第16話~交渉だ おっさん~
「なんだこりゃ、果物なのか? 真っ赤で不思議なもんだな・・・
香りはいいが、このまま食うのか? どれ・・・ おお!歯ごたえもいいし、味も最高じゃないか!!
これなら銀貨5枚ぐらい出しても売れるぞ!!
だが、こんなもの何処に持っていたんだ? ロット達が見逃してたとは思えんが・・・」
「いえ、自分異世界人なんで、これは能力でいくらでも出せるんです」
そう言って目の前でいくつか呼び出していく。
「こりゃあ・・・ 確かにあんちゃんの黒目黒髪は珍しいからきっと遠くから来んだとは思っていたけどよ、まさかこの目に本物の異世界人を見ることになるとはな・・・
まぁ、長い人生いろんな経験があるってもんだ。
で、どうする? これを売るってことでいいのか? それに売るならいくらにするんだ?」
「ぜひ売る方向でお願いします。
価格は1個、そうですね・・・ 銅貨2枚ぐらいでどうでしょう?」
「何っ、銅貨2枚!! 馬鹿言うな!! こんなうまい果物をそんな安値で売られたら、他の商品が売れなくなっちまう!! せめて銀貨2枚で売れ!!」
でも、能力で出せる以上、元手はタダだし、元の世界でも1個約200円ぐらいだから、適正価格だと思うけどね。
その後交渉の末に、1個銅貨5枚で売ることになった。
「それと、売ってる時にこの『リンゴ』ってのを客の目の前で呼び出すのはやめろ。
まずびっくりするし、そんな何もないところから出てきたものを気味悪がる客もいないとは限らん。
いくら異世界人が『神の祝福』を受けていると言ってもな」
「神の祝福?」
「あぁ、その異世界人の能力のことだ。
俺達、元からいる現世界人にも能力が使える奴はいないわけじゃないが、異世界人のそれに比べて圧倒的に弱くてな。
お前たちの強さは正に『神の祝福』とでも思わずにはいられないってわけさ。
もっとも、お前さんは俺たち現世界人と比べても能力的はショボいけどな!!!」
読んでいただき、有難うございます。
修正:あんちゃん→兄ちゃん
呼び方を統一しました。




