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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十二章 秘密の園

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ガチャ1204回目:真っ向勝負

「兄さん、お待たせ」

「おう」


 のんびりお喋りしていると、エス達がやって来た。が、レアを討伐した時に出現した煙はまだ来ていない様子だった。


「エス、結局レアは2体だったか?」

「そうだね。ただ、この中央にいる通常モンスターが討伐されていないせいか、まだ動く様子はなかったよ」

「やっぱ、全滅が出現の条件か。んじゃ、エス。そのまま倒してきてくれるか?」

「OK」

『ヴォオッ!?』

『ヴオォ!!』


 エスが返事をするや否や、クレーター内部に突風が巻き起こり、鹿達が騒ぎ出す。だがそれもすぐに静まり、クレーターからはドロップアイテムが浮かび上がって来た。

 クレーターから少し離れたところで雑談してたからか、結局あの中に何体いたのかとか、目視する事は無かったな。とりあえず『充電』しとこっと。


『エネルギー残高 17/500』


 よし。レベルも10になったし、強敵が湧いてくれることを祈ろうか。


「……」


 そうしてしばらく待っていると、この階層に出現していた煙が四方からやって来て、中央のクレーターで1つに合わさり肥大化する。そして、中から現れたのは奈落(ヘドロ)を身に纏った巨大な鹿だった。


『ヴオオオオオッ!!』


*****

名前:厄災・天迦久ダンジョンボス

レベル:330

腕力:3500

器用:3600

頑丈:6000

俊敏:4800

魔力:9999

知力:200

運:なし


(ブースト)スキル】超防壁Ⅴ、剛力Ⅵ、怪力Ⅵ、阿修羅Ⅴ、怪力乱神Ⅳ、俊足Ⅵ、迅速Ⅵ、瞬迅Ⅴ、迅雷Ⅳ、力溜めⅤ

(パッシブ)スキル】身体超強化LvMAX、硬化Ⅶ、神獣鱗Ⅴ、全属性耐性LvMAX、物理耐性Ⅵ、魔法耐性Ⅵ、斬撃耐性LvMAX、貫通耐性LvMAX、打撃耐性LvMAX、状態異常耐性Ⅴ、体術LvMAX、武闘術LvMAX、神角術LvMAX、狩人の極意LvMAX、暗殺の極意LvMAX

PB(パッシブブースト)スキル】破壊の叡智Ⅴ

PB(パッシブブースト)スキル[封]】神の聖印Ⅲ

(アーツ)スキル】毒抗体Ⅴ、跳躍LvMAX、暗視Ⅴ、衝撃Ⅴ、鎧通しⅤ、急所突きⅤ、衝撃拡散Ⅴ、森林浴Ⅴ、ウェポンブレイクⅣ、アーマーブレイクⅣ、チャージアタックⅣ、影操作LvMAX

(アーツ)スキル[封]】神通力Ⅲ

(マジック)スキル】宵闇魔法LvMAX、魔力超回復LvMAX

★【(エクス)スキル】一角突きⅤ、影穿ちⅣ、精神汚染Ⅳ


装備:なし

ドロップ:???

魔煌石:大

*****


 お、『ダンジョンボス』か!

 それに『鑑定』が通るという事は、あのヘドロは暗闇世界の時ほどの効力はないらしい。だが、奴の纏うヘドロにはなるべく触れるべきではないな。嫌な予感がビンビンに感じる。触らぬ神に祟りなしだ。

 そしてスキルに封印があるのもそうだが、奴の名前からして……明らかに呪われてるせいで悪神化してるよな。原因はやはりあの地神塔だろうか?


