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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十三章 桜島ダンジョン

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ガチャ1221回目:マップ探索

 噴火の話はさておくとして、マキとアイラにも同じようにこのダンジョンの全景を見せた後、俺は改めてマップの踏破をすることにした。とはいえ、今回は俺が担当するわけではない。久しぶりに、エンリルの高速飛行によるマップ埋めをしようと思うのだ。


「エンリル、久々に頼めるか?」

『ポ! ポポ!』


 未攻略ダンジョンに一緒にやってくるのは久しぶりだから、エンリルも張り切っているようだ。嬉しそうに翼を広げ、アピールをしてくる。


「よし、行ってこい」

『ポー!』


 『視界共有』を施し、飛んでいくエンリルと視界をリンクさせる。後はこのダンジョンののマップを埋めていくだけなのだが……。


「さっき見たように、このダンジョンは相当広いみたいだから、エンリルでも多少は時間がかかりそうだな」


 エンリルは『風』を使って自在に飛行ができるので、やろうと思えば音速とまでいかずとも、その最高速度は水平飛行で時速500キロくらいは出せるだろう。

 ただ、素早く動くならそれで良いのかもしれないが、マップ情報の読み込みをする場合それだと正常な結果は得られなかったりする。なぜならあまりに高速で飛行すると、視界に入る情報の取得にズレが生じてしまい、本来得られるはずだったマップ情報にも欠損ができてしまうのだ。なので、今は手加減して飛んでもらっている。エンリルが視えている世界の情報がそのまま俺に流れてくるため、エンリルが世界を正しく読み取れる速度である必要があるのだ。


「それでも俺の視界飛ばしより5倍くらい速いが」

「爆速で塗り潰されてるわねー」

「ええ、この感じも懐かしいですね」

「やっぱり、映像で見るよりもリアルタイムで見る方が楽しいですね」

「旦那様と出会ってすぐの、4人で冒険していた頃を思い出しますわー」

「はは、そうだな。懐かしいな」


 そんなに言うほど昔じゃないはずなのに、もうずっと何年も前のような気がしてくる。実際にはまだ1年も経過していないんだけど……いや、でも『レベルガチャ』を手に入れてからで考えれば、あと数日で1年になるのか。時間が経つのも速いな……。

 それにしても、彼女達4人と冒険した記憶か……。考えてみれば、それもそんなに長い間じゃなかったよな。期間にしてみれば、アヤネとアイラが俺と出会ってから4人だけだった時間は、2週間程度しかなかったはずだ。その後はエンキが家族になって、エンリル、イリス、セレン……そこからカスミ達と再会して、エスとミスティと出会ったり、アグニを家族にしたり、その後も色々紆余曲折あって今の状態になったんだよな。

 うん、やっぱ懐かしいや。


『キュイキュイ!』


 この中では一番加入の遅かったアグニは、俺の前ではいつまで経っても甘えん坊だなぁ。子供たちのお世話をしている時は、皆と一緒になってお兄さんしてるのに。

 よしよし。


『キュイ~』

『ゴゴ。ゴゴゴ』

『プルプル。プル?』

『~~♪』


 いや、やっぱり訂正。アグニだけじゃなく、皆甘えん坊だった。

 でもそうだよな。この子達もうちの子やコハクと同様に、生まれたての0歳児だったんだ。甘える事は何らおかしなことではないよな。


『ポ~! ポポポ~!』

「お。おかえりー」


 そんな事を考えていると、マップを埋め終えたエンリルが戻って来たので、彼も纏めて撫でまわして、頑張ったご褒美をあげる。

 さてと。とりあえずこの第一階層全域のデータが取れた訳だが……。


「こりゃまた、だいぶゴチャゴチャしてるな」

「そうね~。けど、聞いていた以上にはっきりと線引きされてるわね」

「こんなに沢山の種類のモンスターが1つの階層に集まってるなんて、とても珍しいですね」

「色んなスキルが手に入りそうですわ!」

「ご主人様が経験された中で、最大級の広さを誇る『深海ダンジョン』第三階層と比べれば少し劣るかもしれませんが、長期戦は免れませんね」

「ああ。今から楽しみだ」


 このフィールドは、外にある桜島と似たような構成になっていて、中央にはマグマが今にも溢れそうになっている火山があり、その頂上付近は剥き出しの岩肌に、時折木々が群生。麓には6つのエリアに区切られるようにして6種類のモンスターが生息していた。

 そしてそんな赤点まみれのダンジョンの中に、いくつか白い点が存在していた。アレが恐らく電波塔を設置している安全地帯なのだろう。このマップでは電波塔の有効範囲までは表示してくれないが、きっちり島の外周部をカバーできるように、丁度いい位置に設置がされているはずだ。

 まあ、中央の火口付近はその範囲外になってしまっているようだったが、そこは基本的に誰も寄りつかないというか、物理的に寄り付けないらしいので、電波塔の範囲に収める必要はないと判断したのかもしれない。


「個人的にこのダンジョンで一番怪しいポイントは、マグマの中なんだけどな……」

「それも太陽と一緒でしょ。普通考えないわよ」

「ふふ、太陽と一緒ですね」

「ですが、それが一般の冒険者の限界ですわ」

「私達はご主人様と長くいるため思いつきはしましたが、普通は思いつかないものです」


 まあ、そんなもんか。実際、マップで見る限りでもこのマグマには赤点や赤丸などの反応はない。表面上はいないってことなんだろうけど……感知できないほど深い場所にいる可能性もあるわけだしな。現地に行ってみるまでは判別はつかんだろう。


「ご主人様、ここに何かある可能性はどのくらいあるとお考えですか?」

「んー……。6割強?」

「割と高いわねー」

「でしたら、ほぼいるとみて間違いないですわね」

「じゃあ、何がいると思う?」

「うーんと……ゴーレムがいいですわ!」

『ゴゴ?』

「ドラゴンも良いですね」

「ロマンあるわねー」

「そうだな」


 なんて話で俺達は盛り上がっていたが……。


『ププルプルプル』

『ポーポポ? ポポ、ポ』

『♪♪』

『ゴーゴゴ』

『キュイー』


 イリスは食用になりそうなモンスターを見つけはしゃぎ、エンキ達も久しぶりの冒険に心を躍らせている様子だった。

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