間章 「紅は踊る・5」
(2020/08/11 次回予告を書く前に力尽きて寝ていたので慌てて追加)
なんか帰る日を察知しているかのごとくpvが伸びてるのアレですね……ご期待に添えないかもしれませんが、執筆はがんばります。最後に次回予告もありますよー。
最近デジャヴが増えてる(週一、二回ある。上の文章を打ち込み終わった瞬間も来た)のが精神病みすぎの前兆のように思えて仕方がない。家族に一年くらいニートやらせて? ってお願いしたいのはやまやまなんですが、今のこの家庭……うーむ。この平穏を乱したくないけど、今のまま働いてたら例の凶器を使っちゃいそうで。あんなのがどこにでもあるなんて、世も末ですよねぇ。
どうぞ。
「キュルォ!」
「お、少し待て……! 私が乗っているのだぞ!」
戦場に出るなりすさまじい勢いで駆けだした藍晶蛟竜だったが、背に乗る将軍ドルトの制止で歩を緩める。
「そう、それくらいだ」
「ルィ」
緩めたとはいっても、鋼筋馬の走る速度と大差はない程度である。ほかの蛟竜と比べても遜色ないどころか、本気で勝負すれば大きく引き離すこともできただろう。背に乗るものの負担という未知の観点を得た……得たとは言い難くともひとまず知った蛟竜は、それを考慮して動くことを覚えた。偽竜を見ても飛びかかって行ったりはせず、人の形をしているとはいえ敵らしい赤目を改めて敵と認識しなおし、近くにいるそれを殴り飛ばして瞬殺した。
「ルゥ」
「よし。その調子だ……味方を巻き込まぬようにな」
キュイ、と返事をした蛟竜は緩め気味の速度で走りつつ、矢を尾で弾き前足で赤目を殴り殺し、滞りなく進んでいった。
「……増えているな、偽竜め」
死骸を回収して分析した医師の言うことは、蛇にも適用されていたようだ。もともと三頭であったと報告の挙がっている海竜交雑種二類・多頭類「三頭偽竜」は、視界の中にもぽつぽつと見受けられる。
「竜よ。あれが減らない限り、いくら弱いとはいえ兵士と赤目がまともに戦うことはできん。片っ端からあれを狩る、いいな?」
「ルキュイ!」
聞いた瞬間、かれは偽竜に向かって走り出す。背にドルトを乗せていることを忘れてはいないのだろうが、男でもぎりぎり耐えられるかどうかという恐ろしく激しい動きである。終わった後にはしっかりと腰の療治をせねばならんな、と意識しつつ、ドルトは蛇に向かっていった。
「二刀を握る機会はなさそうだが……持ってくるべきではあったか」
独り言をつぶやきつつ、一人と一頭は会敵して警戒態勢に入った蛇のふところに潜り込む。そして、速度に対応しきれずすべての首を伸ばした瞬間、さっと中央を刈った。脳を失った蛇はそのまま倒れ込む。
「手慣れているな。クルナールに習ったか」
背中に乗せたものの動きも知り、行動を預ける信頼を知っている。クルナールは教えるべきことを教えたようだ、とドルトは安心した。例の刃気は使わないのかとも考えたが、矢を防ぐのに尾で弾いて足りるようならば、わざわざ魔力を行使することもあるまい。加えて、本命の飛竜がそう簡単に相手をさせてくれるとは限らないため、力は温存しておくべきである。
しかし――地鳴りのように竜の咆哮が轟く。空を染めるほどに激しく紅い雷がほとばしり、地面に突き刺さったかと思うと、虚空から現れたかのごとく三頭偽竜がどっと湧いて出た。敵の数を増やしていた魔術は、いままた脅威を増大したのだ。
「魔将軍の手引きでもあるまいに、なぜこのような……!」
壁のごとく押し寄せる……押し潰さんばかりの数で迫る、蛇の群れ。一瞬あの連魔将軍かと考えたが、あれは自然に生息するモンスターを軍勢に加えない。そして、あれは「将軍」という称号には似ず、ただ数で蹂躙することを好む。出し惜しみはせず、空間をつなげて召喚するといった特殊な魔術も使わない。考えるほど将軍としては無能であり、無為に戦力を消耗しているだけのようにも思える女である――が、それについて論じるのはまた別の問題だ。
