ガチャ1230回目:甘い香り
アイラの話で盛り上がっていると、4カ所で行われているレアⅢ戦は佳境を迎えていた。
『ププルプルー』
最初に終わらせたのはイリスだ。青々と生い茂っていた葉は、ものの見事に消化されており、案の定と言うか丸裸にされていたし、武器にして扱える枝すらも根っこからへし折られていた。その上、奴の体内にあったはずの魔力も根こそぎ奪われているようで、出現した当初は立派な大木のように見えた奴も、今では痩せこけて見えた。
ううん、あわれ。
『プルー?』
「おう、よろしく」
『ププルプルル!』
あと、やっぱり頭部にはドロップアイテムに指定されているレッドパイナップルが1つあり、ちゃんと美味しかったらしい。そしてそれの周囲にあった葉っぱからも芳醇な香りがしたため、根こそぎ食べたんだと言う。まあ結果は、香りが移っただけの葉っぱに過ぎなかったようだが、特殊な香料のようで面白かったそうだ。
ほんと、イリスは何でも食べるんだもんなー。
【レベルアップ】
【レベルが2から238に上昇しました】
『エネルギー残高 34/500』
よし。んじゃ次は……。
『ゴーゴゴ?』
「ああ。いいぞ倒しちゃって」
『プル!? ププルプル!』
『ゴー?』
『プルーン!』
『ゴ』
どうやら、どうせ倒すなら頭を丸齧りさせろと言っているようだ。そんなに美味しかったのか。
そうして頭部を丸齧りされた2体目のレアⅢは、エンキによって倒された。
【レベルアップ】
【レベルが38から232に上昇しました】
『エネルギー残高 36/500』
あとはアキとアイラだが……まあどっちも心配はいらないな。念のため彼女らには『金剛外装』を張ってもらってるけど、1枚も剥がれていないようだし。
そのままぼけーっと眺めていると、アキは的確にダメージを受けないタイミングで相手の枝をへし折っていくのに対し、アイラは反撃で与える損害を最小限に抑え、枝を徐々に短くする遊びをしているようだった。レベルやステータスは同じでも戦闘のセンスというか、場の支配力はアイラの方が上みたいだな。
「ショウタ君、終わらせるね!」
「おー」
そう言ってアキは『影牙爪』を拳に乗せてレアⅢの胴体をぶん殴り、中心に巨大な穴を穿ち勝利を収めた。新武器をしっかり活用してるな。
【レベルアップ】
【レベルが32から233に上昇しました】
『エネルギー残高 38/500』
【レベルアップ】
【レベルが33から233に上昇しました】
「お?」
「タイミングはバッチリでしたか?」
「むしろジャストすぎて怖いな」
どうやら、全員が終わるのを待ってたみたいだな。流石アイラ。
『エネルギー残高 40/500』
「恐縮です。それと、アイテムが出たようですので、これで終わりのようですね」
「そっか」
そうして俺の前に色とりどりのアイテムを見せてもらう。とりあえず4つの『アメジストの宝箱』はしまっておいて……。
「こいつだな」
名前:赤の宝箱【チェリーエルダートレント】Lv3
品格:≪最高≫エピック
種別:モンスタードロップ
説明:155ダンジョンでのみ出現する特殊な宝箱。
★最高位の報酬しか入っていない最高レベルの宝箱。
名称の形式は同じ、と。
んで中身は……。
名前:カプリコーンコイン
品格:≪固有≫ユニーク
種別:トリガーアイテム
説明:神の生贄に使用される儀式用コイン。
こっちも似たようなもんか。カプリコーンってことは、山羊か。……もしかして、12星座のコインなのか?
これも……山の方に線が伸びてるな。なら残りの3箱も開けちまってと。そのままコインをアイラに手渡し、一旦安全地帯まで移動することにした。フルーツの詳細をここで見ていたら、再出現する雑魚に絡まれるしな。まあ、マキ的にはそれもありなのかもだが、レアが出て来ても面倒だし、どうしても必要なら平定後に三馬鹿を送り込めば良い。
そうして昼食を摂って安全地帯に戻って来た俺たちは、拠点ではなくテーブルを設置して各種フルーツを並べてもらう。
『ププルプル!』
「おー、やっぱデカいか」
『プル!』
イリスが言うには、今目の前にある赤いパイナップルは、自分がむしゃぶりつくした個体よりも更に1.5倍くらいにしたサイズらしい。
「まあ、俺から見ても普通にデカいが」
このレッドパイナップル、普通に人間の子供よりも大きい気がするんだよな。重さも多分30から40キロはありそうだ。
とりあえず、1個ずつ調べていくか。
名前:チェリーアップルの実
品格:≪最高≫エピック
種別:食材
説明:チェリーツリーの頭に生るとされるピンク色のリンゴ。甘くて美味しい。一口でも食べると30分間林檎の香りに包まれる。
ふむ、桜の香りから林檎の香りになったと。しかもちゃんと通常のリンゴと同じサイズだからか、注釈までついてら。一口だろうと全部食べようと、最大効果時間は30分のままで、加算はされていかないのかな。
お次は……。
名前:ピンクパイナップル
品格:≪固有≫ユニーク
種別:食材
説明:チェリートレントの頭に生るとされるピンク色のパイナップル。甘くて美味しい。一口でも食べると30分間パイナップルの香りに包まれる。また、効果時間中魔力が回復する。
★5秒につき魔力が20回復する。他の同系統の効果は重複せず、効果の高い方に上書きされる。
「ほぉ」
となるともう1つの方は……。
名前:レッドパイナップル
品格:≪固有≫ユニーク
種別:食材
説明:チェリーエルダートレントの頭に生るとされる赤色のパイナップル。甘くて美味しい。一口でも食べると30分間パイナップルの香りに包まれる。また、効果時間中魔力が回復する。
★5秒につき魔力が60回復する。他の同系統の効果は重複せず、効果の高い方に上書きされる。
「ほほう」
5秒に60なら、15秒に180な訳で、とすると15秒で120回復する『魔力超回復LvMAX』の1.5倍に該当する性能だ。消耗品とはいえ、一口食べるだけで効果が得られるなら、ジュースにしてもいけそうではあるよな。まあでも、薄めたら効果落ちそうだけど……一定量摂取すれば同程度の効果が得られるとかもありそう。それがなくても、普通に高性能な事に変わりはないな。
……ああでも、飲んだらしばらくの間パイナップルの匂いが付着するのか。高性能なメリットと同時に、面倒なデメリットとして甘ったるい匂いに支配されると。……アリがたかって来そうだ。
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