ガチャ1228回目:晴れ時々トレント
「そんじゃ、一気に蹴散らすか。エンリル、セレン。こっちのも頼む」
『ポー!』
『~♪』
俺が先ほどまで戦っていたレアと、エンキ達が連れて来た連中は、セレンによって縛り上げられ空中に浮かんでいた連中と合流を果たした。それにより合計12体のレアが空中に一塊となって浮いている状態となった訳だが、風の力で拘束されているからか時折回転させられ、魔法を放とうともすぐにボール魔法が視界から外れるため、球としての形を維持できず即座に崩れ落ちていた。
魔法ってものは、視界から外れてもその認識をしっかりと把握していれば、意識が途切れない限り維持する事は可能なんだが……。あんな風に空中できりもみ大回転しながらでは、それも難しいんだろう。『知力』ステータスも400程度でも、俺はああなってもできた気がするんだがなぁ。想定力の問題か?
「うーん」
さて、相手は細い木とはいえ、12体も固まっていればそれだけ攻撃すべき対象は多くなるし、広くもなる。となれば、撃ち漏らしがあっては元も子もないのだし、広範囲技で仕留めるのが良いだろう。けど相手はまだまだレベル50台。そんな大技をこんなところでポンポン使うもんじゃないし、何より勿体ない。
嫁達にやらせても良いんだが、ここは……。
「アグニ」
『キュイ?』
「やってくれるか?」
『キュイ? キュイキュイ!』
する事のなかったアグニは嫁達の首に代わる代わる巻き付いていたんだが、ようやく出番が来た事に喜びを隠せない様子だった。まあ炎の力は、調理に使われることは有れど基本的に破壊的な側面が主だからな。サポート性能としては低くても致し方はない。
ひときわはしゃいだあとは、マキの首元から飛び降りて俺の足元へとやってくる。そして大きく息を吸い込むと、ぐぐぐっと巨大化していった。とはいえ、そこまで大きくなることはできず、せいぜいルミナスの半分程度だったが。
『キュイー! キュアッ!!』
そうしてアグニが再び大きく息を吸い、灼熱の吐息と共に熱線を口から発した。熱線は宙に浮かぶ『チェリーツリー』の身体を中心から焼き尽くし、一気に灰にする。そんな威力を持った熱線はアグニが首を軽く動かせばそれに沿って動き、横に並んでいたレアモンスター達は全て消し炭となるのだった。
【レベルアップ】
【レベルが78から96に上昇しました】
うーむ、残念。例え12体まとめて狩るというボーナスがあっても、低レベルボーナスがなければ所詮こんなもんか。それでも、自分よりレベルの低い相手にここまで上昇してくれたことは十分ではあるのだが。
『けぷっ』
「よくやったぞー、アグニ」
『キュイ~♪』
嬉しそうに頬ずりするアグニを、俺はお返しに全力で撫で回す。
そうしているうちに頑張ってくれた他の4人も順番待ちしていたので、1人ずつ褒めていった。
「エンキ、ご苦労様」
『ゴ~』
「エンリルもよくやってくれたぞー」
『ポポ~』
「セレンも拘束お疲れ様」
『~♪♪』
「アヤネも頑張ったなー」
「えへへ。にゃぁ~」
今この場に変身具はないのだが、アヤネは甘えたい感情が限界を振り切ったようで、アヤネコになっていた。アヤネは猫の血が騒ぐのか、時折こうなるんだよな。可愛いから良いけど。
「よしよーし」
「ごろごろ」
人間状態なのに器用に喉鳴らしてるし。
そうやって甘い時間を過ごしていると、煙が膨れ上がった。ちょっと時間が掛かったが、レアⅡのおでましだな。
『ズズゥン……!!』
倒した場所が場所だったからか、大質量の塊が空から降って来て、結果砂埃が舞った。おかげで連中の姿が見えない上に、そんな中で先ほどよりも太い枝葉が無数に襲い掛かってくる。
「「『炎の鎧』」」
『ボウッ!』
2人分の『炎の鎧』が発動し、俺達の周囲を二重の炎が包み込む。単独使用なら鎧の隙間を突かれたかもしれないが、同時使用した事で厚みが増して隙が無くなったようで、連中の攻撃は全て灰となって防ぎきれたようだ。
「エンリル」
『ポ』
連中の悲鳴が聞こえる中、いまだ視界を覆っていた砂煙をエンリルに払いのけて貰う。そうして視界が晴れたそこには、頭にピンク色の葉を生い茂らせた木々が蠢いていた。
*****
名前:チェリートレント
レベル:98
腕力:1000
器用:980
頑丈:980
俊敏:250
魔力:1000
知力:800
運:なし
【Pスキル】鞭術Lv5
【Mスキル】風魔法Lv4、水魔法Lv4、土魔法Lv4、魔力回復Lv4
★【Eスキル】蕾、蔓の鞭Ⅲ、ソードリーフ
装備:なし
ドロップ:ピンクパイナップル
魔石:特大
*****
ほうほう。桃色の葉っぱのトレントか。まるで桜のように見えるが、あれは葉っぱであって花ではないんだな。そしてスキルは『水魔法』と未知の『ソードリーフ』ってスキルが増えたくらいで、他に目ぼしいラインナップはなしと。
でも気になるのはピンクのパイナップルか。ここからは見えないけど、頭頂部に生えてたりするのかな? もし本当に生えてるのなら、倒す前にイリスに食べさせてやっても良いが……。
『プルプル!』
「今回は一気に倒したいから、お預けな」
『プルーン……』
しょんぼりしちゃった。
けどこいつもレアモンスターからドロップする食材のはずなのだ。肉類と同様に、元より巨大化した状態でドロップする可能性があるんだし、そしたら大きくなった実が食べられるぞ。
そう伝えると、イリスは即座に機嫌を直してポヨポヨとその場に跳ねるのだった。
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