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第26話:教会の「最終兵器」と、究極の「お湯沸かし」

俺たちが『神力発電機』で教会の魔力を美味しくいただいている間、空浮かぶ神殿船の中は修羅場と化していた。


「おのれ、おのれぇぇ! 聖騎士団をポメラニアンに蹴散らされるとは……! 教会の面目丸潰れではないか!」


枢機卿は震える手で、船の奥底に封印されていた『神のケラウノス』の起動レバーを掴んだ。それは一国を地図から消し去るほどの威力を秘めた、教会が「神の奇跡」と称して独占する破壊兵器だ。


「こうなれば、あの家ごと消し去ってくれる! 異端に死を!」


空が真っ赤に染まり、神殿船の先端から、視界が真っ白になるほどの巨大な雷光が放たれた。



一方、その頃。

俺はキッチンで、ミーシャに頼まれた「お茶の時間」の準備をしていた。


「……あ、ゼノス様。お湯、沸かすのを忘れていました。ミーシャの魔力で瞬間沸騰させましょうか?」

「いや、いいよミーシャ。ちょうどいい『熱源』が来たみたいだから」


俺は窓から迫りくる巨大な雷の柱を一瞥し、片手に持っていた『使い古しの急須』を窓の外へ放り投げた。


【スキル:反転・因果集束カオス・ドレイン発動】


「飲め」


ドォォォォォォォンッ!!


一国を滅ぼすはずの雷光が、空中に浮いた「小さな急須」の注ぎ口に、吸い込まれるように収束していく。

枢機卿たちが目を見開いて硬直する中、急須は空中で「シュンシュン」と楽しげな音を立てて湯気を吐き出し始めた。


【作成完了:神話級アイテム『神の雷で淹れた最高級の急須』】


数秒後。


雷光をすべて飲み込んだ急須が、ふわふわと俺の手元に戻ってきた。


「よし、いい温度だ。神の雷の熱で蒸した茶葉は、香りが一段と引き立つんだよ」


俺がトクトクと琥珀色のお茶をカップに注ぐと、テラスには聖なる芳醇な香りが漂った。


「……ゼノス様。このお茶、飲むだけで全属性の耐性が最大まで上がりますね。おまけに、口当たりがまろやかで美味しいです」

「それは良かった。枢機卿さんも、いい仕事するよね」


俺たちがのんびりとティータイムを楽しんでいると、空の神殿船から「ヒィィィィッ!」という情けない悲鳴が聞こえてきた。

最大火力の攻撃を「お茶の湯沸かし」に利用された事実に、枢機卿はついに失禁して腰を抜かしたらしい。


「……ゼノス様。あの船、もうエネルギーを使い果たして、墜落しそうですよ? 庭に落ちると、ポメラニアンたちが怪我をするかもしれません」

「おっと、それは困るな。……よし、じゃあ『着陸用のクッション』を作ってあげよう」


俺は食べ終わった「マシュマロ」を一粒、空中に放り投げた。

これが後に、大陸を揺るがす「教会の完全降伏」を決定づけることになるとは、まだ誰も知らなかった。

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