〜□D54■D〜デージョ王子様…その想いは…私が創作(つく)ったものなのです〜
「〜秋摘みの美味しい紅茶の季節だから〜」
俺は今日も今日とて、灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢に今日の紅茶の説明をする。
「一年で最後の旬の紅茶だからな味わって飲むと良い。お好みでミルクを入れてミルクティーにして楽しむのもオススメだ。円熟した深い味わいにまろやかな渋みやバランスのとれた香りを持つ秋摘み(オータムナル)は、ミルクティーに最適な紅茶だからな。今日の紅茶のお供はミルクティーと相性抜群のモンブランを用意してみた。楽しんでいただけたら幸いだ」俺の紅茶の説明を興味深げに紅茶葉袋眼帯の瞳で見詰めて灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢は、微笑んで言った。「〜秋摘み(オータムナル)の美味しい紅茶の季節〜もぅ。秋なのですね」と。感慨深気に囁く「デージョ王子様と始めてお会いした時は春摘み(ファーストフラッシュ)の頃でしたね♡」と。
「…そうだなァ…なんだか色々あったょぅな…なかったよぅな…不思議だな…灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢…ソナタといると。退屈で長かった日常が、何故かあっと言う間に過ぎ去ってゆく」俺は、態と王子様口調で灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢のことをソナタと呼ぶ。
ーーとても大切な想いを告げたいと思ったからだ。
不思議そうに俺を紅茶葉袋眼帯の瞳で見詰める灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢に俺は、静かに想いを告げたーー。
「ー私は紅茶と婚約すると言ったが今一度、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢ー私と婚約して頂けないだろうか?」
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デージョ王子様が私に静かに想いを告げられました。
……それは、とても真剣で真摯な眼差しでーーーー、
……とても嬉しぃ。私はデージョ王子様の事を深く愛しているのですから。デージョ王子様は私の愛しの推しなのですから。……嬉しくないわけがないのです。
……ですがデージョ王子様の私を想う気持ちは、
ーー……きっと。
……私が、都合良く創作ったもの。
……私が、設定したもの。
……だって、この異世界は、私が書いた。
……自作小説の世界なのだから。
ーーだから貴方のその想いは…………、
「デージョ王子様…その想いは…私が創作ったものなのです」……私は、愛しの推しにデージョ王子様に向かい静かに告白致しました……。
「ーこの異世界は、私が書いた小説の世界ですー」
……包み隠さず全てを愛しの貴方に打ち明けましょう。




