ガチャ1241回目:スキルも使い手次第
ったく、強さは100レベル未満なのに、こんなに心を磨耗させられるなんてな。これでただのレアだって言うんだから、ⅡやⅢになったらどうなるやら。
……いや、ⅡはまだしもⅢは個体数が減るからマシにはなるかもしれないのか? 質は爆上がりするだろうけども。
「セレン、捕えてくれ」
『♪』
水の輪が複数出現し、連中をまとめて縛り上げる。今回のレアは体長で見れば4メートル以上はあるからな。『再生』スキルや『分裂』スキルは健在だし、こうでもして纏めておかないと撃ち漏らしが発生しては面倒だからな。
『ギチギチ』
『ギチギチ』
こいつらがトカゲみたいに自切機能を有していたらこんな手段は使えなかっただろうな。……もしかしたらⅡやⅢは持ってるかもだが、今は考えないようにしよう。
まずは『充電』を済ませてっと。
『エネルギー残高 73/500』
次は武器だが……。早速使う出番を見失ってしまった天羽々斬で行くか。こいつなら普通に振るうだけで一刀両断にできるだろうけど、こいつらの場合それは有効じゃないんだよな。最悪、頭だけ潰しても生きてる可能性あるし。
となれば、全身丸ごと灰になるまで焼くのが効果的か。
問題は刀で剣の技が出せるかなんだけど……多分問題なさそうだな。多少の反りがあるとはいえ、形状はほぼ剣なわけで。刀も『剣術』スキル扱いだしな。まあ、その反りが大問題の可能性もあるが、なんとかなる……はず。
「んじゃ……『閃撃・灰燼』!!」
『斬ッ!!』
燐光を纏った蒼い斬撃が奴らの頭部を斬り落とし、切断面を青く燃えあがらせる。懸念はしてたが、ちゃんと技が発動したようだな。
『ギチギチギチギチ!!』
連中が頭を斬り落とされてもなお暴れ回ろうとするが、セレンの束縛がその程度で解かれる事はなく、命が燃え尽きるまで奴らは暴れ続けた。
そうして頭を落とされ10秒ほど経過したところで、奴らはようやく塵に還えり煙へと変わっていった。
【レベルアップ】
【レベルが13から173に上昇しました】
うーん、まっずい。
こんなにメンタル削られて、5体を纏めて葬ったのに、結果的に得られたのは『充電』1回分と来たか。これは嫌われるのも分かるわー。
そうして発生した煙は、再び5つの煙となってゆっくりと膨れ上がっていく。……この様子からして、ものの数分で次が出現しそうだな。ありがたいのは出現速度が早い点か……いや、メンタルを整える時間を与えられないと考えて、残念な点と見るべきか。
とりあえず『充電』っと。
『エネルギー残高 74/500』
「旦那様ー」
「ショウタさん」
「助かる」
振り返ればアヤネとマキが両手を広げてくれていたので、その胸に飛び込み回復に専念する。
はー、生き返るー。
「ショウタ君、こっちにもおいでー」
「よしよししてあげましょう」
「おー……」
そうして腑抜け切った俺のすぐ近くで煙が膨張。中から更に巨大化したゲジゲジが登場した。
*****
名前:マナイーター
レベル:170
腕力:1700
器用:1700
頑丈:1900
俊敏:50
魔力:2000
知力:20
運:なし
【Pスキル】硬化Ⅴ
【Aスキル】毒抗体Ⅴ、再生Ⅳ、悪食LvMAX
【Mスキル】マナブレイク
【Sスキル】威圧Ⅳ、恐慌の魔眼Ⅱ、恐怖伝播Ⅱ、悪臭Ⅱ
★【Eスキル】蕾Ⅲ、毒粉塵Ⅲ、魔力消化、消火液Ⅲ、精神負荷Ⅲ
装備:なし
ドロップ:マナイーターの胃袋、ランダムボックス
魔石:極大
*****
「うわぁ……」
これまたキモい上に臭いモンスターが出てきたぞ。『悪臭』なんて久々だが、こいつは以前遭遇したオーク系列とは違う種類の臭気を感じるな。あっちは汗臭さと動物小屋の匂いをミックスさせて、それを凝縮したみたいな感じだったが……コイツからはただただ腐敗臭しかしない。それがまた『精神負荷』によって忌避感が積み重なって、嫌な感じがマシマシな感じだ。なんというか、息するのも辛い。
そんな存在が5体もいる訳で、レア以上に即刻この場からご退場頂きたいところだが……待てよ?
「ほれっ!」
鞄からチェリーアップルの実を取り出し、連中の口に放り込んでみる。するとその瞬間から臭気の種類が変わり、フレグランスな桜の香りになった。『悪臭』は確か自身が出せる臭気の中で一番ヤバイ匂いを爆発させるスキルだったはず。それが全部一定量の香りしか出せないようになった結果、ただの良い匂いしか出せなくなったんだろう。
「これは面白いな」
『『『『『ギギィィィ!!』』』』』
「うっ!?」
なんて遊んでたら、連中が攻撃をする機会を与えてしまったらしい。
奴らが使用したナニカによって、身体の中から何かがゴッソリと抜け落ちた感覚を覚えた。予期せぬ衝撃に思わず立ちくらみを起こすが、連中もまた同じように苦しそうにしていた。出現した瞬間と比べ、明らかにやつれているというか、生気がない。その上連中から発していた桜の香りも、残り滓のように勢いが弱まっていた。
せっかく爽やかな香りにしてやったのに、何してくれてんだこの野郎。
『ギ、ギイィ……!』
それにしても、めっちゃ苦しそうだ。というか、今にも吐き出しそうな感じだ。
ということは?
「……そういうことか」
『解析の魔眼』で見てみれば、連中の残存魔力が空っぽになっていた。魔力がなくなったから、『悪臭Ⅱ』も効果がきれたんだろう。恐らくはスキルにあった『マナブレイク』の効果だろうか?
そしてさっきの感覚から察するに、俺の中からも魔力がゴッソリと消えたんだろう。互いの魔力を犠牲に対消滅させるスキルなんだろうか?
使いようによっては有用だが、用法を誤ると自滅する諸刃のスキルだな。本来は相手の魔力を削って、吐き気に襲われ動けなくなったところを食べるってスタンスのモンスターなんだろうが……。
「相手の魔力を推し量る知能がなかったみたいだな」
魔力がなくなりデクの棒となった訳だが、危ないモンスターである事に変わりはない。危険物はさっさと始末するに限るな。
「んじゃもう一発……『閃撃・灰燼』!!」
『斬ッッ!!』
【レベルアップ】
【レベルが73から328に上昇しました】
そうして連中はレアと同じ末路を辿り、燃え尽きるのだった。
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