〜□D53■D〜秋摘み(オータムナル)の美味しい紅茶の季節だから〜
「…俺はアイツのことが…灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢のことが好きなのだろうか?よくわからなぃ…恋とか愛とか惚れた腫れたとか…」
「…ロマンスってなんだろう…」
俺のつぶやきに不法侵入執事は静かに応えた。
「デージョ王子様は、紅茶を愛しておられますよね」
「ー何かしらを愛する心がロマンスなのかとー」
「…そうか…何かしらを愛する心がロマンスなのか……」
俺は、暫く考えて「…やはりよくわからないな…」とつぶやいてから「……だけど」と一度、言葉を区切り囁いた。
「ー俺はアイツと飲む紅茶が一番美味しいー」
不法侵入執事は優しく微笑んで言った。
「ーそれだけでじゅうぶんだと思いますよー」と。
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モノローグカンニング(モンストロ・ブラン)とーこれを飲めば寝れるかもしれないー寝れるカモミールティーに励まされて、あれから俺はロマンスってなんぞや?…俺はアイツのことが…灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢のことが好きなのだろうか?……と悩みつつも眠りは浅いが何とか寝れるようになっていた。ウダウダと恋?ロマンス?に悩んでいたら。秋摘み(オータムナル)の美味しい紅茶の季節になっていた。
今日も今日とて…灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢…と俺は、此処に…この辺境の地のピクセル家の別邸に取り敢えず住み始めて…すっかり日課となった。紅茶教会やら紅茶遊園地やらが建設されて、すっかりと賑やかになった。色々と思い出があるような無いような。そんな中庭で、今日も今日とて、優雅なアフタヌーンティーのお茶会を優雅に過ごしているのだった。何処までも穏やかに何処までも優雅に、それは、もぅ。平和なお茶会だ。
「秋摘み(オータムナル)の美味しい紅茶の季節だから」
俺は今日も今日とて、灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢に今日の紅茶の説明をする。
「一年で最後の旬の紅茶だからな味わって飲むと良い。お好みでミルクを入れてミルクティーにして楽しむのもオススメだ。円熟した深い味わいにまろやかな渋みやバランスのとれた香りを持つ秋摘み(オータムナル)は、ミルクティーに最適な紅茶だからな。今日の紅茶のお供はミルクティーと相性抜群のモンブランを用意してみた。楽しんでいただけたら幸いだ」俺の紅茶の説明を興味深げに紅茶葉袋眼帯の瞳で見詰めて灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢は、微笑んで言った。「〜秋摘み(オータムナル)の美味しい紅茶の季節〜もぅ。秋なのですね」と。感慨深気に囁く「デージョ王子様と始めてお会いした時は春摘み(ファーストフラッシュ)の頃でしたね♡」と。
「…そうだなァ…なんだか色々あったょぅな…なかったよぅな…不思議だな…灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢…ソナタといると。退屈で長かった日常が、何故かあっと言う間に過ぎ去ってゆく」俺は、態と王子様口調で灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢のことをソナタと呼ぶ。
ーーとても大切な想いを告げたいと思ったからだ。
不思議そうに俺を紅茶葉袋眼帯の瞳で見詰める灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢に俺は、静かに想いを告げたーー。
「ー私は紅茶と婚約すると言ったが今一度、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢ー私と婚約して頂けないだろうか?」




