ガチャ1232回目:真愛パワー
「「「……」」」
アキだけじゃなく、他の3人も思い当たる節がないか考えているようだ。直接見てはいなくても、そういう出来事があったことは共有されてるはずだしな。ただ、詳細までは知らなくてもおかしくはないが。
そうしているとまずアイラが納得したかのように静かに頷き、マキとアヤネはいつも身につけてくれている真愛シリーズを見て首を傾げていた。そうしているうちに、アキも思い出せたようだ。
「あー! 分かったー!」
「お。分かった?」
「うん! あれでしょ、『ハートダンジョン』で初めて『黄金蟲』を出しちゃった日の事よね?」
「そうそう」
それを聞いて、マキもアヤネも理解できたようだ。
あの時、強化体の出現まで『黄金蟲』を討伐した日の事。フィールドの各地に散らばっていた護衛の冒険者達と、受付嬢。あの時は冒険者4人とサポートの受付嬢1人のチームが5組居たのだ。けど、モンスター討伐時にアイテムはドロップしてたけど、レベルが上がったという報告は受けていなかった。いくら『黄金蟲』が18レベルしかないとしても、『大魔石』持ちのモンスターであり、俺やアヤネがレベル50台前半の時に討伐しても1レベル上昇するほどの経験値を持っているやつなのだ。そんなやつ相手に、誰1人としてレベルアップしないのはおかしな話だ。
まあ、当時はその辺のことはなーんにも考えてなかったから、違和感を持てなかったんだけど。
「マキとアヤネは、俺たち皆の事で思考が詰まってたかな?」
「はい。私達が『土の大精霊』戦のおりにレベルアップの恩恵を受けた時、最大人数は20を超えていましたし、外にいたサクヤさんも恩恵を受けていましたから」
「戦闘に参加しなくても100%の経験値がもらえるだけでもすごい効果ですのに、人数制限の壁すら突破できるアイテムだったんですのね」
「そういうことだな。ほんと、ガチャもそうだけどあのダンジョンから受ける恩恵は、本当に計り知れないよ」
「『バトルアリーナ』なんてものも作れるし、危険物の実験もできちゃうしねー♪」
まあそれはちょっと違うかもだが。
「とにかく、戦いづらいからという理由で協会も1チームの上限人数を絞っていたようですが、計らずともそのおかげで、この10年間ほとんどの方がそんなトラップに引っ掛からなかったということですね」
「実際問題、10人以上同時に1体のモンスターと戦うのって、巨大なモンスターになればなるほど派手になるけど、戦場の管理がしづらくなるもんな」
「この件、どのように報告するべきでしょう?」
「経験値なんて目に見えないし、経験値が手に入ったかなんて普通わかんないわよね」
「困りましたね」
「ですわねー」
なんて言いながらも、皆の視線が俺に集まってくる。
「まあこの検証も、結果的に日本の指標になるなら、全然手伝っても良いぞ?」
「「「「♡」」」」
まあやることは単純だ。良い感じに弱いレアモンスターを湧かせて、低レベルの協会関係者を30人ほど集めて、攻撃させれば良い。最後に俺がきっちり討伐して、それでレベルアップしなければ攻撃する人数を1人ずつ減らして、その都度倒していけば経験値がもらえる人数の特定はできるはずだろう。問題があるとすれば、一気にレベルアップをする養殖行為は、普通の人間には麻薬のような解放感や万能感を得られるという点だ。あまり多用すべきではないから今まで自制心の強い家族以外にはしてこなかったんだが……。
「その手の耐性がありそうな人員の確保って、サクヤさんの方でできるかな?」
「完璧にとは言えませんが、その手の教育は宝条院家で取り組んでおります。私がお仕えしていた頃よりもカリキュラムはグレードアップしているはずですし、一般の協会職員から募集するよりも、トラブルが起きる確率は低減するでしょう」
「そうか。なら、そのように伝えておいてくれる?」
「畏まりました」
さてと。これでレベルアップの謎はあらかた片付いたか?
「んじゃ、このまま3種類目のモンスターを拝みに行くぞー」
◇◇◇◇◇◇◇◇
『ブブブブブブ』
『ブブブブブブ』
「おー……」
*****
名前:マウンテンビー
レベル:28
腕力:200
器用:160
頑丈:80
俊敏:240
魔力:60
知力:100
運:なし
★【Eスキル】蕾、蜂の一刺し、パトロールフェロモン
装備:なし
ドロップ:山蜂の蜜
魔石:小
*****
ここの雑魚はやっぱり蜂だったか。マップを作ってた時は見えたのは一瞬だったし、木々の中を飛び回ってたから、正直ちょっと自信はなかったんだが。
アイコンをタップすれば表示はできただろうけど、ネタバレになるからな。
『プル!? プルプル!?』
「そうだなー。ハチミツ獲れるといいなー」
『プルーン!』
イリスは大興奮である。まあ、流石にモンスターを襲ったところでハチミツそのものは得られないだろうから、今回も『初心者ダンジョン』のように巣がないとイリスの願いは叶えられないだろうな。
『プル? プルル?』
『ポポー?』
『プルーン……』
イリスはエンリルの返答に露骨に落ち込んで見せた。そう、見えたのは蜂だけであって、蜂の巣は見えなかったのだ。当然マップにも赤丸は存在せず、赤点のみ。まあ、だからと言ってないとは断言できない。レアが巣である可能性は否定できないのだ。……まあ、単純に考えてハチの上位種はハチだと思うけども。
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