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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十二.五章 二つの精算

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ガチャ1213回目:呪われたアイテム

「んじゃ開封するか。けどその前に……」


 宝箱の選択肢だ。


【アクセサリー】

【アイテム】


 うーん……。アイテムは別に気にならないし、アクセサリーかなぁ。

 そう判断してアクセサリーを選択後、『アメジストの宝箱』をぱかりと開ける。すると、紫色の輝きが部屋に溢れ出した。この光景を子供達が見たらまた大騒ぎになるんだろうけど、あの子達は今日もエンキ達と一緒に部屋で遊んでるようだ。

 子供達の成長は著しく、ステータスがある影響なのか2ヶ月目にしてもう全員がはいはいできるようになっていた。そのおかげで行動範囲もそうだけど遊びの幅が広がり、毎日楽しそうにわちゃわちゃしている。あの子達が喋り出すのも時間の問題かもしれないな。……流石に気が早いか?

 そんな事を考えつつ、輝きの奥が暗闇だった為、そのまま宝箱に手を突っ込む。するとそこには感触だけではよくわからないナニカがあり、ソレを掴み上げる。


「あー……まあこれもアクセサリー、か?」


 名前:牙狼兵団のネックレス

 品格:≪固有≫ユニーク

 種別:アクセサリー

 説明:牙狼兵団が倒した獲物の骨を集めて作ったとされるネックレス。装備者に骨の基となった存在を『群影』として召喚させるスキルを与えるが、善良な者が装着すると夢見が悪くなると言われている。


「軽く呪われてんじゃねーか」

『酷いアクセもあったものですね』

『悪趣味なのです』

『リリアナ、あんたんとこのダンジョン、ほんと変なのくっついて来てたのね』

『そうなのよ、ほんと困った奴だったわ。ショータがあいつを倒してくれて、本当に感謝してる』

「どういたしまして」


 先日の旅行でリリアナは式こそ上げていないものの嫁入りを果たし、正式に俺の家族の一員となった訳だが、他の異世界組とは扱いが少し異なっていた。ペット組は全員『テイム』をした上で家族に迎えたが、リリアナだけは結局『テイム』をすることはなく、普通に異世界の住人として家族に迎え入れたのだ。

 これには一部の連中が騒いだり、悪感情を抱く者が出てくる可能性が考えられるが、そんな事は気にする必要は無いと思ってる。いうなれば、今や民間で大人気となっている狐族の子達やサキュバス達の誰かを、うちに迎え入れるのと大差がないからだ。まあ元『ダンジョンボス』って肩書のせいで、あの子達とリリアナは別問題って言われそうではあるけどな。

 でもまあ、『テイム』してない異世界の人間を家族に迎える論争は、別の所で結論は出てるんだよな。なんせ、サキュバス達のほとんどは俺の誕生日イベントのアレで俺の子を孕んだみたいだし。……ヤってないけど。

 だからまあ、世間の反応も時が経てば変わってくれるはずだ。


「にしても呪いと来たら、アレしかないよな。リリアナ、こいつ浄化しても良いか?」

『良いわよ、ショータの好きにしちゃって』


 そして一番大きな差としては、リリアナはペット枠ではなく普通に人間枠として嫁の立場に居る事だ。それはつまり、アズ達とは明確に違うポジションにいるという事だが……まあ、そこはそれほど心配は要らない感じだった。少なくとも、旅行中彼女らの反応からしてトラブルになる事はほとんどなさそうだった。ちょっと悔しそうにしてはいたけども。

 それとなく聞いてみたところ、なんでも人間としての嫁という立場も羨ましいけど、ペット枠であやかれる恩恵というか、居心地の良さも捨てがたいらしい。

 おっと、浄化浄化っと。


『パキッ』


「……あっ」

『あっ』


 浄化をかけたところ、ネックレスは音を立てて砕け散った。これには周囲でニコニコ見ていた他の嫁達も驚きを隠せなかったようで、半ば唖然としていた。

 改めて砕けたソレを視ても『鑑定』が効かない辺り、完全に壊れてしまったようだ。


『えっと、ショータ……』

「すまん。まさか壊れるとは」

『ううん、それは良いの! でもショータ、『群狼』スキル欲しがってたでしょ? だから……』

「ああいや、確かに魅力的ではあったが、アレは連中が使ってた『群狼』に対してであって、このネックレスについてたのは名称が同じだけの別スキルだろ。見るからに死者を使役するタイプのスキルだったし、俺のスタイルには合わなさそうだから失っても痛くはない」


 だからこそ、浄化で綺麗にしてやろうと思ってたんだが、まさか壊れるとは。

 ……でも、ある意味これは当然の流れか。


「勇者様、恐らくですがあのスキルは、死者の恨みが幾重にも積み重なって昇華された結果、アイテムに宿ったように思えます。ですので、その大本を浄化した事で、拠り所を無くして消失する事になったのではないかと」

「ああ、俺もその線が濃厚だなと考えてた。アイテムは消え去ってしまったが、向こうの世界で苦しんだ人達の魂が、こっちの世界で安らかになれたことを喜ぶとしよう」

「勇者様……はいっ!」

『……♡』

『……♪』


 思ってたことを口にしたら、四方八方から熱い視線が飛んで来た。

 俺としてはそのまま次の宝箱の開封作業に取り掛かりたいところだったが、彼女達が視線を送るだけで満足するはずもなく、解放されたのは1時間ほど経過した後だった。

読者の皆様へ


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