ガチャ1207回目:幻想風景
コハクの『テイム』、管理者キーの獲得、『幻想武器』の入手。このダンジョンで思い描いていた目標のほぼ全てを達成した俺たちは、アズのマップを使用して第一層に戻ってきていた。
『キュキュ~♪』
『キャン、キャウン』
ルミナスとコハクが顔を突き合わせて何か喋ってる。時折鼻を押し付け合ってるところからして挨拶の延長線だろうか? コハクがちゃんとしたペットになったから、改めて挨拶してるのかもしれないな。
『ゴ~』
『ポポ? ポポポ』
『~♪』
『キュイキュイ』
『プルプル』
『キャウ? キャン!』
そこにエンキ達も混ざってわちゃわちゃと楽しそうにしていた。それを横目に、俺はダンジョン完全制覇の報告と共に、『幻想武器』を入手した事を皆に報告した。彼女達はその報告に興味津々だったので、俺は皆によく見えるように天羽々斬を地面に突き刺す。
天羽々斬は鞘付きで宝箱から出てきたが、その刀身は蒼白い燐光を常に発しており、見るものを魅了する力を有していた。
「おおー!」
「わぁ、すごいです!」
「カッコイイですわー!」
「こんな名刀が、このダンジョンに10年近く眠っていたのね……」
「夜に見れば、きっと綺麗でしょうね」
「かもなー。ならエンキ、せっかくだからドーム造って~」
『ゴ? ゴゴ~!』
エンキが手を振り上げると、高さ5メートル、直径30メートルほどの巨大な岩のドームが俺達を包み込んだ。こんなにデカくしなくてもいいのに、久々に俺から頼まれて嬉しくなっちゃったみたいだ。まったく、可愛い奴め。
でも、そのおかげで太陽の光はほぼ届かなくなり、天羽々斬の燐光が良く見えるようになった。まるで即席のプラネタリウムみたいだな。嫁達も天羽々斬が生み出す燐光にうっとりしてるし、子供達も大はしゃぎだ。
「まさしく幻想的な光景ね」
「ん。流石『幻想武器』」
「ふふ、そうですね」
「ドームに煙突を付けて、ここで焚き火をするのも乙なものですわね」
「もう夜になっても明るいままですし、それも良いですね! あ、勇者様。この光景とっても綺麗ですけど、これは例の説明文とは関係ないのでしょうか?」
「ああ、多分違うと思うぞ。別に我を失ってたりはしないだろ?」
「そうですね。ただ綺麗だなーって感じです」
「じゃあ大丈夫だ。現状見た感じだと……子供達以外は多分持っても大丈夫そうではあるんだよな。多分一定の強さとか、もしくは何らかのスキルの組み合わせか何かが条件だと思うんだ」
この場にいる全員と、天羽々斬を交互に見て『直感』で感じた情報だ。間違いはないはず。まあ俺の『直感』が本当に正しい場合、子供達も大丈夫ではあるんだけどな。でもまあ切れ味天井知らずの刃物である事は間違いないのだし、危ないものであることに変わりはない。なので、触れさせないのが賢明ではある。
「じゃあ俺はコアルームに行ってくるよ」
『マスター、あたし達も付いて行って良いわよね?』
「ん? いいぞ」
『わっちも行くのじゃ!』
『では私もお供致します』
「あたしも行くね☆」
『あ、私も行く!』
「おう、好きに来い」
そうしてアズ、キュビラ、タマモ、イズミ、リリアナが同行する事となった。
「管理者の鍵を使用する」
【所持者の意思を確認】
【管理者キー 起動】
【管理No.164】
【ダンジョンコアへ移動します】
◇◇◇◇◇◇◇◇
いつもの白い部屋に到着した俺達は、パネルに触れる。すると現れたのは、犬の形をしたダンジョンコアだった。
鹿か猪が来るかと思ったが、犬だったか~。
『ようこそ、管理者様』
「おう」
『私は当ダンジョンを管理する端末AI、ダンジョンコアです。……貴方様は中枢キーを1つ、居住キーを2つ、末端キーを13。更には『知恵の実』を4つお持ちなのですね。おめでとうございます』
「……」
やっぱ増えないか。総数が20になれば何らかの反応はありそうだが……4つはほどほどに遠いなぁ。
「このダンジョンの事で質問がある。答えられるか?」
『許可。管理者様はこのダンジョンを完全踏破をされました。一部のシステム権限外の事柄でもお応え可能です』
「よし」
そこは『深海ダンジョン』と同じか。良かった。
っていうか、ここでこの回答が返ってこなければ完全踏破してないって事になるから、その時は一度戻る事も考える必要が出てくるかもな。『ハートダンジョン』で遭遇した『ゴールデンタイラントワーム』みたいに、隠し要素があるのに気付かず通り過ぎてることだってあるだろうしな。
「じゃあまず地神塔についてだ。あそこから溢れ出していた黒い塊はなんだ?」
『確認……。管理者様との魂の結び付きに中枢キー、2体の魔王、6体のダンジョンボスの存在を検知。一部許可』
やっぱ、ここの結びつきも大事っぽいんだよなぁ。けど、エスが『テイム』した姉妹は検知の対象外のようだな。まあそこは仕方ないか。
『回答。過去にマルス様が撃退した邪神の残滓。体内に魔石を持つ者には影響が少なく、魔石の持たない人間では様々な症状に侵されます』
「最悪命を落とす可能性はあるか?」
『許可。肯定』
「なるほど……ところでマルスって誰だ?」
『不可。管理者様のレベルが足りません』
知ってた。
お前はそう言うだろうよ。けど、アズなら……知ってそうだよな~?
「アズ~」
『もちろん知ってるわ。けど、どこまで言っていいのか悩ましいところね』
「ネタバレ的な意味でか? そう悩むって事は、No.200にいるのがそのマルスか?」
『ええ、正解♪』
「ふーん。どんな魔王なんだ?」
『魔王じゃないわ。神よ』
「神……。神、か」
この場合の神は、四神だとか、ボスとして時折君臨する何とか神とかとは別ベクトルの存在だよな。恐らく、体系的には加護を与えている側に近いのか?
なんとなく想像はしてたけど、やっぱ『ダンジョンボス』の一角として、いるんだ。神。
魔王って名称だけで、なんか地球に侵略戦争仕掛けて来てもおかしくないイメージはあったけど、神様までそんな侵略に参加してくるとは普通考えないからな。イメージできないっていうか。
『んふ、だってマスターにはずーっと言わなかったもん♪』
「イズミは聞いてたのか?」
「うん、ごめんなさいお兄様。結構前に聞いちゃってた☆」
「まあそこは良いんだけど……。アズ、1つだけ聞かせてくれ。神は基本善性か?」
『ええ、基本善性よ。基本ね?』
なんか、含みがあるな。
例外とかありそうだ。
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