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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十三章 桜島ダンジョン

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ガチャ1233回目:森の殲滅戦

『ブブブブブブ』

『ブブブブブブ』

「とりあえず、普通に倒してみるか」


 モンスターのハチとは言え、大きさは全長30センチほど。大きすぎず小さすぎることもない。そんな連中がブンブンと飛び回っているのだ。

 一気に殲滅するには剣は不向きだし、魔法で消し飛ばすのも味がしない。となると、弓がベストではあるんだが……今日は趣向を変えるか。

 そうして取り出した武器を見て嫁達は懐かしげな声を上げた。


「あ、蛇腹剣だー」

「懐かしいですね」

「久々ですわー」

「ショウタさん、今日はそちらで?」

「ああ。剣と鞭の技術だし、直線上に纏まっていないならこれが丁度いいかなって」


 『剣神』と『弁天術』が揃った時には既にお役御免になっていたし、適した場面もなかったからすっかりサブウェポン枠からも外れてしまっていた。でも今日は、久々の活躍日和だ!

 まずは一振り。視線の先にいたマウンテンビーを斬り裂く。


『斬ッ!』


『ブ!?』

『ブブブ!』


 『パトロールフェロモン』とかいうスキルの効果か、仲間が倒されたことに気付いた連中が周囲から集まってくる。それに合わせて手を軽く払うように動かし、剣の軌道を変える。すると蛇腹剣は俺の思うように動き、付近に飛翔していたハチを次々と斬り裂いていった。

 時には剣身を引き戻してただの剣として攻撃したり、木の幹に剣身を引っ掛け、木の裏側にいるやつを貫いたり、蛇腹剣だからこそできる戦い方で無尽蔵に襲いくるハチ連中を撃破していく。

 そうしてハチのラッシュを凌ぎ切り、新手のハチが襲ってこなくなった頃、俺の後ろには魔石とハチミツが山のように積み重なっていた。


『プルルーン!』

「とりあえず10個くらいなら食べていいぞ」

『プル!』


 ハチミツは小型の壺みたいなものに入ってるから、量としても一壺で100グラムくらいはありそうだ。だから味わって食べればイリスでも数分はかかりそうだな。ガブ飲みすれば秒で消えるが。


「味はどうだ?」

『ププルプル!』

「『初心者ダンジョン』のマルーンビーとは少し風味が異なりますね。甘さは変わりないので、花の種類によるものだと思います」

「このハチミツはこのダンジョン内ではそれなりに有名な特産品のようですね」

「そうか。なら、ある程度狩ればいいかな。……そういや、襲いかかってくる連中を手当たり次第に討伐したが、俺ってどれくらい倒してた? 100は軽く超えてた気がするんだが……」

「233体よー」

「ですがこの場にレアモンスターが出てきた痕跡はありませんでしたわ」

「だよなー」


 そう言ってマップを開くが、ハチの群落が存在している一帯にレアモンスターの赤丸は存在しなかった。

 となれば、レアが本当にいないか、他に条件があるかだが……。まあ十中八九後者だろ。まあここまで来て前者が来るパターンも、それはそれで面白くはあるから、どちらだとしてもウェルカムだが。


「あれだけ倒しても、奥の方にいる個体数は全然減ってないわねー」

「今回ショウタさんが倒したのは、群生地帯の外周部でしかありません。中心部となると、今まで以上の密集率でモンスターが溢れています」

「まだまだいっぱいいますわー」

「つーか、軽く小突いただけであんなに集まってくるとなると、普段から狩りが難しそうに思うんだが、その辺大丈夫なのか?」

「以前もそうでしたが、ハチは討伐時に特殊な方法で仲間を呼びます。あちらは音だったため封音の魔導具で対処が可能でしたが、こちらは死亡時に匂いのフェロモンを出すので、対処法がないようです。その代わり、その場で討伐せずある程度引っ張り出してから戦えば被害は出ないようですね」

「なるほど」


 似たようなモンスターでも、ダンジョンが異なればスキルも違うし、そうなると対処方法も千差万別か。


「とりあえず、どんな条件かわからない以上進むしかない。皆で乗り込もう。通常のモンスターに関しては皆も手伝ってくれ」

「オッケー!」

「頑張りますわ!」

「私は姉さんの支援をしますね」

「私は回収班の支援に回ります」

「ああ。よろしく」


 そうして俺達は森の中へと進んでいく。すると中心部から溢れていたハチの先遣隊と接触し、そこからは数百単位のハチの群れとの戦いが始まった。普通なら地獄のような光景だが、今の俺たちにとって連中の攻撃は『超防壁』さえ張っていれば避けるまでもない貧弱なものだった。アキとエンキは敵の攻撃を気にせず暴れ回ってるし、アヤネもマキも最初こそ避けようとしていたものの、自身に届かないことを理解すると次第に無視するようになっていた。

 まあ俺とアイラはちゃんと避けるけど。

 そうして襲いくるハチの群れを全て撃破しきると、森には静寂が訪れた。改めてマップを開けば、先ほどの戦いでこの階層にいた全てのハチが呼び寄せられていたらしく、この階層からマウンテンビーの反応はなくなっていた。結局俺達は何体倒したんだ?


「ふぅー。良い汗かいたわー」

「楽しかったですわー」

「ふふ、お疲れ様でした」

『ゴーゴゴ』

『ポポー』

『♪』

『キュイー』

『ポッポポ』

「……ご主人様、集計したところ2376体のマウンテンビーを撃滅したようです」

「うわぁ」


 レベルも33から54まで上がってたし、雑魚とはいえこれだけ倒せば経験値は馬鹿にならんか。


「で、これだけやってレアは出現無しと。アイラ、何か違うものとかドロップした?」

「はい。最後の1体がこちらを落としたようです」


 そう言って彼女が見せてくれたものは、蜂の巣の破片だった。


 名前:マウンテンビーの蜜蝋

 品格:≪固有≫ユニーク

 種別:トリガーアイテム

 説明:マウンテンビーが作った高品質な蜜蝋。素材としても使用可能。


「なるほど。殲滅が条件か」


 かなりきつい要件だが、『運』ではなく殲滅で出せるなら、人海戦術でなんとかなるかもしれないな。今までやったことある人がいるかは不明だけど。

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