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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十章 束の間の休息

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ガチャ1119回目:捕えた強奪者について

「で、実際のとこどうなんです? 奴の捕縛に成功しステータスやスキルの一部が抑えられているとして、完全封印できているのは『強奪』だけ。そんな状態で、奴から情報を抜き出す事はできるんですか?」

「正直言うとお手上げだったわ。アレが運ばれて来た時、真っ先に私とタマモで『傾国の美女EX』を全力展開して、支配下に置こうとしたの。だけど、2人掛けで同時に発動したのに、まとめて弾かれちゃったわ」

『レベル1相手に悔しいのじゃ~』


 ある意味最強の2人のタッグ技をもってしても支配下におけないなんて、それって実質的に情報を引き出す事は不可能なのでは?


「それって、大丈夫なんですか?」

「大丈夫か大丈夫じゃないかで言えば、大丈夫よ。どんなにスキルを持っていようと、相手のステータスはレベル1の一般人相当だもの。その上、危険なスキルは発声を前提としたスキルがほとんど。四肢もないし、そんな状況下で特製の猿ぐつわと目隠しを自力で破壊する事は不可能だわ。だから支配はできないけど、抜け出す事もできないの」


 ふーむ。なるほど?


「で、弾いたって事は『伝説(レジェンダリー)』スキルの『状態異常耐性』も健在だったって事ですよね?」

「恐らくはそうね。ただ、ショウ君に『傾国の美女EX』が通じないのとは違って、別のスキルも関与していると考えるべきだわ」

「というと?」

『御主人も知っておるじゃろ? 『鑑定偽装』も『伝説(レジェンダリー)』なのじゃ。本来であれば支配下に置いてから偽装も解いてもらって、そこから調査に入る所だったのじゃ~……』

「ああそうか。『真理の眼』を持ってないから、偽装を貫通する手段がないのか」


 それは困ったな。俺は一度見たけど、あの時はそれどころじゃなかったし全然覚えてないんだよな~。


「ショウ君、奴の持っていたスキルの事、思い出せる?」

「すみません、あの時は『強奪』があるかどうかの確認に夢中だったから、ハッキリとは。俺よりスキルを持っていたことは覚えているんですけど……。ただ、もう1度視ればいいだけです」

「残念だけど、それも難しいかもしれないわ」

「え?」


 なんで?

 自殺でもしたとか??


「どうやら、同じ術者からの2度目以降の『鑑定』を弾くスキルを持っているみたいなの。私とタマモも、他の職員達全員で試したから間違いないわ」

「そんなスキルが……」


 ちらりとアズに視線を向ければ、苦い顔をしていた。

 あるにはあるんだな、そういうスキルが。そしてこの場で言ってこないって事は、スキル名が分からないって事だろう。


「でも俺ならワンチャンあるかもしれないですし、やるだけやってみますよ」

「そうね……。今度お願いするわ」


 しっかし、猿ぐつわか。発声を封じる事で得られるのは何も魔法の無力化だけじゃない。武技スキルも同様だ。『伝説(レジェンダリー)』未満は使えなくなっているとは言えど、残されている『伝説(レジェンダリー)』以上の物はどれも高威力の破壊力を伴っている。四肢が無く、口も封じられ、更には魔眼系のスキル対策に目隠しもされていると。

 そんな芋虫のような状態になっても反骨精神が抜けないとは、意外と気概のある奴なんだな。なんでそこまで……とは思うが、奴の人となりが分からん以上は、なんともだな。


「……なあ、タマモの手で『奴隷の首輪』を改良はできないのか?」

『ぬぬ?』


 今も子供たちに使ってる『改良型・封音の魔導具』みたいに、『奴隷の首輪』も性能アップできれば言う事ないんだが……。


『すまぬ御主人。やれるなら試してみたいところではあるのじゃが……』

「なにか問題が?」

『わっちの持つ『錬金術の極地』と『錬成術の極地』は、触れただけで内部が分かるような万能スキルではないのじゃ。仕組みを把握するためには、一度完全にバラす必要があるのじゃ……』

「するってーと、地球人が造った『封音の魔導具』だからこそ、量産もされてるから気軽にバラして改良が重ねられたけど、本場のアーティファクトとなると希少すぎて試せないと……そういうことか?」

『なのじゃ~……』

「じゃあサクヤさん、『奴隷の首輪』って実はあの1個だけだったり?」

「そうなのよ。残念だけどね」


 あらら。

 でも、出土場所さえ分かってれば俺が――。


「ごめんなさいね、あれはレッドカラーの拠点を接収した時に手に入れた物なの。私の力で口を割ろうにも、彼らも海外のルートで手に入れたって情報しか持っていなくて……。それに、当時はあの首輪が複数必要になるような状況になるとは思っていなかったから、あまり深追いはしなかったのよ」

「となると、改良を試すのは絶望的か。タマモ、新たにタマモオリジナルで作る事も難しいか? 『テイム』を参考にしたりしてさ」

『ふぅむ、専門外のことじゃからわっちには難しいのじゃ~。でも、やるだけはやってみるのじゃ』

「ごめんなー、色々ワガママ言っちゃって」

『くふ、良いのじゃ。その代わり、頑張ったら御主人のブラッシングを所望するのじゃ!』

「おう、任せとけ」


 タマモをわしゃわしゃしてあげる。

 あ、そういえば……。


「アズ、『強奪者』が持ってたアーティファクトをくすねたって話だったけど、今も持ってるか?」

『あるわよ』

「じゃ、それの性能確認をしつつ、今回の成果確認をしていくとしますかね」


 今回は雑魚やレアを大量討伐したから、スキルの在庫が頭のおかしなことになってるはずなんだよな。そういや、ベリアル達の稼ぎを越えたんじゃないかって話も出たけど、そっちもどうなったんだろ。

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