「竜よ。あの蛇たちをどうにかせねばならん……なるたけ少ない人数で、できるだけ多い数を倒すのだ。あの紅い剣気……あれを使えるか?」
「キュゥ?」
言葉でなくニュアンスでなんとなく理解しているためか「剣気」という言葉は伝わらなかった。見上げるミズチに身振り手振りで伝えようとしたドルトだったが、伝わりこそしたらしいものの返事は「ギュ」という芳しくない(と思われる)ものであった。
「で、あれば――守護鉄璧剣、術理開放」
操竜術においては長柄武器の使用が好ましいとされる風潮にあって、しかし剣を持ったまま騎竜を駆るものは多い。もっとも手慣れた武具を持つのが当然という意見、術理開放によって「魔刃延長」を使うため元の剣が短くとも構わないという意見もあるが……ドルトはというと、術理開放ではあってもほかとは少々毛色の違うものを用いている。これもまた、解のひとつだ。
「竜よ、私はこれから長物を振り回す。すまんが、少し気を付けてくれ」
「ギュイ」
剣の一部が伸びてがちり、がちりと広がり、体から放出された魔力によって術式が発動、封入された「利解剣」の術式が剣を巨大な斧槍に変形させる。扱いそのものは難しくないが、その力をすべて引き出すためには修練が必要になる――王国の槍使いの中でも最高峰の実力を持ち、鍛えた青年が自らを超えたことを誇りとするドルトにはふさわしい武器であった。
「この国の未来は、お前には関係なかろうが……竜よ。私という楔があるにせよ、通りすがっただけのお前が共に戦ってくれることを、心から感謝する」
腕力と斧槍の重量を合わせて偽竜の右頭部を弾き返し、返す刃で中央の首を刎ねる。
「キュウル、ルィ」
蛟竜も嬉しそうに尾を振り、向き合わずして偽竜の尾と打ち合った。くるりと方向転換したかれに合わせてドルトも斧槍で薙ぎ、蛇の首元を浅く裂く。蛟竜は横から殴りつけて偽竜を転倒させ、その喉を爪で割いた。
続けて襲い来る蛇の短い角を、斧とは反対側に付いた鉤で引っかけて互いのバランスを崩す。体がきしむような感覚に襲われながら、ドルトはくるりと返した斧槍の先端を左頭部の喉元に突き刺した。わずかにひるみ、尾を暴れさせる蛇をばしりと押さえ、竜はさらに迫る蛇の首をふたつまとめて飛ばす。中央と左の首を根元から失った三頭偽竜を尻目に、ドルトは押さえつけられている蛇の勁窩(注1)を薙ぎ、骨を断った。
三頭偽竜の死骸は山と積み重なり、死屍累々の様相を呈している。死んだふりをして死骸の陰から兵士たちを狙う狡猾なものもなく、確かに数は減っているのだが――それにしても、敵は多すぎた。
魔術で仕留めるもの、誘導して被害を減らすもの、攻撃を受けつつも愚直に前進を続けるもの。どれも欠かせない動きであり、全体が存続するための行動だ。個体ごとの戦闘能力はさほどのものではなく、騎士が数人いれば手こずることもなく倒せる。
(どうにか切り込んで、指揮系統を潰す必要があるな)
そもそも指揮がきちんと機能しているかどうかも怪しい、ほとんど泥沼的な消耗にも思える血みどろの闘争であった。
「余裕が少しでもある騎士は、森の奥へ切り込め! 指揮を崩すぞ!」
竜を促し、ドルトは偽竜や赤目を蹴散らしながら森の奥――敵の首魁、そして最大戦力である飛竜が潜んでいる洞窟へと向かった。
◇
「むぅ……?」
書物の山の前で首をひねるガームス・ドビロス――アルナテラ国でも亜人族研究の第一人者と呼ばれる男は、ある異変に頭を悩ませていた。
こと戦闘というものにまったく適性がなく、争いが激化して自らも戦力として駆り出されることがあれば一番に死ぬだろうと怯えていたガームスは、しかし生きて戻ってきた。王国中部・ベロケ造成林地帯における赤目たちの造反が、あまりに唐突に始まり、わけのわからぬまま終結したからである。
