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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十二.五章 二つの精算

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ガチャ1219回目:難関ダンジョンへ

 アイテム整理を終えた翌日、俺は幾人かの家族と一緒に、サクヤさんが手配してくれた飛行機に乗り込んで、とある空港へと到着。そこから更に輸送機を使って10分ほどの軽いフライトの後に、目的の場所へと辿り着いた。

 その場所はダンジョンの前に建設された自衛隊基地であり、その隣にはダンジョン協会が横並びに並んでいるという、他では見ない異様な光景になっていた。その前方には当然ダンジョンと、この島の特徴でもある火山がそびえ立っていた。


「ようこそいらっしゃいました、英雄殿」

「あ、フウカさん。歓迎ありがとうございます」


 そんな俺達を出迎えてくれたのは、最難関ダンジョンの1つである『桜島ダンジョン』に潜り続けている日本の数少ないSランク冒険者、自衛隊所属のフウカさんだった。そう。今回、旅行明けの冒険に選んだのはこの『桜島ダンジョン』だ。ここを攻略しようと決めたのは、特にこれといって優先したい理由があった訳ではない。まあ強いて言えば、以前開いた俺の誕生日パーティーのおり、ちょっとした話題になった事があったのだ。

 それは、今まで凶悪なダンジョンを担当できるのが自分しかいなかったがために、『妖怪ダンジョン』に骨を埋めるつもりで戦ってきたキョウシロウさんが、7年ぶりに自由の身となった事から始まった。まず彼はチームの仲間達と共に自由の身を謳歌したのち、自分と同じ立場にある他3人のダンジョンに、見分がてら遊びに行く事にした。彼が遊びに行ったのは当然、『上級ダンジョン』『古戦場ダンジョン』『桜島ダンジョン』の3つであり、彼としては自身が担当していた『妖怪ダンジョン』と遜色ない難関であると確信しつつも、とある考えが抜けなかったそうだ。

 そう、自分をダンジョンから解き放ってくれた男が攻略に乗り出せば、どの程度の日数で攻略されるのだろうと。


「それで、英雄殿? 本気でキョウシロウ殿の冗談を実現するおつもりですか?」

「まあ入ってみない事にはわかんないですけど、『八尺鏡野ダンジョン』みたいなギミックが仕込まれてたら実現は難しいですね」


 キョウシロウさん曰く、『上級ダンジョン』と『古戦場ダンジョン』は『妖怪ダンジョン』よりも攻略に日数を要するが、この『桜島ダンジョン』はそれよりも短い期間……最速で1日で終わるのではないかと予想していた。

 それには他の皆も笑っていたが、当のフウカさんは他人ごとではなかったためか、なんとも言えない表情をしていたのをよく覚えている。まあ、フウカさんは長年この『桜島ダンジョン』でモンスターの進行を抑え、スタンピードを起こさないようにと日々奮戦していたのだし、それが1日で片付けられるとなれば立つ瀬が無いのだろう。

 その気持ちは分からんでもない。もし仮に、俺が3年間頑張っていた『アンラッキーホール』に他所の誰かがやってきて、「このダンジョンの秘密を1日で解き明かしてみせる」と豪語されたら、正直良い気分はしなかっただろう。


「あのダンジョンの情報は衝撃でした。あそこは『桜島ダンジョン』と同時期に出現し、同じく一層しかないと判断された場所であるため、何かあるのではと調査に行った事もありましたから」

「フウカさん的にはどう思います? あの話」

「そうですね。攻略して頂けるのであれば本当にありがたい話ですし、私としても肩の荷が下りるというものです。ですけど、長年モンスターを掃除し続けてきたあのダンジョンを、たった1日で後略されたとなると、やはり立つ瀬が無いと言いますか……」


 だよね。

 とはいえ、俺はこのダンジョンの情報はいつも通り仕入れていない訳で、そんな短期間で攻略できるかどうか判断する事はできない。なのでここは、皆に聞いてみるとしよう。


「皆はどう思う?」

「んー……。半々じゃない?」

「無理すれば1日でいけるかもしれないですけど、無理をするほどでもないと思います」

「急ぎの用事があるわけでもありませんし、ゆっくりで良いと思いますわ」

「そうですね。情報を見る限り昔のご主人様ならいけない事は無いと思います」


 昔の俺ってなんだ?


「今はどうなの?」

「今は私達をほったらかしにして突撃する事も無いと思いますので」

「……」


 確かにまあ、そうかも。

 それを思うと、昔の俺ってほんと周りを視なかったよなぁ。嫁達は大事ではあったけど、大事さの比重というか、そういうのが全然傾いてなかったように思う。


「とはいえ、以前よりマシになっただけにすぎません。本質はそこまで変わっていませんので、お気を付けくださいませ」

「……はい」


 調子に乗るなとお灸をすえられた。


『ゴーゴゴ』

『ポポ』

『プルプル』

『~♪』

『キュイキュイ』


 そんな俺を慰めるように、エンキは腰に抱き着き、エンリルは肩に、イリスは頭上に、セレンは背中に、アグニは首元に巻き付き甘えてくる。日ごろは子供たちのお世話をしている彼らだったが、今日は久しぶりにお世話から解放され自由の身となったので、めいいっぱい甘えて来ていた。

 今日、この『桜島ダンジョン』に訪れていたのは俺、アキ、マキ、アヤネ、アイラ、エンキ、エンリル、イリス、セレン、アグニの10名。当初としては子供達を連れて行く事も有りかと思っていたんだが、『桜島ダンジョン』では時折噴火が起き、それによりダンジョン内の気候や気温も変化し、環境すら変わるギミックダンジョンらしく、連れて行くのはやめておくべきとなったのだった。

 それでもアキ達の運動の為にも彼女達を連れて行く事はほぼ決定事項だった為、他の嫁達は、子供たちのお世話・ふれあい会の手伝い・カスミチームのヘルプの3組に分かれたのだった。

 ま、子供達と長期間離れる訳にはいかないが、皆の羽を伸ばす目的もあったし、とりあえず2、3日程度で終わらせられるよう頑張ってみるか。

読者の皆様へ


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