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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十二章 秘密の園

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ガチャ1203回目:食材と運

『ヴォオオ!』

「ほいっと」

『ヴォオオ!』

「よっと」


 数十回にも及ぶ衝突の末、相手の動きと魔力の量から逆算して、意識せずとも丁度いい塩梅で重力を操り、正面から受け止められるようになっていた。でもそれは相手がコイツを含めた『一角突き』持ちだった場合に限った話であって、これと同系統の未知の特殊効果持ちと衝突すれば、初回はどうしてもモロに受けてしまうだろうが。

 さて、そろそろ良いか。


『ヴオオッ!』


 毎回馬鹿正直に正面から突っ込んでくるおかげで、タイミングはもう『予知』がなくとも完璧に把握していた。さっと突進を横に躱して、すれ違いざまに首を斬り落とす。そうして奴は煙となって消えて行った。


【レベルアップ】

【レベルが1から210に上昇しました】


 よし。

 ……『充電』は、念のため中央が終わってからにするか。


『マスター様、お疲れさまでした』

『キャン!』

『お疲れ様です、おにいさんっ』

『みてみてショータ、こんなおっきなお肉が出たわよー』

「おー。立派な胸肉だな。……いや、でかくない? それに、煙は残ってるのになんでドロップしたんだ?」


 元の『ナイトホーンディアー』の大きさは、角を含めない状態でも2メートルほどだったし、肉もそれなりの量になるはずではあるが……明らかにこんなデカい塊になるほどではなかったはずだ。まるで胴体全部の肉を集めたかのような量になってないか?


『あら、マスターは気付いてるかと思ったけど、そうでもなかったようね?』

「ん? どゆこと?」

『まずドロップだけど、第二層や第三層でも、レアはドロップしてたのよ』

「マジか」


 全然気付かんかった。けど他のダンジョンでは起きた事ない事象だし、このダンジョンだけの事象っぽいな。理由は分からんけど。

 やっぱりこのダンジョン、色々と既存のルールから逸脱してるようだな。


『それとお肉だけど、マスターの『運』が10万を超えた辺りから、ドロップする食材の大きさがその個体のサイズを越えてくるようになってたのよ。ただ、全部が全部じゃないみたいだけど』

「……そうだったの?」


 そっちも全然気付かなかったし、気にも留めてなかったな。


「10万を超えたタイミングというと……『深海ダンジョン』の最中か」

『そ。逆算したところ、第四層の『レイクアサシン』終了後のようね。ただ、雑魚モンスターはその判定の対象外なのか、その身体以上の食材がドロップする事は無いみたいだから、増加現象が起きていたのは『ウィングフィッシュ』、『スパイラルスライムゼリー』、『スライムゼリーファミリア』『ラルヴァリヴァイアサン』の4種だけね』

「ほうほう」


 あのダンジョン攻略では、魚からの食材ドロップが多すぎて、そういうのはいちいちチェックしてなかったんだよなぁ。むしろ嫁達に丸投げしてたくらいだし。……それでも、『ラルヴァリヴァイアサン』の肉くらいはチェックしておくべきだったか。

 いやでも、あの蛇は元がデカすぎるからな。肉が多く見えたところで、気付けたかどうか怪しいところだ。それに、何度か料理としてあの肉が使われてたって話は聞いたけど、あのサイズだろ……? 大して減って無さそうな気もするし、まだまだ残ってそうだよな。

 この攻略が終わったら、料理担当の嫁達に聞いてみるかな。


「……あれ、ってことは、『ブラックシルキー』や『ブラックコカトリス』の肉も、増加してた?」

『してたわよ。流石に今回の胸肉みたいに、特定の部位の肉じゃなかったから少しわかりにくかったけど』

「……マジか。黒い事しか目に入ってなかったな」


 あれ? じゃあ……。


「イズミやシルヴィの『運』で倒したことになるレアモンスターって、スキルや素材は一緒でも肉だけちょっと少なかったりするのか?」

『そうなるわね』

『今なら2体目を連れて行けるよ?』

「いや、気になっただけだから気にすんな」


 しれっとエスが会話に混ざって来た。


「そっちは順調か?」

『うん、それなりにのんびりさせてもらったからね。外周はもうすぐ終わるよ』


 こっちはようやくレア1体撃破したってのに、エスはもう2体目か。


「OK。なら俺はこのまま地神塔を壊したら中央に向かうから、そっちも終わったら来てくれ」

『分かった。ちなみにカスミちゃん達は先に中央に陣取ってるみたいだよ』


 マジか。流石に遊び過ぎたか?

 そうしてクレーター内を浄化した俺は、地神塔を破壊し中央へと向かった。



◇◇◇◇◇◇◇◇



「あ、お兄ちゃん!」

「先を越されちゃったなー」

「えへへ」

「お兄様、あの角攻撃を研究されていたのですか?」

「ああ、浮かしてくるモンスターは初めてだったからさ。つい遊んじゃった」

「流石です兄上。修行に余念がありませんね」

『……主君、ここのモンスターも『バトルアリーナ』に追加されるのでしょうか?』

「されると思うぞ。やってみたいなら好きに挑戦して良いぞ。出費も、ただの『極大魔石』だしな」

『ありがとうございまする』


 そんなやりとりをしていると、イズミが何とも言えない顔をしていた。


「どうした?」

「修行のためとはいえ、『極大魔石』を惜しみなく提供するお兄様もそうだけど、最近その事に違和感持たなくなってる自分が怖いな~って☆」

「ん? ……そういや貴重な魔石ではあったな。世間一般では」

「そうだねー。『極大魔石』って、1個いくらだっけ?」

「『特大魔石』は30万って話は以前聞いた事があるけど、俺は知らんぞ?」

「実は、あまりに貴重すぎて、明確な値段が付いてないのよね~。60万~100万とは言われてるんだけどね」


 特大でそれなら、極大はそれ以上か。

 今のところ、『特大魔石』持ちはレベル100~150で、『極大魔石』持ちはレベル150~200未満って感じだもんな。多少の例外はあれど、そんなレベルのモンスターなんて滅多に狩られないし、倒せるのもほんの一部の人に限られるから、『バトルアリーナ』もそのクラスのモンスターは非常に不人気なんだよなぁ。

 いや、不人気とは少し違うか。挑もうにも、挑むための魔石が出回ってないのだ。そりゃ誰も挑めんか。……一応俺は主催者側の人間ではあるんだし、挑みたい人達に魔石の提供をするくらいの事はしても良いかもしれないな。

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