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その刀を下ろして、帯刀男子さま!  作者: 月見七春
第九十九章 おはように撃たれて眠れ!
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第二千九百九十話

 



 私たちを狙って上空に向かってくる者がひとりもいない。

 なので金色雲を別に出して、トモとふたりで上空を移動。金色太陽から距離を取ってから、ふたり分の望遠鏡を化け術で出して、トモとふたりで観察してみる。あんまり長い時間はかけられない。なるべく早くマドカたちと合流したい。でも、気になる!

 望遠鏡で地上の様子を見ると、薄くて白い膜の中に頭を潰された者が四、五人ほど。そして頭に球体をつけられた者がひとりいた。膜の中にいるのは五、六人編成の犠牲者たちだ。だけど、彼らだけじゃない。膜の中には肉塊や骨が浮かんだ赤黒い液体でいっぱいだった。犠牲者たちの腰の高さまで浸していて、たぷたぷと波打っている。

 核とおぼしき青く光る部分は、まるで結晶のようだった。

 身を寄せ合うトモの身体が突然、私を押してくる。なんだろうと目を向けると、トモの顔がこわばっていた。


「結晶の中、ひ、人が」


 うまく言葉が出ないようで、それから何度も声を出そうとしているのに言葉にならない様子だった。

 あんまり広大すぎて、なのにあんまり見分けがつきにくいけど、意識してトモの見ていた方角の結晶たちを眺めてみる。

 どの結晶も青いけど、透明度はものによって違う。

 大腸や小腸を構成している組織と細胞たちの集まりは、基本的に濁っていて、白みがかっていたり、暗い色になっていたりするものが目立つ。ただ、腎臓っぽい箇所や、あるいは胃や肝臓あたりの箇所はまた色味がすこしちがっていた。あと大動脈と大静脈のあたり。特に色が澄んでいた。

 やっぱり腹部を輪切りにしたような、そんな内部構成になっている。最初に見たときはおへそあたりか、その下あたりだと思っていたけど、それよりもうちょっと胸寄りなんだな。

 あたりをつけられたからか。それともたまたま運良く読み取れたからか。いずれにせよ、大動脈を構成する細胞たちの集まりに見える青い結晶はとりわけ澄んでいる。だから、見えた。その中に、人がいる。文字通り、人が。裸で。結晶の中に。

 望遠鏡の比率を調整しながら見てみて、気づく。

 人は人でも、顔がぐずぐずで特定できない。髪も生えていない。ただ胸の膨らみや腰のくびれからして、恐らくは女性。いやに全身が真っ白で、不気味に見えた。

 もっと不気味なのは、おへそから下がないこと。血も流れていない。内臓が垂れ下がるのでもない。人の形でこねたパン生地を、おへそから下はねじってちぎったようなツノのようなものができていた。そして、ちぎった先がないのだ。

 結晶の中に固定された真っ白人間は、他の同じ組織、同じ器官の結晶にもいた。みんな目を閉じているのか、それとも眼球の代わりに皮で覆われてでもいるのか、なんにせよどこを見ているのかさっぱりわからない。


「なに、あれ」


 トモの顔色が悪い。

 それに気づけるくらいの光源を設置できたのだから、いまはふたりの望遠鏡を消して、さっさとマドカたちに合流しよう。


「いまは考えるの、なし。追っ手が来ないか集中して」


 そう伝えて、なるべく一直線にマドカたちと出てきた出口を目指して飛ぶ。

 揺れや振動はいまのトモによくないかもしれない。いや。明らかに見たものにショックを受けての吐き気なんだろうけど。

 ここは全体的に、私たちにあまりにも障る場所だ。改造された人たちが多すぎるし、血肉や犠牲者が多すぎる。なのに内臓部分からは邪たちの姿を視認できなかった。どこにどう潜んでいるのか、さっぱりわからなかった。

 ただ、腸を構成する細胞たちというより、その内容物に該当する塊があってさ? そりゃあ、だって、腸だもの。食べたら食道を通って胃で消化されて、やってくる。そして、どんどん便になっていく。

