↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
能力世界に蛇が転生する  作者: 伊勢神宮と水門寺


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/5

蛇の独白1

俺、酒口進(さかぐち しん)は、人間ではない。


元々の名前だって、おそらく進ではなかったはずだ。

俺は、蛇だった。


全身を覆うこの緑の鱗を見れば、誰だってただの人間じゃないことくらい察がつくだろう。


俺はこれまで、幾つもの異世界で死んでは、転生を繰り返してきた。


ある世界では、生まれた瞬間に「異形の忌み子」として殺された。


ある世界では、身体に酒を浴びせられ、生きたまま焼き殺された。


俺は死ぬたびに、どういうわけか再び「人間の子」として産み落とされてしまうのだ。


こんな異形の姿が、人間に受け入れられるはずもない。


ある世界では、俺を庇おうとした母親らしき女性と共に火炙りにされた。またある世界では、なんとか九歳まで成長できたが、結局はハンターに見つかって殺された。


……一体、何回目の蛇生だろうか。

俺はまた、この新しい世界へと生まれてきた。

だが、この世界は今までと違っていた。


『能力』という概念が一般化しているこの世界では、全身が鱗で覆われた俺の異形も「そういう能力(体質)なんだな」と、あっさりと受け入れられたのだ。

そして俺は、生まれて初めて『家族』というものを手に入れた。


俺とは違う、まともな“人間”の家族を。


一方その頃——ある少女は、ひたすらに強さ(力)を求めていた。


両親を幼い頃に失ったことが、全ての始まりだった。


今の彼女は、毎夜寝ている時に「強くあれ」と語りかけてくる祖父の夢を見るようになっていた。

まるで、死んだ人間が枕元にでも立っているかのように。(ちなみに、その祖父は普通に生きている)


この『能力』が当たり前に存在する世界で、不気味な悪夢に対して何の疑問も抱かないあたりに、その少女の馬鹿正直な性格がよく表れていた。


少女はその悪夢の言いつけに素直に従い、今日も祖父の道場で過酷な鍛錬に励んでいるのだ。


幸か不幸か、その少女の祖父は、世間で「■■」と謳われる人物だった。

もしどこかの配信者が「■■■」を作ろうとするなら、誰もが〜〜〜。そんな男だ。


名は、■■■


与えられた称号は——『覇王』。

……と、ここで少し話を中断させてほしい。


称号の説明をするのをすっかり忘れていた。


いや、正確には俺が授業中に爆睡していたせいで聞き逃していた学校の説明なのだが。


この学校では、生徒同士を高め合わせる目的で【序列システム】という制度が採用されている。俺の順位も普通に学校に張り出されている。

また月に一回、1〜4年生の各学年、各クラスから代表者を一人ずつ選出し、代表者同士で決闘を行うのだ。


この結果によって個人とは別にクラスの序列が決定する。


そして、この決闘で通算六回以上「1位」を獲得した代表者には『王』の称号が授与され、校内外問わず、絶大な権力が与えられる。(国会の会議に参加してる奴もいたな)称号を得ることで殿堂入りとなり、以降のクラス序列戦には参加できなくなる……という仕組みらしい。


さて、話を戻そうか。


俺は山吹華...華と呼んでいるからか、フルネーム呼びは違和感がある。華と呼ばせてもらう。

俺は、華と縁ができてしまった。

別に嫌というわけではない、どちらかといえば嬉しい。


だが、俺は人間じゃない...それが少し悲しい。

俺の性格が、卑屈なのかもしれないが、騙しているような、裏切っているかのような罪悪感を感じてしまう。


「おし、ここまでか...俺は出る。また会おう」


俺はそう言って何かを閉じ、真っ黒の部屋から出ていった。

どうやらまだ出ていない情報は■■■と書かれてしまうらしい。次から気をつける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。