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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十三章 桜島ダンジョン

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ガチャ1220回目:突入

「さてと、それじゃそろそろダンジョンに行こうかな」

「早速ですか。英雄殿は、準備など必要ないのですか?」

「準備?」


 なんかあったっけ?

 そう思って嫁達の方へと振り向くが、彼女達は皆ニコニコしていた。


「普通は新しいダンジョンに来たら、色々とあるのよ? 普通はね」

「モンスターの情報や地図の確保、長期的な狩りをするなら運び屋の用意、泊まり込みをするならそれらの用意や食材の確保。あとは……精神統一などでしょうか」

「ですがショウタさんには、どれも不要な物です」

「そうですわ。それに旦那様には、わたくし達が付いていますもの!」


 ああ、確かに普通はそういうのは用意する必要があるよな。けど、持ち込むアイテムは嫁達が事前に用意してくれているし、装備は普段から持ち歩いてるし、心構えなんかは常に持ち合わせてるから、改めて準備が必要な物はないよな。


「という訳なんで、特におもてなしは不要ですよ」

「そ、そうですか。流石は英雄殿、色々と規格外なのですね」


 それって褒められてるんだろうか?

 まあいいや。


「ああそれと、事前にお願いしていたことの準備は大丈夫でしょうか?」

「はい。すべて完了しました」


 彼女達に依頼していたのは以下。

 1:広大なフィールドの各安全地帯に電波塔の設置。

 2:俺が突入する今日から逆算して、3日前からモンスター討伐を停止。

 3:『ダンジョンカウンター』を使用してのスタンピードの発生時期特定。

 この3つだ。


 1の件に関しては、いつも通り俺がやろうかと考えていたんだが、このダンジョンはとんでもなく広大らしい。それならばと、土地勘もない俺が勝手に設置するよりも、現地の人達にお願いしたほうが効果的だと判断したのだ。それに電波塔は、アーティファクトとはいえ一度設置すれば管理不要な物ではない。人のいない環境に放置されれば、それだけダンジョンの自浄システムによって耐久力が削られ、最後には取り込まれてしまう。いくら品格が高かろうと、ダンジョンに放置されたアイテムの末路はどれも同じなのだ。その為、彼らには管理がしやすく、なおかつ安全な場所を選んでもらう必要があった。……まあ、結局何個設置したのかは聞いてないんだが。

 2は俺が狩りをするにあたり、できるだけ雑魚モンスターは多い方が検証が楽だからそうお願いした。なのでフウカさん達を含めた自衛隊だけでなく一般の冒険者達も、3日間このダンジョンでは誰も狩らずに放置してもらった。その結果、ここのモンスターは最大限湧きまくってるはずだ。だが、1の問題もある為、今ダンジョン内には件の設置場所にだけ、何人かの協会員や自衛隊員が、持ち回りで待機してくれているはずだ。そこから、設置した数を参照できるかな。

 3はまあ気休めかな。2をした結果、スタンピードが近付いてしまったら彼らも気が気でないだろうし、実際に安全かどうか見て貰って納得してもらっただけだ。


「あの、本当に案内は不要なのですか?」

「ええ、要らないです。キョウシロウさんの『妖怪ダンジョン』でも、彼らにはいつもどおり行動してもらって、こっちも勝手に順番に攻略を進めていただけなんで」

「……承知しました。では、本日よりこのダンジョンには誰も立ち入らせないように致します。それと、もし何かありましたらこちらをお使いください」


 フウカさんからトランシーバーを受け取った。コレを電波塔の範囲内で使えば、ダンジョン内にいる電波塔の担当者たちと、フウカさんと連絡が付くらしい。もしもの時はこれを使わせてもらう事になるだろうが……使う事、あるかな?

 何故か知らんけど、ありそうな気もするんだよな……。


「では、どうかご武運を」

「ありがとうございます。そういえば、残り時間は何時間ありました?」

「3日前の時点で708時間ほどありました。今朝の時点で654時間ほどでした」

「それだけあれば十分ですね。じゃ、いってきまーす」


 そうして俺達はダンジョンへと入って行った。



◇◇◇◇◇◇◇◇



 ダンジョンに入場した俺は、早速その場に座り込み視界を飛ばした。そしてめいいっぱい視界を直上へと伸ばして行き、このダンジョンの最高高度へと到達。ダンジョンの全体図を俯瞰してみた。


「おおー。ほんとにもう1つの桜島みたいなダンジョンだな」

「ねえねえショウタ君、あたしにも見せてー」

「旦那様、お願いしますわ~」

「ああ。マキとアイラはちょっと待っててな」

「はい」

「ごゆっくりどうぞ」


 現在の『視界共有』レベルはⅡなので、同時に掛けられるのも2人まで。なので甘えてくる彼女達には、順番に『視界共有』を施し、見えている世界をリンクさせていく。


「お~~。確かに桜島そっくりね」

「でも、こっちの噴火口ではマグマが煮え返ってますわ~」

「10年も前の話になりますが、外にある本物の桜島は、小規模の噴火や爆発、それに伴う地震など、問題の絶えない活火山だったようです。ですがダンジョンが出現して以降鳴りを潜めたそうでして」

「当時は、火山のエネルギーやマグマなどを、ダンジョンに吸われているのではないかって話題になったそうですよ」

「ほー」


 それは面白い話だな。


「じゃあもしスタンピードが起きたら、本物の桜島も大噴火起こしたりしてな」

「「「「!?」」」」


 皆が驚いたように顔を見合わせた。

 割と冗談で言ってみたんだが、そんな反応されたら本当に起きるかもしれないじゃん。いや、なんか起きる気がして来たぞ?

 まあ、起こさせはしないけどさ。

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