 便らしき塊もあるし、腸には明確な通り道がある。お母さんたち、あそこを通ったんだろうか。そりゃあ、あんまり調べたくないよなあ。

 あと、端っこ。ここを仮に輪切りの人体と捉えたとき、皮下脂肪があり、表皮までに至る。で、表皮となればもちろん、細胞は新しいものができて古いものが押しのけられていって、最後は垢になってさようなら。その流れに沿ってなのかな。端っこは赤黒い液体がほとんどなくて、歩き回る人たちの足下に骨が散らばっている程度。そして、邪たちも視認できた。

 たしかに害虫がいた。家で見たら悲鳴ものじゃ済まない奴らがいた。膝下サイズのどでかい奴が、うじゃうじゃと。トモに知らせたら吐いたうえで気絶してしまいそうだ。

 あと、下りなくてよかった。途中で引き返して、本当によかった。あんなのの相手は絶対にしたくない。この空間全体を一網打尽にできる殺虫剤が欲しい。それくらい、無理だ。

 眼下の光景を見るかぎり、私たちが対峙した人たちはみな、ここでいう細胞を構成するためのものなのかもしれない。

 じゃあ、これはいったいなんなのか。

 お母さんが見せてくれた調査ホログラムからすれば、ここは最も上層部にある空間だ。

 でも、下にはまだ先があった。

 その空間は身体の輪切りでいう、どこを切り取っているんだろう。

 ただひたすら、下にずれていくんだろうか。

 それとも上や下が混在しているんだろうか。

 そもそもいったいなんで、人体構造を模そうとしたのか。

 デフォルメはされていると思う。細胞単位から人体構造を人間で模すなんて、本気でやったらどれだけの広さが必要とされるのか。たぶんちゃんと計算できそうな気がするけど、なんにせよ、私たちがいる空間でもまだ足りないような気がしてしまう。細胞の数をごまかしている気もする。

 ずっと上、洞穴の天井近くから見下ろすから、やっと全体の構造が見えているような気がする。だけど、でも、お母さんたちみたいに床を歩いていたら、すこしも気づけなかった気がする。そもそも明かりがなきゃ無理だ。

 こんなの、いったいなんのために?

 明らかな作為がある。それはもう間違いないだろう。

 これまで見てきたものよりもずっと大がかりだからこそ、これがなにか明確な意図をもった術かなにかだとわかる。こんなに大がかりだからこそ、重要だろうということも。

 だからこそ、ますますわからない。

 なんのために?

 人体を模倣する必要性なんて、どこにあるのか。

 青い結晶の正体は?

 わからない。

 調べなきゃわかりようがない。だったらもう、あとは近づいて結晶をいくつかまるごと回収して、調べてもらわなきゃ。それをやるとなったら、なにがどう必要なのかから考えなきゃならないけど。

 マドカたちと合流する。ソウイチさんもサクラさんも、自分たちが移動した場所にあたりをつけたのか、すごく浮かない顔をしていた。合流したとき、ふたりとも話し込んでいたけど疑問は尽きない。

 挨拶もそこそこに情報共有をしたのち、サクラさんに問われる。


「彼らはどうやって、ここで生活をしてると思う?」


 食事はどうしているのか。わからない。

 トイレなどは? さあ。

 そもそも立ちっぱなしでいるのだろうか。謎だ。

 まさかとは思うけど、血のように見える液体を飲み、浮かんでいる肉片などを食べているんだろうか。排泄もそのまましていて、それさえ飲み食いするんだろうか。

 ぞっとする。そりゃあ呪いに思えるくらいやばい霊子が漂っていそうだし、そうでなくても病気や感染症の宝庫みたいな場所に見える。人数分の望遠鏡を出して渡して、なるべく答えを探ろうとしてみたものの、彼らが食事を取る光景を見つけられなかった。