もともと争いを好む性質でなく、なぜ飛竜など手懐けて戦力を集結させたのか、という疑問こそあったものの、最大戦力を落として交渉に入れば有利な条件にて封じ込めることもできるだろう――というのがガームスの見解であった。戦闘中盤において出現したおびただしい数の三頭偽竜を蹴散らし、本拠地であったらしい、丘にぽっかりと空いた洞穴に侵入した騎士たちは、しかし敵の本部をつかむことに失敗した。洞穴に入って間もない場所には、円形に焼けた地面と赤目の非戦闘員全員と思しき死体が残るのみ、理由は不明ながら、敵の全滅によって内乱は不可解な終わりを迎えることとなった。百二頭が確認された三頭偽竜であったがすべて掃討され、周辺に被害をもたらすこともなくなっている。
ともあれ屋敷に戻ったガームスは、白いものが混じり始めた頭もそう耄碌していないと自負している。目もかすむことなく、よく見えているが……だからといってわけのわからない事態に一瞬で対応できるかと言われれば、そうでもない。
「おれが書斎で書物の所在を忘れるとはまた、訳の分からんことが起こるものだ」
地位のある研究者として手に入れた屋敷で、魔術によって書写された簡易式の書物を大量に収めた自室。大量にあるとはいっても分厚いものばかりであり、彼自身が選んで買い、収納場所も決めていることもあってどこにどの本があるかは把握している。
「ホローテ、ホローテはいるか?」
「はい。いかがされましたか」
下女のホローテから目録を受け取り、記憶にないものの数を見る。特に信頼している下女に作らせている書斎の目録には、確かに興味を持ちそうではあるが、見たことのない書物の題名が記されていた。そして記憶の欠けはどうやら二年と少しに及び、彼をしてもなお知らないことがある、という当たり前の事実をことさらに惨く伝えてくれる。
(……アルナテラ公歴1016年、花の三月・六日『ヘニエス最新書店』にて、だと?)
屋敷に戻った今日からちょうど一年後の日付、ガームスは重要な書物を購入していた。世界各地でみられる亜人種を特徴ごとにまとめ、その言語や住処、文化などをできうる限り調べ上げた『人型生物種についての未完調査録』という本である。
「さて――」
今はいったい、公歴何年のいつであるのか。それとなく暦を確認しようとするが、魔法式の時歴盤は石晶子の輝きを失い、止まっている。
「……ご主人様もでございますか?」
「も、とは何だ」
それなりに長く仕えてきた経験から、ガームスの挙動を察したらしい下女は「いつの間にやら、知らないレシピを作っておりまして」と、知らない時間の経過を思わせる発言をした。
「いまはアルナテラ公歴1017年、花の二月・十日です」
「二年……経っている」
「はい。わたくしも戸惑ったのですが……ここ二日の出来事ですから、お戻りになる間は気付かれなかったのかもしれません」
違和感がなかったかと言われれば、そうでもない。魔術でも使わなければ起こらないような木々の急成長や、魔力探知に映らなかった地虫の出現。意識せぬうちに数年が経っているのであれば、あり得る事態だろう。
「うむ、そうか……なら、その新開発のものを持ってきてくれ。書に耽る、供が要るのだ」
「かしこまりました」
ほどなくして運ばれてきた、漬けた酒から取り出してきたと思しきホテラを乗せた焼き菓子、そして深く集中するための静かな香りを持つ夜花茶にひとまず口をつける。二年の間に技術が進歩したか、香りは洗練され、より生の花に近いものになっていた。そして、ひたすらに頁をめくり、確かに買い、今と同じように読んだはずの書に向かっていく。
「ヘイリエスに、マニル……煌雅人は伝承にもあったように思うが……」
ここ二年で発見されたらしい、新たな亜人種。聞いたこともない場所にいると記載されているが、目録を見る限り世界地図もまた更新されているため、最新版の地図には載っているのだろう。
「フェノグリームス群島、か」
ガームスは思い出す――ドルト将軍の持つ「ベルネグリア」という奇妙な武装について出自を尋ねたときに、どこかの島の怪物からぶんどったのだ、と聞いたことがある。おそらくは関係のないものだろうが、万が一ということもある、いまは引退した彼に話だけは聞いておくべきだろう。
「いや、……」
