?」

「はい、その予定ですが・・・見張りを置いてます。」

「懸命だね・・・じゃなきゃ逃げるよ。」

とりあえず、晋作の部屋に行こう。

晋作の部屋の前には二人の見張り・・・これじゃまるで罪人だ。思わず笑ってしまった。

「桂様!」

「ご苦労様です、中にいる?」

「はい・・・」

「じゃ、入るね。」

部屋に入って見ると・・・なんだ、この大量の文たちは・・・

「小五郎さん!!!」

晋作が飛びついて来て、いつも通り僕は飛ばされて・・・

   どかぁ!!!

壁におもいっきり背をぶつけた。

「どうしました!!?」

外から大声がする・・・

「なんでもねーよー!」

楽しげに見張り達に声を上げる晋作、僕は息が止まったんですけどね・・・

「ねぇねぇ小五郎さん!話したい事がたくさんあるんだ!!」

「・・・僕もね、ありすぎてどうにかなりそうなんだけど・・・」

「ほんと!?んじゃ今晩はここで語り明かそう!」

・・・本当にそうなりそうなんだけど。

その夜、僕と晋作の意見は結局平行線だった。

過激な方に矛先が向いている晋作と、対話や策を重視している僕じゃ、共通点は討幕ぐらいだ。

僕も攘夷ではあるけれどこんなに過激じゃない。殺し合って戦って、それで開ける世などもう終わりにしないといけない。これからは議論し意見をぶつけ合い何が正しいのかを冷静に判断しなければならない・・・

なのにこの晋作は!!!

「薩摩は生麦で夷人を殺してすでに攘夷の名を上げたのに!我が長州は何もしてない!薩摩はその前の年にも斬っているのに!」

その前の年・・・それは、ヒュースケンさんの事だ。

僕はその事件を目の当たりにしているから、斬られた側の異国人たちの想いを知っている。事が大事にならなかったのはハリス公のおかげだ。

晋作はそんな裏事情を知らない・・・異国の人をまるで同じ人間とは思っていない。

上海に行くまではここまで過激じゃなかった、上海でいったい何があったんだろう・・・僕は深くため息をついた。

明日、姉さんに今日の事と晋作の事、相談しよう。

今日は寝られるのかなぁ・・・



【おリョウ】

翌日やって来た小五郎は疲れ切っているようにも見えた。

何だか大変な事が起きているのだろうか。

晋作は、どうしちゃったんだろうか・・・

小五郎の口から出る言葉は・・・もはや愚痴で・・・こりゃ重症だ。

お茶を飲みながら話しているけれど、まるで酒を煽っているように見える。これは、晋作の話も聞いてあげないといけないなぁ。

   はぁ・・・

ごめんね小五郎、ため息が出ちゃったよ。

「連れておいで・・・」

「えっ・・・?」

私の苦笑に、小五郎がお茶を煽る手を止めた。

「どう転ぶかわからないけど、話ぐらいは聞いてあげられるし理解もできると思う。晋作が言いたい事、あなたよりは理解できると思うわ。」

「ありがとう、助かるよ。」

「私にとっても晋作は大切な人の一人よ、大切な人が傷つくのはもちろんだけど、傷つけつるのも嫌・・・」

今ならわかるの、刀のあるこの世の道理が・・・刀で命を奪い奪われる事が身近にある、それは、私のいた平成の世ではありえない事。だけどここで生きる者達からしたらそれは我々が交通事故に遭遇してしまうのと同じくらいの日常だ。理不尽な事故で命を落とす、そんな世と大して差は無いのかもしれない。

唯一違うのは、それにいたる殺意だけ・・・

「夜がいいわね、陽が落ちて食事を済ませたら連れていらっしゃい。名案がある、説教してやるわ。」

私、悪い顔してないかな・・・

でもこれ、実行するに至ってはリスクがある事、小五郎には言えない。

だって、最悪の場合、私は晋作に斬られるかもしれないんだから・・・

晋作、あなたの事、信じているわ・・・



【晋作】

「晋作、今夜時間作ってもらえるかな。」

ん?

今夜も討論するのかな。

「いいよ、俺謹慎中だから俺の部屋でいいの?」

「いや、今日は課外授業だ。」

「・・・・・はい?」

課外授業?

なんだそれ・・・

「外に出るの?」

「あぁ、そうだ。」

「久坂さんところ?」

「いや、もっとお前を理解できる人の所だ。」

誰だろ、松陰先生はもういないし・・・?

外出許可は小五郎さんが取ってくれて、俺は小五郎さんと暗い道を歩いた。さすがにこの季節は冷えるなぁ。

で、どこに行くんだろう?

