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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十三章 桜島ダンジョン

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ガチャ1238回目:浴び飲み

 イリスがハチミツが入った壺を頭上で逆さまにして、文字通り浴びながら飲んでいる光景を見ながら、俺は一旦腰を落ち着けていた。

 雑魚連中の湧き直しについては。一連のレアルートを全撃破が条件の可能性もあったが、この状況下でも雑魚のハチが湧き出す様子はなかった。となれば、最初の読み通り、あちらと同様森から離れない限り再出現はしない仕組みで間違いなさそうだ。


『プルルルル』


 イリスのためにずらりと用意された100壺のハチミツを見て、改めて思う。


「結局俺は女王との戦いで何体斬り捨てたんだ?」

「はい。ナイト1体が1度に召喚できる数が20体。そこから再召喚した回数が全部で3回。つまり1体につき60体のハチが召喚され、そんなナイトが20体居たわけですから……」

「1200体か」

「はい。レアを沸かせるために討伐した数に追いつくレベルで討伐されていましたね」

「そりゃ疲れるわけだ」

「ですが、そのおかげで沢山のハチミツを手に入れられました」

「旦那様、今日の夕食、楽しみにしていてくださいましね」

「ああ。楽しみにしてる」

「ふふ、改めてお疲れ様、ショウタ君」


 皆が甘えるようにくっ付いてくる。そんなに強くなかったとはいえ、俺も長期戦を終えて昂ってはいるんだが、それは見ていた彼女達も同じようだった。このまま昂りに身を任せば結果は見えてはいるが……どうしたもんかな。


「アイラ、今って何時?」

「まもなく15時ですね」

「3種倒して15時か。うーん……」


 やろうと思えばやれる時間だな。

 もちろん、6種制覇的意味で。


「どうしようかな」

『プルルルル』

「……」


 嫁達とイチャ付きつつ今日の予定を思案していると、オレンジ色の物体が目に映った。


『ププルプルプル』

「……イリス、お前ハチミツモンスターみたいになってるぞ」

『プルーン?』


 もとの虹色ボディはどこへやら。完全にハチミツコーティングとなったイリスが、尚も頭に追いハチミツをしてプルプル震えていた。

 まるでハチミツで行水しているみたいだな。こんな楽しみ方、全身に汚れが存在しないイリスだからできる事で、人間にはとてもじゃないが真似できないな。いや、やる人はいるかもしれないけども。浄化でその瞬間その瞬間の汚れは除去できても、生きているだけで自然と汚れが発生する生き物だからな、人間は。


「まあ楽しそうで何よりだよ」

『ププルルン』


 ふぅ、イリスを見てたら昂りはどこかに飛んでいっちまったな。


「んじゃ、4種類目に行こうか」

「「は~い」」

「はいですわー」

「畏まりました」


 そうしてハチのエリアを突破した俺たちは、島の北西にある4種類目のモンスターの生息地へと向かったのだが……。


「遠目で見た時からわかりきっていた事だが、ここに来て新種がくるか」

「ご主人様にはあまり縁がない相手かもしれませんね」

「気を失うほど苦手ではないけど、得意でもないっていうかー。あんまり近付きたくない相手ね」

「私も趣味の関係で虫類には耐性がありますけど……。これは少し話が違いますよね」

「ゲジゲジしてますわ」

「ゲジゲジしてるなー」


 アヤネが言うように、俺達の前には体長2メートルほどの無数のゲジゲジがいた。


*****

名前:ブルーセンチピード

レベル:38

腕力:300

器用:200

頑丈:300

俊敏:20

魔力:100

知力:10

運:なし


(パッシブ)スキル】硬化

(アーツ)スキル】毒抗体、再生

★【(エクス)スキル】蕾、分裂、毒粉塵、精神負荷


装備:なし

ドロップ:センチピードの青い甲殻

魔石:中

*****


 毒持ちで、分裂して、再生もすると。その上硬い上に精神にもダメージを与えてくると来たか。雑魚のくせに、随分と厄介な性能をしているな。


「ふーむ」


 それにしても、長さだけ見れば十分モンスターしているが、身体の大きさは大した事はないな。胴回り10センチくらいか? まあそれでも、こんな巨大なゲジゲジがいたら、苦手な人は発狂しかねんが。


「なあ、もしかしてコイツらって、不人気?」


 スキルもなんとも言えないラインナップだし、ドロップも甲殻だもんな。まあ、武具の加工工場なら使い道はあるだろうから喜ばれるだろうけど、一般の稼ぎ目的で見ると、嵩張るし何よりここはダンジョンの入口からみて正反対の位置にある。そんなところにわざわざ狩りに来るとも思えない。


「そうですね。圧倒的に不人気です」

「旨味もないし見た目もコレだし入口から遠いもの」

「手前にハチミツや木の実、カニ身をドロップするモンスターがいますからね」

「狩る意味を見出すのも大変ですわ」

「だよなぁ」

「ですが話に聞いたところ、自衛隊はこれを積極的に討伐していたようですね」

「なんでまた?」

「1つは、このモンスターの落とすスキルが、生存能力を高めるものが2つも存在していることです」

「……ああ、なるほど」


 『硬化』スキルに『毒抗体』があれば、不意の攻撃やトラブルにも対処できるし、後続の生存スキルを高めるにもなくてはならないスキルか。


「もう1つは、スタンピードの発生条件が不明だったからですね。ただ手前のモンスターだけ討伐すれば良いのか、全てのモンスターを満遍なく討伐すれば良いのか分からなかったためです」

「ふむふむ」

「ですがご主人様が『ダンジョンカウンター』を見つけたことで、何を討伐してもスタンピードのカウントに影響を及ぼす事が判明しました。それ以降は、積極的に狩られることは無くなったようですね」

「なるほどな」

「ネタバレになるので言わないようにしていましたが、みなさんショウタさんに感謝していましたよ」

「もうゲジゲジ倒さなくて済むんだーってね」

「苦手な相手でも倒さなくちゃいけないのって大変ですわー」

「全くだな」


 けど、それはそれとして……現状を見る限り、このダンジョンの難易度ってそんなに高いようにも見えないんだよな。レベル的にも普通な連中ばっかりだし、6種類もいて大変なのは分からんでもないが……。他に高難易度たり得る秘密が隠されているんだろうか。

 やっぱり、火山の方かな?

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