ガチャ1118回目:慧眼の先
「ただいまー」
『キュキュー♪』
ルミナスを背負いながら帰ってくると、昨晩はいなかった他2人の家族も待っていてくれた。
「ショウ君、おかえりなさい」
『おかえりなのじゃ御主人!』
「サクヤさん、タマモー。ただいま」
2人纏めてぎゅっと抱きしめていると、ルミナスも俺の感情を察知してか、興味深そうに2人をクンクンと嗅いでいた。
「この子がルミナスちゃんね。初めまして、私の名前はサクヤよ。この家にはいない事も多いけど、宜しくね」
『わっちはタマモなのじゃ~』
『キュ~♪』
「ふふ、こうしていると本当におっきなワンちゃんみたいね。いい子いい子」
『キュキュ~♪』
ルミナスはサクヤさんに撫でられてご満悦だった。あとで俺も撫でて欲しい。
『ふむー。本当に『ルミナスシール』なのじゃ。ご主人が『テイム』したと聞いた時は驚いたのじゃ』
「それは捕まえたことに? それとも実在したことに?」
『どっちもなのじゃ!』
「そっかそっか」
タマモのアゴを撫でるとゴロゴロし始める。可愛い奴め。
ルミナスは地面に降ろして、そのまま2人を抱えてリビングのソファーに陣取った。そこに他の嫁達も集まってくる。
「ねえねえショウタ君。そろそろあの映像観せてよー」
「わたくしもはやく観てみたいですわー」
「ん? それって『強奪者』戦の事だよね。まだ観てなかったの?」
「ダンジョンボス戦は観させてもらいましたが、その戦いについてはまだですね」
「ご主人様が記者会見をしている間は、子ども達と一緒にその様子を見ていたので、映像を見る暇がありませんでしたから」
「それにー、どうせならお兄様と一緒に見て解説してもらおっかなって☆」
そういう事ね。
サクヤさんもタマモもワクワクしてるみたいだし、皆見るのを我慢してたんだな。
『主君の加減無しの本気の戦い、我も楽しみにしておりました』
『『強奪』持ちを相手に正面から捻じ伏せるなど正気の沙汰ではないが、相対するは我らのマスターなのだ。リリスも絶賛していたことだし、是非とも観させてもらうぞ』
イクサバとベリアルも楽しみにしていたと。そこまで言われちゃ、一緒に見るしかないよな~。子供たちは……さっきまで起きてたみたいだけど、今は絶賛オヤスミ中と。
「んじゃ、再生するぞ~」
◇◇◇◇◇◇◇◇
そうして対人間とはいえ、常軌を逸した戦いを見て皆興奮していたが、それと合わせて奴の異常なまでの耐久力にも話題が移って行った。
『秘宝級どころか、幻想級のアーティファクトを造り上げるとは、噂は名ばかりではなかったのじゃな』
『ですがお姫様も、いつかはその域に行けると信じていますっ』
『くふふ、そうかの~?』
『あやつめ、やはり『デウスエクスマキナ』の――ザザザザザザザ――』
『はいはい、興奮しないのベリアル。マスターに聞こえなきゃ意味ないでしょ~』
『むぅ……』
ペット組で向こうの機械仕掛けの神を知ってるのは、やはりアズ、ベリアル、タマモ、キュビラの4人で、他のペット組は知らないようだった。やっぱ魔王かそれに準ずる地位にいないと、入ってこない情報というのもあるんだろうな。
「でも、そんなヤバイ奴をサクヤさんとこに預けて、本当に大丈夫ですかね?」
「あら、心配してくれるの?」
「当り前じゃないですか」
いくらサクヤさんが万能とはいえ、危ないものは危ないし。
「……やっぱり良いわね。誰かに、特に好きな人に心配してもらえるって」
「サクヤさん、俺は真面目に――」
その先を言おうとしたところで、彼女の人差し指が俺の口に触れた。
「大丈夫よショウ君。これは私にしかできない事だもの。私以上の適任がいない以上、私でしか奴を管理しきれないわ」
「そうかもしれないですけど」
アイツの上昇しまくったレベルもステータスも、スキルに至るまで、『奴隷の首輪』で抑えつけているとはいえだ。以前氷漬けにしたまま預けた『征服王』の配下を預けるのとは、危険度合いがまるで違う。
「……本当に、奴の能力を全部抑える事ができたんですか? いまいち実感が無いというか、安心できないんですけど」
そう伝えるとサクヤさんは思案に耽るような顔になり、そのままアズとタマモに目配せをした。アズもタマモも首を横に振る。
なんだなんだ?
「やっぱりショウ君の『直感』は凄いのね」
『こうならないように実物を直視させる展開は避けてたのにね~』
『本当に凄いのじゃ。一度も視てないのに本質を把握するなんて、慧眼どころの話ではないのじゃ~』
「んん??」
疑問に思っていると、他の嫁達もうんうんと頷いていた。頷き始めたタイミングと反応からして、今の話題を10割理解しているメンバーは異世界組を除いてアキ、マキ、アイラ、イズミ、エス、シルヴィの6人。他の面々は話してる内容こそ理解していないものの、別の意味で頷いている感じがする。これも『直感』ではあるが……『直感』ってここまで読み取れたっけ?
10万を超えた恩恵か? だがそれはそれとして、俺に何か秘密にしている事があるようだ。そしてそれは『奴隷の首輪』に関する事で間違いないだろう。直視を避けて来たとなれば、それは『奴隷の首輪』の性能によるものと思われる。となると、以前予想していた通り……。
「『奴隷の首輪』は『伝説』以下……もしくは『伝説』未満のスキルにまでしか対応しておらず、それ以上のスキルは無効化出来ない。それで合っているか?」
「……あってるわ。『直感』もそうだけど、その価値観と思考方針が、本当に凄いのね、ショウ君は」
サクヤさんが頭を撫でて褒めてくれた。それだけで嬉しい。
「いや~」
やっぱサクヤさんには勝てないな~。
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