引退した、という知識がいったいどこから来たのか。
「飲まれかけているのか……」
ところは変わって、アルナテラ国中央領ニスヘル城下町、騎士練兵所。
百回の素振りを終えた初老の男は、自身が衰えていることを理解していた。ほどよい準備運動程度のものであった木剣の素振りが重く感じられる日が来ようとは、島を出たあの日から一度たりとも思ってみなかったことである。
赤目たちの造反を収めてしばらくのこと、療治を怠っていたわけでもなく、純粋に年齢のためにドルトは体を壊した。剣竜を駆る騎士としては長くもった方であり、ほとんど限界といわれる年齢まで竜に乗ることができただけでもその稀有な頑丈さがうかがえる。あと数年はと思っていたものの、急に無理が利かなくなり、騎士団長としての引退が早まってしまったのである。
心得のないものが作る像にも似た、やや鍛え過ぎた騎士が「いけません、筋肉が苦しんでる」と彼を止めに入る。
「以前なら、木剣なぞ一日中振るっても疲れなかったものだが……」
「ご無理はいけませんよ、閣下。鍛錬には緩急があるものです」
言葉の説得力を減じるほどに巨大な体を持ち剛力無双を誇るクォーだが、実践に際しては理論を重んじる性格である。
「クォーか。お前の言う方策なら、まあ間違いはなかろうが」
力があって困ることはなかろうよとドルトが笑うと、クォーは眉をひそめる。
「閣下……本当に竜災先遣隊に?」
「ああ。私も竜災で騎士を志したクチでな」
人間という種族がいまこの瞬間に存続していることが不思議に思われるほど、この世界はあまりにも強大な生命があふれている。町をいくつも滅ぼして余りある怪物どもが住処を出て、近くにあるヒト種の住む場所を破壊することは「竜災」と呼ばれ、統治においてこれらへの対策を盛り込まないことは自殺行為とされている。ドルトの生まれたゴルティノス島は、海竜種による竜災が多い地であった。王国からの応援を必要とするほどの規模の竜災のとき、孤児であった彼は騎士への憧れを抱き、当時の騎士団長「ヴルキ・グリース」を頼って中央領へとやってきた。
「師匠はいつも「お前たちの守るものは三つある」とおっしゃっていてな」
「笑顔と、空と、帰る場所……ですね」
「無性に、あの空が思い出されて――せめて、育った場所の空を、とな」
「……お決めになったことならば、仕方ありませんね」
クォーも、この男が他人の言うことを聞かない頑固者であると思っているわけではない。しかし、はるかに年上の男の決断について口を出せるほどには傲慢でもなく、まして将軍とまで呼ばれた男がことばひとつで生き方を変えるなどとは思ってもいなかった。
「ところで、あの竜なのですが……」
「ああ、あれか」
ドルトになつき、クルナールとは複雑な関係らしい、それなりに成長した蛟竜。鋼鱗蛟よりは享華しているように思えたが、種別はよくわからぬままであった。
「ひととき人の元にあって、すぐに旅立って行きましたね。あれはいったいどのような……?」
「私にも分からん。旅をする竜というのも、そもそも珍しいものらしい」
正統天竜は住処から動くことはなく、住処ごと移動する。海竜は種族が多いために一概には言えないが、自らが気に入った数か所を巡っていることが多いようである。
地竜種、とくに剣竜類は群れを作ることが多く、ひとところに留まってなわばりを持つ。かの蛟竜のようにあちこちを旅し、あちらに現れたかと思えばこちらに、といったものはほとんど例がないらしく、片手間に調べさせた報告にもそのように挙がっていた。
「蟲毒を生き残ったモンスターは、より強くなるため狂暴になるそうだ。人を襲わない代わりに、ひとところにはとどまらない性質を持ったのがあれかもしれん」
「そう、ですか。ひとまず木剣を下ろしてください、閣下」
「む……」
クォーがどこかへ行った隙に型稽古をしようとしていたが、目論見は崩れ去った。
おとなしくしていてください、と釘を刺されたドルトは、クルナールのもとへ向かった。
「……リュルゥ」