 見つけられなかったことが他にもある。


「そもそも一層だけだと思う?」


 マドカの問いに答えられるだけの証拠を示せなかった。

 だけど考えてみればマドカの言うとおりで、目に見えている一層だけがすべてとは限らなかった。

 彼らの足下に一層、二層と、何層も重なっている可能性がある。というのも、腸を構成している部分が私たちの通ってきたトンネルよりも広く深く見えるから。腸の高さから見て、マドカの見立てだと最低でも十層以上はないとおかしいらしい。目測で雑な見立てに過ぎず、二十層いや五十層あっても足りない可能性さえある。

 すると、私たちが見ているものの異常さでさえすべてではなくて、まだまだ見抜けていない可能性が。


「あの動脈と静脈とおぼしき管に液体がたまって見えるけど、あれも、じゃあ、血液細胞の塊が液体のようにたまっているっていうこと?」


 サクラさんの問いに答えようにも、医学的知識がないし、あんまりよく見えなかったのもあって、答えられない。最低でも、ここには霜月先生がいますぐ必要だ!

 それに朝倉先輩たちにあの結晶が調べられるか聞きたいし、もう先輩たちの手には負えない代物かもしれないなら協力を要請する必要が出てくる。


「ここを見守りつつ、後方と連絡を繋げて対処しないとかも」

「もはや戦闘云々ではないか。なら私が戻ろう」

「え。こどもたちを置いて?」


 サクラさんはソウイチさんの決断に不満げだ。


「この奇怪な状況に対応できているのは彼女たちだ。それに私は現世の戦闘に対応したほうが、まだ現状で役に立つ」

「私は調べ物があるから長く調査してきたの」

「わかっている。だから、私が戻ると言った。君は残っていい」

「見たくないんでしょ」


 具体的になにを見たくないかは述べない。

 けれど、それはふたりにとって重要なもののようであり、ソウイチさんは答える代わりに背を向けた。


「すぐに知らせてくる」


 身をかがめて、ぐっと蹴り出した。すごい勢いで疾走していく。

 あっという間にソウイチさんの背中が見えなくなってしまった。


「逃げるときはいつだって全力なんだから」


 けっとサクラさんが毒づいた。

 なんとも突っ込みにくい、夫婦の話題。私たちは目配せをする。

 深掘りしないでおこう、というつもりのアイコンタクトだったのだ。


「緋迎さんが見たくないってやっぱり、あなたが捕まっていた理由ですか?」


 マドカさん?


「気まずくなると逃げちゃうタイプなんです?」


 トモさん?

 なんで聞いちゃうのかな!? 気まずい話題じゃん!


「そうなんだよね」


 あ。サクラさんも普通に答えちゃうんだ。


「都合の悪いこと、考えたくないし、話したら気まずくなるようなことからは、いつもああやって逃げるの。言わない、話さないし、聞かない」

「「「 ああああ 」」」


 思わずマドカとトモと三人でハモってしまった。


「うちのお父さんやお兄ちゃんたちにも、そういうとこあります」

「え? そうなの? うちはお母さんがそういうとこあるかな」


 ふたりが乗ってる話題に私はいまいち乗り切れない。

 それはむしろ、私が言わない、話さない、聞かないタイプだからかもしれない。

 だから気まずいのか! やばい感じぃ。

 そんなこと気にしている場合ではないけどね。


「むしろ、だれにもそういうところがあるのよ。私にもね。目を背けたいこと、受け止められないことって、人ならいろいろあるでしょ?」

「でも、夫婦ならとか、親子ならとか、思いません? あたしはかなり思うな」


 サクラさんの話、私はすんなり受け止めたけどトモはちがった。鼻息強めに言い返している。

 ずっとおうちでいろいろ抱えて生きてたんだもの。トモなら、そうなのだろう。


「そうだね。だからこそ目を向けずにいられないことや、どうしても気になってしまって執着しちゃうことだってある。それも自然なことじゃない? 私には、私が意識を失っていた間のことを知りたいように」


