第17話~おかみさんだよ おっさん~
2回目のショボい発言に改めて傷付きながらもらった一画に林檎を並べていく。
確かに自分でも思っていたけど、人には言われたくないなぁ。
ぐちぐち考えながら、取り敢えず10個程並べる。
うまく売れてくれればいいけど。
「そういえばまだ兄ちゃんの名前を聞いてなかったな」
「あぁ、そうですね、自分もうっかりしてました。
自己紹介が遅くなりましたが、名前はシンジって言います。
これから色々とお世話になると思いますので、よろしくお願いします」
「おう、よろしくな。
けど、まだロットにやられたダメージが残ってるだろう? どうせ金も無いだろうし、部屋は余ってるからわしの家で休んだらいい! キャーロ!! シンジを案内しろ!!」
「はーい!!」
先ほど俺をのぞき込んでいたキャーロが元気に返事をして、案内してくれた。
といっても、家は露店からそれほど離れていなかったが。
「ただいまー」
「おかえりー」
ドアを開けてキャーロが声を掛けると、奥から返事がする。
出て来たのは、恰幅いい如何にも『ザ・おかみさん』といった女性だった。
「あん? 何だい見ない顔がいるね、キャーロ、このお兄さんは誰だい?」
「えっとね、今度商売を始めることになったシンジお兄ちゃんだよ。
ロットにやられてケガしてるから家で休ませろってお父さんが」
「そうかい、ならいいよ。
あたしはメイファってんだ。 お腹はすいてないかい? その前に手当をするから、ケガを見せな」
そのメイファの迫力に負けて、おとなしく手当てを受ける。
「うん、ちょっとたんこぶになっているけど、たいしたことはないね、しかし、この黒髪は初めてみるよ。
確か東のヤマの国の人がそうだって聞いていたけど、だとしたらえらい遠くから来たもんだね。
それで、ご飯は食べるんだろう?」
なんかこちらの話をあまり聞かない人のようだ。
読んでいただき、有難うございます。