『ヴオオオッ!!』

「真っ向勝負ってか!」


 レアの時もそうだったが、こいつら『知力』が少ないけど、元々の知能そのものが低そうだな。馬鹿正直に真っ直ぐ突っ込んできやがった。


『ガギイィン!!』


 角と剣が激突した。

 そのまま奴は角を使って掬い上げようとして来るが、俺はその動きに合わせて一歩踏み込み、奴の下がった頭を上から抑えつける。


『ヴォ!?』

「こちとらレアと散々鍔迫り合いしたんだ。今更『一角突き』の効果で浮き上がる訳ねえだろ……!」


 さあ、力比べの始まりだ。

 


◇◇◇◇◇◇◇◇



 そこからは弾き飛ばしもせずにずっと剣と角で押し合いをしていた。時折『衝撃拡散』による振動波で眩暈や麻痺を引き起こそうとして来たり、奴の影が刃に変形して俺の身体や俺の影を狙って来たりと、力以外の衝突もあったが。

 前者は気合と『克己』で耐える事ができたし、後者も魔法で全て撃ち落とす事ができた。そして俺の影に対する攻撃だが、恐らく『影穿ち』を狙ったんだろう。その手段がなかっただけで、レアももしかしたら狙っていたのかもしれないな。効果は分からないが、無意識にも咄嗟に防ごうと判断した訳だし、あまりいい効果ではなさそうだ。試すとしても、全部終わってから『バトルアリーナ』で試すくらいが丁度良いだろうな。


「ふぅー……」

『ヴォオオオ……!』


 しっかし、こいつとの近距離での睨み合いも、かれこれ十数分か。

 奴の身体に纏わりついているヘドロも、奴から離れるつもりは無いのか鍔迫り合いの最中も俺の方に飛んでくる気配はなかった。もし少しでもそんな気配を見せようものなら接近戦なんて絶対にやらなかっただろうな。

 それはさておき、そろそろケリをつけるか。力と力のせめぎ合いも、最近する機会が無かったから今日だけで何回も楽しめたし、本当に良いダンジョンだった。


「まずは、原因の1つから取り除いてみるか。浄化!!」

『ヴォ!?』


 奴に纏わりついていたヘドロに浄化を仕掛ける。すると、洗剤によって汚れが落ちるかのように身体から剥がれ落ちて行き――。


『ヴオオッ!!』


 奴が鳴くと同時にクレーター内にあった奈落が浮かび上がり、再び身体に纏わりついてしまった。そしてそのクレーターに『鷹の目』を飛ばしてみれば、無くなった奈落は再び地神塔から補充され元通りになっていた。


「……ちっ、こっちは駄目か」


 なら、大元の方はどうかな?


「浄化!」

『ヴオッ!!?』


 『鷹の目』越しに浄化を発動し、遠隔でクレーター内部に溜まっていた奈落を消し去った。戦闘に意識を割いているせいか一度に全ては難しくとも何度か繰り返せば除去しきることはできた。

 残すは本体のみ!


「『魔力凝縮・10倍マジックミサイル』!!」

『ヴオオオ!!』


 そしてトドメのマジックミサイルを放つ。奴は苦し紛れに影を操るが、10倍まで濃縮されたマジックミサイルがその程度の影に邪魔される事無く、クレーター内にある地神塔を木っ端みじんに破壊した。


『オオオオオオ……!!!』


【レベルアップ】

【レベルが10から424に上昇しました】


「お」


 地神塔から噴き上がったヘドロは今までの比ではなかった。相当量の闇が天高く打ちあがり、空の果てへと消えていく。

 それと同時に、目の前にいる存在からの敵意が消えた。その上、鹿はまだ目の前にいるのにレベルも上がったということは……。


「……」

『……』


 俺は剣に込めていた力を抜いて一歩下がった。すると、相手もまた1歩下がって顔を上げた。その瞳には、『マリーチー』と同様の神聖さを感じた。

 それに、いつのまにか全身を覆っていたヘドロも消失し、黒よりも黒い暗黒ボディを持っていたはずの鹿は、天から舞い降りたかのような真っ白な身体になっていた。

 ……どうやら、終わったようだな。

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