「よしよし、そう鳴くな」
人語をそれなりに解するクルナールは、ドルトが引退することを聞いて知っていた。涙こそ流さぬものの、連れ添ってきた年月で声の調子は図れるようにもなっている。
「力を付け、技を磨き……。いずれは龍にもなるのかもしれんな」
「ピュィ」
腹ばいになって尾を地面につけ、元気がない様子である。
「まったく……連れ添う雄も選ばねばならん年頃だと言うに、こいつめ」
「ルッ!?」
最大の危機を迎えたかのごとき声を出した紅錬蛟に、ドルトはやや呆れながらも笑う。しかし、鼻を寄せてきたかれが何を思っているのかは知れた。
「……そうだな。だからこそだ」
彼は妻を早くに亡くし、子を為すことはなかった。師匠のもとに義理の息子として婿入りしたものの、病弱であった妻は二人で過ごす時間もあまり持てないままに逝った。クルナールは、娘を亡くした父親と妻を亡くした夫の男泣きを知っているのだ。理解の及ばぬ箇所があったとはいえ、ドルトが子を為せなかった悲しみは深いものであろうと推察している。
「言葉で伝えられるようにも思うのに、言って伝わらん虚しさもある……言ってもいないのに、伝わったような気がすることもある。ずっと救われていたよ、言葉のない関係に。ありがとうな、クルナール」
「リューイ……」
悲しげな声を背に、ドルトは進んだ。居心地のいい、都合のいい世界――いいように解釈し、曲解しても答えの見つからないところから、戻ってこなくてはならないのだ。
昼というには遅く、夕刻というにもまだ早い、陽光が黄色みを帯びてきた刻限。見上げた空は、練兵所の壁越しにも遠く広がっていた。
水滴を落としたらどこまでも広がっていくだろうと思えるほどに澄み切った、あの空が思い出される。久しく訪れていないが、水龍人である幼なじみは変わらぬ姿で待っているのだろう。
「男は風、か……」
不可思議にずれた岩の家や、一家にひとつ船がある風土の中でごく自然に交わされる、諦めにも似たつぶやき。締め付けられるような郷愁の中で、ドルトはただ一人、闇月が顔を出しても空を見上げ続けていた。
注1「勁窩」(けいか)
首の後ろにある、延髄の直上にあるくぼみ。一般には「盆の窪=ぼんのくぼ」と呼ばれており、広辞苑で引いたらこの単語が出てきたため使用することとした。筆者が小学校のころ、大縄跳びの縄がこのあたりに命中し、身動きできずに棒きれのように倒れたことから「ここは急所だろうな」と思っていたが、案の定、致命部位であるらしい。わりと軽く叩いただけでも一瞬動きが止まったりするので(実体験)、いたずらに急所にひどいことするのはやめようね。
仕事中に唐突に思いついた展開とか設定を無理なく挿入できるのが私の強み……と言いたいところなんですが、ガバの広さが無限大だからなんでも入るだけなんですよね。世界観に合うように作ってはいるので、いちおう「未知の種族がいる」「歴史改変が起こっている」ってのは最初からあった設定です。細かいところを詰めていったらちょこちょこズレていくので、そいつの修正をゴリゴリと。
次の章はほんとうに頭がおかしいというか、初っ端から狂気全開でブッ飛ばすので連続投稿したいと考えています……が、それだと冬以降になりそうです。というわけで、未来の安売りセール=いまのところ決まっている予定の開示をしていこうかなと思います。とりあえず章タイトルだけ。
「紅紫雨」
「我が愛しの姫君に捧ぐ」
「災濫:みずいろのアトリエ」
「奔流れ碧廻れ天穏眠ぶ」
「災濫:七剣克渦」
「災濫:マリアージュ」
「災濫:キツネツキ」
次回「紅紫雨」
ある山で起きた盗賊たちの斬殺事件は、その始まりにすぎなかった。苛立ちまぎれに岩や木々までも斬る怪物の正体こそ伝承の怪物、紫等級「トムライ」。引きずり込む死がやってくる。
一方の牧竜都市ギエラでは、街の名物である肉料理が今日も消費されていた。そこに、ほんのわずかな心があったことに気付かないまま……。
ギエラに、血と剱の雨が降る。




