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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十二章 秘密の園

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ガチャ1201回目:光と闇の境界

 第二層から第四層に存在するヘドロ……通称奈落の事に思いを馳せていると、アキとマキが手を挙げた。


「あ、ショウタ君。その事なんだけどさ」

「ん?」

「このダンジョンを見ていて思った事があるんです。良いでしょうか?」

「良いよ」


 何か思い至ったようだ。彼女達は俺と同じ条件なのだし、聞いておかないとな。


「えっとね、このダンジョン、天岩戸だけじゃなくて色んな伝説がごちゃ混ぜになってる気がするのね」

「あー、そうだね」


 コハクも天照大御神かとおもいきや、『御神犬』だったしな。


「ですので、あの岩の奥であったり、夜の世界や昼の世界、穴に溜まった奈落のお話を聞いて仮説が浮かび上がりました」

「ほうほう」

「「……」」


 2人がじっと見つめてくる。この先を言っても良いのかという確認だろうか。まあ確かに、今の情報を聞いて現状を整理すれば、俺にも見えてくるものはあるだろうけど……。


「いいよ、教えて」

「はいっ。ではまずあの岩ですが、天岩戸であるのと同時に、黄泉比良坂である可能性があるんです」

「黄泉比良坂っていうと、あの世とこの世の境目にあるっていう、アレ?」


 あの神話に出てたのがイザナギとイザナミだったっけ。


「そ。あの岩の向こうに広がっていた暗闇の世界があの世……つまり冥界ね。だからあのヘドロが奈落って呼ばれてたのもしっくり来たというかー」

「ふむ。つまり黄泉の国から溢れ出た奈落が暗幕を作っていたけど、太陽の出現によって効力が弱まり露出して、今では減少傾向にあると。そういうことかな」

「はいっ、そうですっ」

「そうそう! 太陽のある世界は現世って感じで、黄泉の世界の力は弱まるんじゃないかって思ったのよー」

「なるほどな」


 そう考えると今までの視覚系統が機能しなかったのも分かる気がするな。暗い世界と定義付けられた空間に明かりなんて存在できないし、視界も制限されるのは当然か。


「2人ともありがとう、参考になったよ」

「にしし、良かった」

「ショウタさんのお役に立てて何よりです」


 彼女達を抱きしめ、皆まとめてイチャイチャする。そうして賑やかな昼食を終えた俺たちは、先ほどのメンバーで再び第四層に向けて出発した。

 マップ機能を使って転移することもできたが、今回はあえてそうせずそのまま天岩戸から入っていくことに決めた。明るい世界になったことでワープ機能もしっかり働くようになったとは思うが、念のため第二層と第三層全体で再度変化が起きていないか、直接この目で見ておきたかったのだ。

 まあ結果から言うと、モンスターの姿もヘドロも地神塔も存在せず、ただただ明るい平原とクレーターだけがあるフィールドが広がっていただけだったが。


「やっぱり復活はしないのか」

「ここが復活しない理由も、謎なままではあるよね。兄さんも予想はできない感じかい?」

「流石にな。前例がないし想像がつかん」


 基本的にどのダンジョンであろうと、雑魚は討伐すれば再出現してくるものだ。例外があるとすれば『妖怪ダンジョン』の『四神の試練』がそうだったが、あれは特定エリア内のギミックだから受け入れられたが……ここはダンジョン全体がそういう仕様なんだよな。

 もしかすると、全体で1つの大掛かりなギミックの可能性もあるが……それは、第四層を殲滅した時に初めて分かることだな。

 そんな事を考えつつ小走りで第二と第三層を駆け抜け、俺達は第四層へと辿り着いた。そしていつものように視界を飛ばし、マップの全域を視界に収める。案の定、クレーター内部に溜まっていた泥の数は減少し、その代わりモンスターが溢れるように湧いて出ていた。ここのモンスターは……黒い鹿だったな。そんな連中も、明るい世界になった事で毛皮の色も分かった。一般的な鹿の毛皮は茶褐色に白い斑点だが、こいつらは……体毛そのものが黒かった。どうやら、こいつらは最初から真っ黒な鹿らしい。

 早速近くの穴に駆け寄って詳細を覗いてみる。


*****

名前:ナイトディアー

レベル:78

腕力:500

器用:380

頑丈:200

俊敏:420

魔力:650

知力:80

運:なし


(ブースト)スキル】俊足、迅速

(パッシブ)スキル】身体強化Lv3、獣角術Lv3

(アーツ)スキル】チャージアタックⅡ

★【(エクス)スキル】一角突き


装備:なし

ドロップ:ナイトディアーの黒い皮、ナイトディアーの黒肉

魔石:中

*****


 お、こいつらは肉を出すのか。……食えるのかな?


「うへぇ、お肉も真っ黒なの~?」

「赤身は全く無いのでしょうか?」

「焼いても火が通ったか分かりにくいわね」

「食べられるのなら食べてみたいですけど、最初から黒いとなると調理難易度が高そうですね」

「兄上の読み通り再出現しないとなると、味がどうであれ入手経路がなくなる訳ですから、希少性は高そうですね」

「皆、食べるのに乗り気ねー☆」

「まあ、食肉になるのなら食ってみるのも一興だな」


 食肉にすらならない肉なら利用価値もないから廃棄するしか無いのだが。

 ちなみに廃棄先はイリスの胃袋だ。あいつ、毒のある魚だろうと喜んで食べるからな~。毒は旨味だとは言うし、耐性スキルは俺も持っているが……。流石に真似する気にはなれんな。


「んじゃ、ここのクレーターは数も多いし、雑魚の総数も400を超える。いつも通り俺とカスミ達は100体討伐したら中央に行くとして、エス。手伝ってくれるか?」

「OK、任せて」

「けど浄化をどうするかだな……」

「安心して兄さん。シルヴィが『聖魔法』を覚えてるから」

「そうなの? なら任せた」


 エス達はいくつもアメリカ西海岸のダンジョンを制覇してるし、その中でシルヴィも色々と魔法を手に入れたんだろうな。


「じゃあ俺はこのルート、カスミ達はこのルート、エスは外周のこのルートでよろしく」

「OK」

「分かった」


 さて、第四層攻略開始だ!

読者の皆様へ


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