 トモには、トモの目を向けずにいられないこと、気になって執着しちゃうことがある。

 みんな目を背けたり、逆に向けちゃうことがあったとしても、別におかしくない。


「それをどうしたいか、なにができるかも、人によってちがうから強制はできないけど、でもやっぱり、そばにいてほしいときに、それを選んでくれないのはさみしいじゃない」


 消え入りそうな声で言い終わると、すぐさまサクラさんは手を叩いた。


「ま、それはそれとして。この輪切りの人体の一部を模した空間を、どう見て、どうするかを考えてみましょうか」


 彼女の提案に救われる形で思考を切り替える。

 小骨が喉に引っかかるように、サクラさんの孤独や、置いていかれたことが残る。いやな違和感のように。なにかを重ねてしまいたくなる。

 だめだ。気になるなら、ソウイチさんを意地でも引っ張ってくるか、サクラさんに後方待機をお願いして、ふたりが納得できるようフォローするかだ。


「ここは全体のまだまだ一部で、同じような洞穴はたくさんあります。全体から見て腸が大部分を占めてますよね」


 切り出した私に三人とも集中してくれた。舵取りを委ねてもらえているなら、私のペースで進めやすい。


「個人的に気になる臓器があるとしたら、それは心臓とか脳とか。あとは、この人体の性別次第かな」


 生殖にまつわる器官でなにをしているかが、この構造物のなかでは特に気にかかる。

 そのうえで。


「ここのような巨大洞穴が人体を模しているなら、そこにどれだけの共通点があるのかも気になるし、表皮細胞がどうなっていくのかも気になります。通路に出てきた集団は、もしかしたら、死んだ表皮細胞から出てきた人たちかもしれない」


 爆弾として歩き回る、頭の潰された人たち。そして、球体をつけられた人。あの球体の正体もまだわからない。


「この巨大洞穴以外に、まさに地下全体を形成したり、管理したりしてる連中の居場所があってもおかしくないというか、むしろなきゃおかしいと思うんですよ。そっちがむしろ、少数で調べるうえでは本命と言えるかも」


 とはいえ、お母さんの見せてくれた全体像からすると、まだ、それとおぼしき空間は見当たらなかった。

 そんなのあったら、とっくにうちと緋迎さんちの四人組で見つけられていたはずだ。

 四人じゃ見つけられなかったところに隠れているのか、それとももっとずっと深いところにあるのか。


「断言はできないけど、サクラさんが意識を失っていた場所にまつわる謎も、この洞窟にまつわる謎も、大規模な調査をいくらやっても足りないくらいだし、ここを管理してる連中の居場所を探すのも一筋縄じゃいかなそう、なので」


 ここから余計なお世話の一線を越える。


「話をつけてくるなら、まだまだ、余裕があります。サクラさん」


 意を決して、続ける。


「現状を調べるうえでも、この洞穴は大きすぎるし、地下は広すぎるんです。今日を焦るより、大事なものを守ることのほうが重要だと、その、僭越ながら、ですね、あの」


 覚悟がたやすくしぼんでいく。

 なにせ切り出してからずっと、私はサクラさんの顔をまともに見られなかった。


「だれも追いかけないとは言ってないでしょ? 変な気を回さないで」

「おぅっ」


 おでこを強めにはたかれた。


「調査には腰を据えた対策が必要ね。それに、いま起きている事態との関連もまだまだ不明。どれだけここに人手を割くかという懸念さえ、まだ拭えていない。けど、明らかにここはおかしいし、無関係とはとうてい思えない」


 サクラさんが話を引き取ってしまう。

 はらはらした。だいじょうぶだろうか。実は夫婦の不和がやばくて爆発寸前だったりしないだろうか。


「もっと人手がいるし、精神的に不安定なものを抱えた状態で挑めることでもない。ちゃんとわかってるから。ただ、みんな、経験ない? やなことがあったら、しばらく気持ちがくさくさして、落ち着くまでに時間が必要なこと」

「う」

「もうちょっと時間をちょうだいね」


 荒れるのでも怒るのでも叱るのでもない、穏やかに言われてしまうから、もうなにも言えない。

 冷静に穏やかに、優しく言われるのが一番応えるね!


