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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十三章 桜島ダンジョン

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ガチャ1239回目:直視困難

 ゲジゲジを見てるだけじゃ何も始まらないし、とりあえず狩ろうと思うのだが、1つだけはっきりさせとくか。


「コイツらって肉食?」

「はい。人間を餌と思っているようです」

「レベル差があろうと構わず食べに来るみたいです」

「知能がないし、肉かそれ以外でしか判断できないんじゃない?」

「脳筋ですわー」

「ふむ」


 元が益虫寄りでも、巨大なモンスターとなれば完全に害虫か。なら始末するに越した事はないが、武器はどうするかな。


「んー……。この先のレアを想定して、天羽々斬で行くか」


 武器庫から天羽々斬をとりだし、鞘から取り出す。すると淡い燐光が刀身から溢れだし、俺の周囲を包み込んだ。

 この燐光に特に意味はないはずだが……なんか、ゲジゲジ連中が慄いている感じがするな? 連中が恐怖しているのは俺に対してか、天羽々斬に対してか、燐光に対してか……。まあそれは後で視れば良いか。


「最初の錆になるのがゲジゲジって……」

「少しだけ哀れな感じがしますわ」

「そこはでも、ショウタさんですし」

「仕方がないですね」


 まあ確かに、『幻想武器(ファンタズマウェポン)』の無駄遣いかもしれんが、そんなこと言ってたらいつまでも使えないしな。


「アイラ」

「はい」


 そうして彼女に鞘を預けた俺は、そのまま一息でゲジゲジに接近し、燐光出現後からずっと固まって動かないでいる内の1体を、頭部から一刀両断にして斬り捨ててやった。


『斬ッ!』


「おろ?」


 すると奴は、切断面から素直に煙を噴き出し、ドロップアイテムを撒き散らして消えていった。特に『分裂』とやらのスキルが発動する事はなかったな。縦に割ったからか?


『ギチギチ』

『ギチギチ』


 仲間を倒された事でようやく俺の存在に気付いたのか、連中が無数の脚を動かしながらこちらへと向かってきた。その速度はお世辞にも速いとは言えず、普通の子供が歩く速度と大差ないスピードではあったが……その動きに弱い人は弱いんだろうなぁと思った。それなりに大丈夫な俺でさえキモい動きに表情筋が機能停止するくらいだ。

 これが『精神負荷』の効果か。確かに負荷が掛かっているような気がする。俺や家族が関わる場面以外ではポーカーフェイスを保つアイラでさえ、連中が動き出した瞬間眉が少し跳ね上がったくらいだ。


「コイツらの動画には、閲覧制限かけた方がいいかもな!」


『斬ッ!』


 今度は横に断ち斬って見せる。すると身体の中心から分割された連中は、今度こそ煙を出す事はなく2つの生命体として活動を再開した。

 元々頭が付いていた方はスキルやステータスに変化はなかったが……。


*****

名前:ブルーセンチピードテイル

レベル:――

腕力:300

器用:200

頑丈:300

俊敏:20

魔力:100

知力:10

運:なし


(パッシブ)スキル】硬化

(アーツ)スキル】毒抗体、再生

★【(エクス)スキル】精神負荷


装備:なし

ドロップ:センチピードの青い甲殻

魔石:中

*****


 『(エクス)スキル』の一部とレベルを無くして、別モンスターとして存在していた。これはある意味で、スキルの量が倍になったと見るべきか……。いや、実験したくなるよなぁ?


「エンキ、エンリル、セレン、イリス」

『ゴ』

『ポ』

『♪』

『プルーン?』

「いや、無理に食べる必要はないぞ」

『ププルプル』


 流石にこんなゲテモノ、食べろなんて言わないさ。イリスも嫌そうだしな。


「今から無傷のゲジゲジを……一応400。それから別に100体集めてくれ。そっちは、頭部だけのゲジゲジと尻尾だけになったゲジゲジで後で分けたいからな。手伝ってくれるか?」

『ゴゴー!』

『ポポ!』

『♪♪』

『プルーン!』


 そうしてイリスが俺の近くでモンスターを閉じ込め管理する役。エンキとセレンが運び役。エンリルは分断役に分かれて貰った。合計500体はなかなかにカオスな光景になるだろうけど、どうなるかなー。


『キュイィー?』


 一人役を貰えなかったアグニが寂しそうに鳴くが、構わず持ち上げて優しく撫で上げる。


「アグニは俺の精神回復のためにモフらせてくれ」

『キュイキュイ!』


 アグニを元気づけるための口実に過ぎないが、実際連中に動くを見てメンタルに少なからずダメージは受けていたので、もふり倒すことにした。それは勿論、嫁達も一緒にである。



◇◇◇◇◇◇◇◇



『キュイー……』


 全員に撫でられアグニはご満悦だった。そこにエンキとエンリルがやってきて、腰と肩にくっついて甘えてくる。

 どうやら回収作業が終わったらしい。目視確認は……ちょっと精神に負担がありそうだからやめて、マップで確認することにした。


「……うん。400体と100体ずつはいるみたいだな」

「あ、赤点がウゴウゴしてますわ……」

「こっちはこっちで来るものがあるわね」

「私もこれはちょっとキツイです……」

「新手の拷問か何かでしょうか」

「そうだなぁ。直視は良くないよなぁ」


 いつもの戦いの記録の為のカメラこそ連中が捕えられている場面をしっかりと捉えてはいるが、アイラも背中を向けてるし、見たくはないよな。


「この動画の編集は三馬鹿にやらせるか」

「そうですね。操作方法を覚えてもらいましょう」

「さんせー!」

「そうしましょう!」

「良案ですね!」

「エンキ達は、アレ見ても大丈夫ではあるんだよな?」

『ゴー』

『ポーポポ』

『キュイー』


 問題ないらしい。いまだに連中を閉じ込め続けているセレンとイリスからも忌避感は感じないし、やっぱり連中の持つ『精神負荷』は、人間に対してのみなのかもな。

 ああいや、そうなるとアズ達はどうなんだろ? 感性はこっちに近いし、嫌がりそうではあるんだよな。となると三馬鹿もダメージを喰らうことになりそうだが……まあ、三馬鹿だし良いか。


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