第10話~なにをするんだ おっさん~
王冠を被った衛兵さん改め、若い王様の前から下がった俺は、生活費の入った革袋をもらったけど、それをくれた政務官の人も、黒目黒髪の異世界人だった。
「この世界の貨幣価値は知っていますか?」
見た目、黒ぶち眼鏡の神経質そうな男の人だったが、思いの外優しい声を掛けてくれた。
「いえ、まだ来たばかりですし、全くわかってないですね」
「それではお教えしましょう」
まずこの世界では紙幣はなく、基本硬貨のみだそうだ。
種類は鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、大金貨、白金貨の6種類で、
日本円に対してそれぞれ10円、100円、1000円、1万円、100万円、1000万円とほぼ同価値となっているそうだ。
鉄貨や銅貨なんていくらでも偽造出来そうだが、硬貨は極少数の人しかもっていない『創成魔法』で作られているらしく、普通に作ろうとしてもうまくいかないのだそうだ。
勿論硬貨偽造は重犯罪で、たとえ鉄貨でも良くて両腕を切り落とされたうえで国外追放、重くなると本人だけではなく、一族郎党女性や赤ん坊に至るまで死罪となってしまうそうだ。
また、この世界の月収については、この街の職人で大体、平均で銀貨20~30枚ぐらいだが、農民になると、ひどい所では8~10枚ぐらいになることもあるそうで、異世界人の間でも改善を訴えているそうだ。
「さて、これから何をすればいいんだろう?」
これからやるべきことがまだ決まらず、思わずこぼした俺の独り言に政務官の人が応えてくれる。
「貴方の能力って生産系のものなんでしょう?だったらそれを生かせばいいんじゃないすか?」
「・・・でも、産み出せるのは 『林檎』だけですよ?」
「いえいえ、実はこの世界では果物自体が少ないんですよね。
だから、上手くすれば売れるようになると思いますよ」
マジか。
「じゃあ、商売を始めるにはどうしたらいいんですかね?」
「あぁ、なら商人ギルドに行って許可証を発行してもらって下さい。 ギルド迄の地図を書きますよ」
商売か、面白そうだな。
読んでいただき、有難うございます。