「す、すみません」

「ん? いいからいいから。心配してくれたのはわかっているもの。それより、時間がなくて、考えなきゃいけないことに話を戻しましょうか」


 サクラさんが洞穴の縁に足をかけて全体を睨む。


「私たちはたしかに、管理者ないし関係者が詰めるような場所を見つけられていない。だけど、これだけ巨大なものを相手に、管理したり観察したりする場所がないのは明らかに不自然。絶対に、その手の場所があるはず」

「なんで、見つからないんですかね? 隠れているとか?」

「それか、明かりがないと見えないとか」


 マドカとトモが、ここぞとばかりに空気を変えるように意見を言う。

 でも、けっこういい線をついている気がする。

 お父さんたち四人組は危険を避けて、最低限の戦闘だけをして、なるべく迅速に全体像を把握しようとした。それじゃ見つけられない方法があるとしたら、それはいったいなんだ。

 地中には爆弾にされた人が埋められているような、そんな場所だ。洞穴には途方もない人数の人が、頭を潰されて、血や肉や骨のプールを歩き回っているような場所だ。

 なんだってあり得る。いや、それじゃ困る。可能性を絞らないと、調べようがない。

 洞穴はどう考えても、私たちだけで調べきれるものじゃない。そもそも何百人といたって足りないくらいの規模感だ。後続と合流して連絡のうえ、相談しなきゃ始まらない。

 少数でやれることがあるとしたら、それはやっぱり、この異常な場所を作った連中の居場所なり、必要施設を見つけることじゃないか。管理場所があるはずじゃないか? とても正気の沙汰じゃない場所の管理場所なんて、やっぱり正気の沙汰じゃなさそうだけど、いや、わからない。案外、面白みのない場所かもしれない。

 なんであれ、見つけなきゃ始まらない。


「あのさ。うんちからどんな霊子情報が拾えるかな」

「やめてよ」


 マドカに思わず言い返す。

 調べなきゃならないときが来そうだけど、それをいまにしたくない。

 ただ、まあ、気にはなるよね。

 この巨大な人体を模したものもまた、人体のように食べて、消化しているんだろうか。

 だとしたら、いったいなにを? 消化したものは、いったいなにになるのか。

 その答えを探るなら、うんちは格好の研究対象になる。ばかにできないんだよね、うんち。

 動物番組で学者さんがうんちの状態を見て、野生動物がどこにいて、なにを食べているか把握してたりするし。でもなあ! 同じ人間相手でも忌避感が強いというのに! この巨大な人間が相手となると!

 うんちひとつでも異様な大きさだよ!


「下痢じゃないだけマシかもよ?」


 トモもやめて! 考えたくもない!

 いったいどれほどの量になるのか。想像を絶する匂いになるのでは。

 いや、待て。匂いって、あれ?

 獣憑きの状態で坂を下りてにおったのって、まさか。


「う、うぷ」

「どしたの、鼻を押さえて」


 トモは何気なく聞いてくるけど、マドカはいまの話でいまさら気づいたのか「うわ」とうめいていた。

 そう。あのなんとも言えない匂いは、うんちだったのかもしれないのである!

 いや。待て。だとすると解せない。


「ねえ、マドカ。あれってうんちの匂いだった?」

「いや。だったらすぐわかってたって。もうちょっとちがうけど、でも同じくらい臭いなにかだった」

「だよね!」


 さすがにうんちの匂いならわかっていた。

 ということは、あれは少なくとも私たちの知っているうんちの匂いじゃない。

 じゃあ、いったいどんなうんちなんだ?

 うんちの話しかしてないけど! それってどうなんだ!?




 つづく!

お読みくださり誠にありがとうございます。

もしよろしければブックマーク、高評価のほど、よろしくお願いいたします。

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