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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十三章 桜島ダンジョン

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ガチャ1227回目:香水狩り

 食べられる香水こと、食べた対象の香りを指定のモノへと強制転換するアイテムを前に、彼女達は楽し気だった。特に、花を育てるのが好きなマキは人一倍興味津々の様子だった。


「あの、ショウタさん」

「わかってる。乱獲するよ」

「はい、お願いしますっ」

「んじゃ……エンキ。この辺一帯にいる連中を全部打ち上げてくれ」

『ゴ!』


『ズズズズ……ドドドドド!!』


 エンキが地面に手を付けると、地響きと共に振動が周囲に広がり、地中に埋まっていた球根達が一斉に弾き出された。そしてその振動はさらに広がり続け、もっと広範囲の球根も宙に打ち上げられていく。その数、数百はくだらないな。

 流石にこんな数の雑魚を物理攻撃で攻めるのは面倒だ。となれば魔法の出番な訳だが……。


「アヤネ」

「はいですわ! サイクロン!!」


 打ち上げられた球根達は全て巨大な竜巻に吸い込まれて行き、その内部でバラバラに刻まれて行く。ドロップアイテムである木の実もそのままだと同じように巻き込まれてしまいかねないが、風の力で煙を散らす事でアイテム化には至らずドロップ品に傷がつかないよう工夫しているようだった。これが水や炎ではそうはいかなかっただろう。流石アヤネだな。

 そうしてアヤネが魔法を消すと、散らばっていた煙が元の場所へと集まり、ドロップアイテムとなって降り注ぎ始める。それをエンリルとセレンが協力して回収し、無事に回収が完了する。


「さて、後は……」


 アイテムが出現しても尚、空中に残り続ける煙だ。今回は数百体の球根を一気に討伐したからか、ちゃんと複数分のレアの煙が存在してくれているようだな。その数は、3体か。

 さっきも3体でレアⅢ1体分になっていたし、これで大丈夫だとは思うが……念のためだ。


「アヤネ、エンキ、エンリル、セレン。このまま周辺の球根も同様に殲滅して、レアを連れて来てくれるか? その間、俺はコイツの相手をしておくからさ」

「はいですわー!」

『ゴ~!』

『ポポ~』

『~~♪』


 そうして4人が奥へと向かうのと同時に、レアの煙が膨れ上がり、中からモンスターが生まれ落ちた。


『ズズゥン……!』


『『『……』』』


*****

名前:チェリーツリー

レベル:55

腕力:600

器用:540

頑丈:580

俊敏:150

魔力:800

知力:400

運:なし


(パッシブ)スキル】鞭術Lv1

(マジック)スキル】風魔法Lv2、土魔法Lv2、魔力回復Lv2

★【(エクス)スキル】蕾、蔓の鞭Ⅱ


装備:なし

ドロップ:チェリーアップルの実

魔石:大

*****


 球根から成長して成木になったか。といっても、まだまだ成長途中というか、幹の太さは1メートルもなく、せいぜい50センチほどだろうか。それでも連中の操れる枝は10本くらいあるし、長さも2倍くらいにはなっている。

 危険度で言えばちゃんと成長してるんだよな。俺の相手になるかは別として。


『『『ギギィー!』』』

「お、ちゃんと鳴くのか」


 連中が枝をしならせ、攻撃を仕掛けてくる。それをいつものように剣で迎撃しても良いんだが、それだと芸がないよな。


「『炎の鎧』」

『『『ギイィッ!?』』』


 俺の周囲に出現した炎が、接近してきた全ての枝を燃え上がらせた。連中は驚いて距離を置こうとするが、炎の力はすさまじく、枝先はすぐさま燃え尽きてしまう。


「ふーむ。火力は十分すぎるが、そのせいで延焼する前に燃え尽きちゃってるから、本体までダメージが通らなかったな」


 スキルのレベルが高いせいかな? だが、そのおかげか連中の使える枝のほとんどは先端が燃え尽きちゃったし、直接攻撃する手段を失くしたと見て良いな。まだ何本かは残ってるけど……この鎧を見た以上、ロストすると分かって使ってくる事は無いだろう。


『『『ギイィ!』』』

「お、そういや持ってたな」


 連中の周囲に土の球や風の球が出現し、それを射出させてきた。同じ炎や水が相手ならまだしも、風に炎の鎧はあまり意味がないし、土は超高温で燃やせば溶けるだろう。ただ、俺に向かってきている以上ドロドロに溶けた土は余計なダメージを負う羽目になりそうだし、こればっかりは対処しなくちゃな。

 なので今度こそ剣で迎え撃つことにした。風には剣圧で相殺し、土は単純に斬り捨てる事で解決する。

 ここでもう連中の取れる手段は俺には通じない事は示せたはずだが……どうにも逃げる素振りを見せないでそのまま魔法を連射してくる。一応『魔力回復』のスキルがあるし、敵も3体いるからそれなりの頻度で球が飛んでくるので退屈はしなかったが……はて?


「……ああ。こいつ、動けねえのか」


 地面に根を張ってる訳じゃないけど、動くための足を備えてないから移動ができないのか。……あれ、そうなるとエンキ達がここまでモンスターを連れてくるのは無理なんじゃないか?

 そう思いながら敵の攻撃を凌いでいると、木々の奥から何体もの『チェリーツリー』が浮かんだ状態でこっちに向かってくるのが見えた。


『ポポー』

『~♪』


 どうやら、浮いている連中はエンリルとセレンによる合作らしい。水のロープで複数の『チェリーツリー』を縛り上げ、一塊にして浮かせて持って来たようだ。相手が動けないからと、中々の力技で解決したようだな。

 そして別の方角からも、木々がへし折れる音を響かせながら『チェリーツリー』の塊が引きずられてくる姿が見えた。その先頭にいるのは、当然アヤネとエンキだ。


「旦那様ー、お待たせしましたわ!」

『ゴゴー』


 ご丁寧にも、その『チェリーツリー』の枝は全て根元から断ち切られ、どうやったのか魔力も空っぽの状態に近かった。これは……どうやらアヤネが何かしたらしいな。


「おう、皆ご苦労様」

『『『ギギィ……!?』』』


 そうして1カ所に集められた『チェリーツリー』の数は総じて12体。これだけいれば、レアⅢの条件を満たせるはずだ。まあ、ここにも居たらの話なんだが。

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