電話
月曜日
仕事が終わった後
早速、昌也に電話をかけてみた
会社携帯なので、申し訳ない気持ちもしたが
今はそれ以外連絡を取る手段はない
昌也
「はい、杉下建設の田上ですが…」
陽奈
「あ、あの……」
昌也
「陽奈?どうした?何かあったのか?」
なぜか慌てる昌也を陽奈は少し不思議にも思ったが
こういう関係だからだろうと流した…
陽奈
「昌也と二人で話したくて…まだ仕事中?」
昌也
「…あ、ああ
でも、ごめん…会うことはできないよ
遥香が会社の下で待ってる…」
驚いた…そんなことは想定してなかった
でも、よく考えれば恋人と帰りに待ち合わせはよくあることだろう
陽奈
「そっか…わかっ…」
そう言いかけた時
昌也は重なるように口を開いた
昌也
「あんなことして…ほんとにごめん…
遥香には悪いけど…
俺、遥香とは別れようと思ってる
でも、もう少し、待って
今はまだ無理なんだ
ちゃんと、遥香に話せるまでは…
陽奈にも、何もいえない…」
陽奈
「………どういう…こと?」
昌也
「ごめん…今は話せない…」
そういって、昌也は電話を切った
ツーっ
ツーっ
ツーっ
陽奈は昌也の言っていることが全く理解できなかった
あんなことって…私を抱いていること?
姉と…別れる?
姉の幸せそうな笑顔からは想像もつかない言葉だった
あんな笑顔でいられるほどに
あなたはいつも…私のいるあの家で
姉を愛しているんじゃないの?
私にも…するように
姉にも…
通話が切れた音だけが
陽奈の耳に届いていた…




