ガチャ1120回目:強奪者の装備品①
『それじゃ、アイツが落として行ったアーティファクトはここに置いておくわねー♪』
そう言ってアズは上機嫌にアイテムをテーブルの上に並べて行った。内訳としては指輪が2、天秤のような物が1個、腕輪が1個だ。
意外と少ないかな?
『最初に見た時はもっと持ってたんだけどねー。マスターとの戦いで消滅しちゃったみたい♪』
「あー……」
『天をも切り裂く神槍を幾度も受けたのだ。それでもまだ原型を留めている方が不思議でならんな』
『主君の攻撃に晒されてなお残ったということは、それだけ品格の高い逸品だけが残ったということであろう。きっと素晴らしい品に違いない』
『フッ、確かにそうかもしれんな』
などとベリアルとイクサバが仲良く談笑している。コイツらもいつの間にか仲良くなったよなー。お互い武人気質だからかな?
「んじゃまずは指輪からだな」
名称:貴き深紅の指輪
品格:≪高位伝説≫ハイ・レジェンダリー
種類:アクセサリー
説明:ピジョンブラッドと呼ばれる宝石を使用した指輪。ピジョンブラッドは始祖吸血鬼と呼ばれる特殊個体の心臓にのみ生成される特殊な宝石であり、装飾品に組み込む事でその特性が色濃く受け継がれている。
★装着者に深紅の加護を授ける。深紅の加護は魔法攻撃に対して自動で展開され、あらゆるダメージを極限まで低減する。
★深紅の加護を使用するには、このアイテムに血を捧げる必要がある。
★充血率:0%
「魔法に特化した防御系の指輪か。フルチャージする為には血を捧げる必要はあるが、それでも破格な性能をしてるな」
「綺麗な宝石ですが、なんだかとても不気味ですわ……」
「何だか呪われちゃいそうですねー」
「ただでさえ吸血鬼なんて、フレーズだけで厄介そうなのに、更に向こうの世界産かつ、始祖なんて特殊個体となると……」
「ん。絶対やばいやつ」
「優秀なアクセサリーみたいですけど、ショウタさんが身に着けるのはなんだか嫌ですね……」
「わかるわ~」
「こんな異質な物、どうやって手にしたのでしょう」
「謎だよなー」
『『『……』』』
アズ、タマモ、ベリアルは何か知ってそうな顔してるけど。
多分、どっかのダンジョンが誰かしらの宝物庫かなにかに繋がってたりでもして、持ち出されたとかありそうではあるよな。
「……ん? 待てよ、これ誰の血が必要だとか明確に記載されてないんだけど、装着者ではない他人の血でも充電されるのか?」
「そうなってくると話が変わってきますね」
「悪人なら他人の血液をいくら使おうと心が痛まないでしょうし、活用していた方の人間性が垣間見えますわ」
んでもう1つは……。
名称:猛き蒼天の指輪
品格:≪高位伝説≫ハイ・レジェンダリー
種類:アクセサリー
説明:アクアブルーと呼ばれる宝石を使用した指輪。アクアブルーは長命な古代種の体内に生成される特殊な宝石であり、装飾品に組み込む事でその特性が色濃く受け継がれている。
★装着者に蒼天の加護を授ける。蒼天の加護は物理攻撃に対して自動で展開され、あらゆるダメージを極限まで低減する。
★蒼天の加護を使用するには、このアイテムに生命力を捧げる必要がある。
★充命率:0%
「こっちは物理特化か。その上、生命力も誰の物が必要だとか記載されてないし、他人の生命力を奪い取る形でも成立してしまいそうだな」
「破格な性能なのに、万全に使う為には他者の命を気軽に扱い過ぎだよね……」
「装備の方針的に、これはお兄様にもそうだし私達にも合わなさそうね」
「う~ん……。あ、旦那様! これってモンスターの血や生命力は使えませんの?」
「どうだろなぁ。特に種族の指定もないし、イケるんじゃない? ただ、非人間から奪うとなると、かなり効率が落ちる気がするんだよな。『直感』的に」
「ご主人様の『直感』がそう告げるのであれば、その方法では使い物になるのに時間が掛かりそうですね」
となってくると、これを実用化して運用していくのはあまり俺たち向けではないな。自前の血や生命力を使うのもなんだか気が引けるし。
「それよりもだ」
俺は映像を所定の場所まで巻き戻し、『タイムストップ』発動直後……『武技スキル』によって1撃目が決まった瞬間で映像を止めた。
「こんな超性能なアイテムを持ってたのに、奴との戦闘中に発動した気配がまるで無かったんだよな。そこんとこ、アズはどう思う?」
『それは多分だけど、簡単に予想できるわ。いくら高性能でもこの2つのアクセサリーは『高位伝説』止まり。『幻想+』となったグングニルの神性と、推定品格『幻想』級と思しき『時空魔法』による時間停止。この2つによって発動する間もなく打ち壊されたと思うのよね。奴はこれ以外にも様々な防御系のアクセサリーを装着してたようだけど、マスターの圧倒的攻撃を受けて初撃で弾け飛んでるもの。ほら、映像でも映ってるでしょ』
そう言ってアズはスロー再生でそのシーンを見せてくれる。
距離の問題もあって若干不鮮明ではあるものの、確かに映像では俺の初撃によって奴の半身が消し飛んだ際、何故か奴が装着していた指輪や腕輪の大半が崩壊していた。恐らく俺にもあずかり知らぬところで何重にも展開していた奴の防壁は、グングニルが持つ神性の暴力と雷光によって、無残に打ち破られたんだろうな。
あと『結界破壊』。
奴に誤算があったとすれば、俺の攻撃が『高位伝説』の防壁を凌駕する、品格による暴力を備えていた事だろうか。それらが無かったころにコイツと遭遇してたら、簡単に負けてただろうな。
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