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パスワード

遥香

「ねえ、この前あの映像、最後まで見なかったから

今日みちゃう?」


「…って、あ、パソコン、テレビのとこに置いたままにしてた…」


昌也はその時、嫌な汗が流れるのを感じた


昌也

「君の部屋に置いてるんじゃないの…?」


遥香

「ごめんなさい…

いつもはそうなんだけど、忘れてた…どうしよう

陽奈ちゃん見ちゃうかな…」


昌也はもう微動だにできなかった

シーンと静まり返る部屋の中で

遥香の優しく凍る目が、まっすぐに昌也を見ていた


昌也

「……パスワード、かけてる…よね?」


遥香

「もちろんだよ

パスワードはしっかりかけてあるから♡

陽奈ちゃんの誕生日と同じ数字で開くようにね…」


………。


何も言えない昌也に遥香は笑いかけた


遥香

「昌也…今日、いっぱい私を愛してね♡」


そう言って…


昌也のジャケットを優しく脱がし

その胸に顔を埋めた…


この世から音という音が全てなくなったかのように

昌也はただそこに突っ立っていた




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