さっきからずっと思ってるんだけど・・・この道って・・・

「江戸川屋?」

目の前にあるのは江戸川屋ののれんで、提灯が点いている。

小五郎さんは終始黙っていて、僕達は、正面からじゃなくて・・・裏に回った。

「えっ、小五郎さん・・・もしかして、」

こっち側に回ると言う事は、もしかして・・・・

そんな淡い期待を寄せていた俺の想いは・・・扉が開いた瞬間に、ぶっ壊れた。

戸を開けて、呆然と立ち尽くして、小五郎さんを見上げたけれど・・・小五郎さんも絶句している。

これは・・・いったい・・・?

目の前にいるのは、誰・・・?



【おリョウ】

私を見て小五郎と晋作が完全硬直して立ち尽くしている。

小五郎君は二度目だと言うのに、完全に吹っ飛んでしまってるじゃないの。

私は洋服を着て、髪を洋装使用に束ねて、平成の世の格好でちょっと威圧的に壁にもたれて立って腕を組んで出迎えた。そしてめいっぱいニコニコと微笑んで、黙って、二人を手招きする。

小五郎が晋作の背を押して中に入れ、戸を閉めた。

女将にお願いして今日はさっちゃんは他の部屋で寝泊まりしてもらうようにしてもらった。

楽しいこと大好きな女将は人払いにも協力してくれて・・・もしかしたら隣にいるんじゃないかぐらいの勢いで。

まぁ、女将になら、聞かれてもいいか。

私はもう一度おいでおいでと手招きして、晋作をもう一歩部屋の中に入れさせた。

完全に挙動不審の晋作、小五郎は、何となくこの先を悟った様で・・・諦めている。

「sit」

「へっ!?」

私の言葉に晋作が声を上げた。

私はそのまま腕を組んで続ける。

「sit」

「えっと、小五郎さん・・・」

晋作は小五郎を見上げて助けを求めるが、小五郎も意味がわかっていない様子で首を小さく振っている。

私は少々口調を強めてもう一度。

「sit!」

「お、おリョウさん・・・だよね?」

その質問には答えてあげないわ。

「・・・ねぇ、どうしちゃったの、いったい・・・何、言ってんの・・・・・・・?」

「Please sit down」

「何!?どういう事!!?」

「sit down!!!」

「何!!小五郎さんどういうことなの!!?」

私が苛立った口調を込めると混乱して喚きだす晋作、小五郎も完全に怯えているけど・・・何かに気が付いた様子。

「晋作、たぶん座るんだ。」

「へぇっ!?」

「早く座って!」

そう言って小五郎は晋作を抑え込んで座らせて、自分もその横で正座した。

私は立ったまま、二人の前に歩んで、仁王立ちで二人を見下ろして・・・

 『お前は一体何を考えているんだーーーーーーっ!!!!!』

   びくぅぅぅぅぅ!

私が英語で叫ぶと、晋作はもちろん小五郎も肩を跳ねさせて、後ろ手を付いて仰け反った。

私はその後ありとあらゆる言葉を使って晋作に罵声を浴びせさせ、外国人同様の大きな身振り手振りと動きで晋作に訴え続ける。散々右往左往して大きなジェスチャーで喚いていたらなんだかスッキリしちゃった。

これだけドン引きして怯える男たちを見下ろすってのも気分がいい。

ましてや言葉がわからないって事は何を言っても許されるわけで・・・・・結構えげつない言葉とかを口にできて、爽快感があるね。

「・・・・・はぁ、すっきりした!」

私はその場にすとんと座って、あぐらをかいた。

二人は完全に怯えている。

結構結構。

私は怯える男達ににっこりと笑て、そして晋作を見て、問いかける。

「さて、晋作、どうする?」

「・・・・どどどどど、どうするって!?へぇっ!?」

「ほら、どうするの?」

「どうするってなにぃ!小五郎さん一体なにぃ!?」

「僕も知らないよぉ!!」

ふ~ん、びびって混乱してるな?

私は体を前に倒し自分の肘を膝に付けて、晋作をじっと見つめる。

「ねぇ、それは?」

顎で、晋作の腰に付けている刀を差した。

「何!?」

「それよそれ、その腰に付けている長いものよ。」

「か、刀・・・?」

「えぇ、そう、刀よ。」

「刀が、どうかしたの・・・?」

小五郎がおずおずと体を起こす。

私は小五郎にニコリと笑ってから、真面目な目で、晋作を見つめた。

「その刀で、なぜ私を斬らないの?」

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