ミラーワールド 第二話。
パトリックは目の前に立つ、髪の青い女性に声をかけた。
「あの……失礼。お名前は?」
女性はその青い瞳でパトリックをじっと見た。
パトリックはネイビーのジャケットの下に白いTシャツを着ていた。
その黒歴史と書かれた≪ガンダム≫のTシャツは鼻水でガビガビと化していた。
「ブルー、髪が青いからブルー。変わった髪の色だろう?だが、気に入ってる。」
ブルーがお気に入りだという青い髪を右手でなびかせると、プラチナブルーの髪がキラキラと美しく輝いた。
パトリックはブルーに質問した。
「あの、これからどうされるおつもりで?」
ブルーは丘の上で振り返りパトリックに答えた。
「町で仲間と合流する。だが、その前に……。」
ブルーはクリーチャーの群れを見た。
大量の不気味なクリーチャー群がうごめいている。
パトリックはおどおどした様子で聞いた。
「あの……よろしければついて行っても?」
後ろのパトリックを横目で見ると、ブルーが答えた。
「好きにしろ。だが、死んでも知らんぞ。」
ぶっきらぼうに話すと、ブルーは丘から一気に滑り降りた。
「おっ、置いていかないで。」
必死にブルーの後を追うパトリック。
ズザザザザァと、土埃を上げながら滑るように丘を下るブルーとパトリック。
ブルーが赤いローブの上から腰に巻いたベルトに右手を回す。
そして、左に付けられた白銀の装飾が施された鞘からダガーを引き抜くと逆手で構えた。
「全速で駆け抜ける!!」
クリーチャーの群れに突進するブルー。
「死ね!!」
「死ね!!」
ブルーの暗示能力で次々に黄色い体液を撒き散らし、倒れてゆくクリーチャー達。
ブヒィー。
ブヒィー。
「クソッ、数が多い。」
灰色のクリーチャーが、ブルーの目の前に立ちはだかるとブルーの足が止まった。
その瞬間————
ブルーの目の前のクリーチャーが右に吹き飛んだ。
ブルーが目をやると、そこには赤いフードを被った女性が立っていた。
「ブルー、助けがいるかい?」
女性は赤いフードに隠れた口元から余裕の笑みを浮かべるとブルーに話しかけた。
そして、左手を頭に回し、被っていた赤いフードを下ろした。
金色に輝くショートヘアに、グリーンの瞳をした美しい女性がブルーの目の前に現れた。
右手には黒い柄のシースナイフを逆手に握っている。
ブルーはショートヘアの女性に礼を言った。
「アリア、助かった。感謝する!!」
アリアは周りを見ると、シースナイフを構えた。
シースナイフを構えるアリアの後ろには、三人の赤いフードを被った女性達が立っていた。
ブルーは三人を見つけると顔を緩め叫んだ。
「レイン、ルナ、セラ!!」
「仲間なのか?助かった……。」
パトリックは安堵した。
その時だった……。
グチャア!!と肉を貫く嫌な音がした。
「ああ、あ……。」
一体の灰色のクリーチャーがパトリックの腹を貫いていた————
ミラーワールド 第二話。 終わり。




