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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十二.五章 二つの精算

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ガチャ1214回目:危険物

 さて、気を取り直してと。

 次は『アダマンタイトの宝箱』だな。ドロップしたのは第二層のレアⅡ『シャドウパンサー』だ。何が出るかなっと。


【防具】

【アイテム】


 ふむ。なら防具だろう。


「ぱかっとな」


 部屋全体が青い輝きに包まれる。宝箱の中には暗闇が広がっていたので、そのまま手をずっぽりと沈めていく。そうして何かが手に触れたので、それを掴んで持ち上げてみる。

 宝箱から出てきたのは……特殊な模様が刻まれた一対のナックルグローブだった。


「ん? 宝箱が消えてないぞ?」

『まだ中にあるんじゃない?』

「そういや以前にもそんな事があったな」


 こんなことが起きるのは天翼シリーズ以来か。もう1度手を突っ込み、何かないか異空間をゴソゴソまさぐってみる。すると奥深くに何かがあり、それを持ち上げてみたところで宝箱は消失した。

 そして出て来たのは……。


「ブーツか? これも変な模様が入ってるが……」


 もしかして、『シャドウパンサー』の模様だろうか? となると、この対になったグローブとブーツでワンセットということだな。

 改めて見てみるか。


 名前:影虎の迅拳・影虎の迅脚

 品格:≪遺産≫レガシー

 種別:防具

 武器レベル:53・51

 防具レベル:48・46

 説明:装着者の手脚に合わせ、自動的にサイズが可変する特殊武装。武器としての攻撃力と防具としての防御力を併せ持ったユニークな装備品。迅拳には影牙爪、迅脚には影尾刃のスキルが備わっている。

 ★2つセットで装着する事で、スキルのレベルが上昇し影牙爪Ⅲ、影尾刃Ⅲが運用可能となる。


「天翼装備と同じようにセット効果か。それも武器性能付きで」


 防具用のブーツは多種見てきたけど、武器用装備としても扱えるブーツは初めて見たが、それは格闘武器も同じだな。現状嫁の中ではアキとレンカが近接格闘型で、蹴り技も使いはするけど丈夫な防具を使って蹴ってる感じだった。けどこれは、ブーツそのものが攻撃に向いている上に、ちゃんとグローブもブーツも防具としての機能を有している珍しいパターンだ。

 こんな装備もあるんだな……。


「レンカ、使うか?」

「え、ボク? お兄さんは?」

「いや、防具性能があるなら麒麟兵装と被るからな。咄嗟の時に備えて防具としては手も脚もつけてない方が都合がいい」

「そっかー。ボクも興味はあるけど、そろそろ前線での戦いは難しい期間に入るだろうし、この装備はアキ姉さんが良いんじゃないかなー」

「え、あたし?」

「そうだね。レンカの言う通り、そろそろお姉ちゃん達も復帰しても良いのかも」

「それもそうだなぁ」


 カスミの言う通り、彼女達6人も妊娠5ヶ月半に突入してお腹も本当に目立ってきたし、アキ達が今の頃にはもう休業していたくらいだから、そろそろ交代の時期か。カスミ達はまだ頑張れるとも言ってたけど、お腹を庇うように動いてるせいか、かなり戦いづらそうにしてるんだよな。現状レベルとステータスで無理やり戦えてはいるもののの、長く保ったとしてもあと2ヶ月が限度だろう。

 けどまあ、前線で戦うのが厳しくなるってだけで、彼女達は遊撃に回してミスティ達と一緒に攻略させれば、ペースを落とすことなく攻略は進められそうではあるんだよな。今まで冒険者として駆けまわって来たのに、いきなり半年以上休めといってもそれはそれでストレスになりかねないし。あと、イズミの『運』は第二チームの要だ。休養期間を設けて半年以上ほったらかしにするのは、あまりに惜しい。

 おっと、今はアキと装備の話だな。


「良いんじゃないか? 子供たちの夜泣きもなくなってきたし、復帰しても。数日離れる形を取るか、もしくは『八尺鏡野ダンジョン』みたいに一緒に連れて行って、拠点にエンキ達をお守として待機させつつ時折交代して面倒見たり、その辺の判断は任せるよ。それに、アキもそろそろ運動したいって言ってたじゃん」

「そ、そうだけどー……」

「マキはどう思う?」

「私は賛成です。ただ、環境が著しく悪いところには連れて行けませんよ?」

「わかってる。子供達に無理はさせないさ」

「でしたら、わたくしもオッケーですわ!」

「私も構いません」

「……むー、分かったわよ。じゃあお言葉に甘えて、この装備はあたしが使わせてもらうわね」

「うん、使って使ってー」


 話はまとまったようだな。んじゃ次は、『ブラックコカトリス』が落とした『ミスリルの宝箱』だな。


【アイテム】

【アイテム】


 どっちもアイテムか。なら順当に上の方がレアリティ高い傾向にあるし、上だな。


「ぽちっと――!?」


 選択肢を選び、宝箱を開けようとしていた手を即座に離した。


『キャン!?』

『キュ??』


 その時、反射的に後ろに飛び退ろうとしてしまいルミナスにぶつかった。そしてその衝撃を予期していなかったコハクは驚いた様子でキョロキョロしていた。

 だが幸いにして、宝箱内部に溜まっているミスリルの輝きは外に漏れ出ていない様子だった。


「ど、どうしたの?」

「大丈夫ですか?」

『マスター様?』

『御主人、顔色が悪いのじゃ』

「トラップでも仕掛けられていましたか?」

「え、ヤバいやつ?」

「お兄様がこれほど警戒する代物が入っているのですか?」

『宝箱に触れてから感知できたってことは、触れるまで中身が固定されていなかったせいかしら』

『そうだと思うわ。マスター、そんなヤバげなものが入ってるの?』

「……ああ、多分な」


 少なくとも、コレは家の中で開けるべきではないだろう。少なくともダンジョン内で、かつ誰もいない空間で、防壁と外装を張って、更に魔力を全身に纏ってようやく安全に中身の確認ができそうだ。

 それくらい、よくわからない未知の危険物が入っている予感がする。本当にそれが何なのか分からないが、ドロップ元があの『石化ブレス』を使ってきた『ブラックコカトリス』だからな……。

 油断ならない。

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