↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
36/58

第35話 「――あれから、1年がたったのね。本当に時間が過ぎるのは早いわね」

あらすじ

祖父登場

 突如として現れた『ロボット愛好会』は、巨大ロボットを使い、ロボット文化の復活を企む。

 現存兵器が一切通じない巨大ロボット『激震』を前に日本政府は最終兵器の投入を決定。

 極秘裏に開発されていた『絶対堅守ぜったいけんしゅボウエイオー』がついに日本防衛所から発進した。

 激震と合間見えるボウエイオーは苦戦しつつもそれを撃破。ボウエイオーは日本の守護神となった。


 その後、迫り来るロボット愛好会は『氷牙』『火車』『刃雷』を繰り出し、ボウエイオーに対抗してきた。

 巨大ロボットはいずれも強敵でボウエイオーは何度も窮地に立たされた。

 それでも、ボウエイオーは逆境を乗り越え、勝利を収めていく。


 そんな中、ボウエイオーに対抗すべく、超巨大ロボット『モンスター』を出撃させる。

 他の巨大ロボットの2倍はある大きさで日本を蹂躙していく。

 ボウエイオーもモンスターに対抗すべく応戦。激突を繰り返すが、巨大な体躯のモンスターの前にはどのような攻撃も通じることはなく、このまま終わりを告げようとしていた。

 その時、密かに開発されていた、ボウエイバードが発進、ボウエイオーと合身することで、『ボウエイオー・ブレイブ』となり、再度モンスターに戦いを挑む。

 パワーアップしたボウエイオー・ブレイブは相手の巨大をもろともせず。新必殺技『ブレイブバードスマッシュ』をモンスターに叩き込み、ロボット愛好会を下した。

 それが効したのか、日本では空前のロボットブームが到来、図らずもロボット愛好会の目的は達成されたのだった。


 平和が訪れたかと思いきや、日本は火星人から侵略されることになる。

「日本人はタコを食べ過ぎた」

 と、謎の声明を発表した。

 火星人が繰り出す巨大火星ロボは強大にして、無比。

 最後の切り札でもあったボウエイオー・ブレイブまでも歯が立たなかった。

 このままでは日本が侵略されてしまう。

 そんな危機に対し、またも密かに開発されていたボウエイオー2号機、ネオボウエイオー蝦夷えぞの出撃を決定、火星ロボとの決戦に挑む。

 無敵を誇っていた火星ロボに対し、ネオボウエイオー蝦夷は互角以上に戦い、火星人の侵略から日本を守ることに成功した。

 だが、火星人も黙っていることもなく、火星大王ロボmkⅡで再び侵略を開始、苦戦を強いられる戦いの中、改修されたボウエイオー・ブレイブが駆けつけた。

 強大な火星大王ロボmkⅡも2体のボウエイオーの前にはなすすべもなく、ダブルボウエイビーム・無欠むけつにより撃破されたのだった。

 そして、日本に再び平和が訪れた。




「――あれから、1年がたったのね。本当に時間が過ぎるのは早いわね」


 天地博士と雪絵さん、そしてセンセイのいる居間にてゆっくりと温かい茶を飲んでいた。

 今まで繰り返してきた数々の戦いを思い出しながら。


「ようやく、日本にも平和が訪れたようだ……」


 センセイは相変わらずの渋く男前な声でそっと呟いた。

 今まで何度も窮地に陥ったが、センセイのアドバイスにより脱する事ができた。

 愛くるしい犬である。


「愛子ちゃんと晴香ちゃんは何をしているんですかねー」


 雪絵さんはクラッカーを口に運びつつ、2人ことを思い返す。


「晴香は高校を卒業して大学生になりました。愛子は――」

「まさか、防衛所を直接狙われて命を落とすとか、本当に口惜しいわ」


 ここにいない2人のことに想いを馳せる。

 大学生になった晴香は兄離れをし、今では充実したキャンパスライフを堪能しており、防衛所に来る回数もぐっと減った。

 愛子は火星人の襲撃の犠牲になった。

 日本が平和になったのも、愛子のおかげなのかもしれない。


「そろそろ、日本防衛所も解体されるわね」


 平和となった日本に防衛所など必要ない。

 大破した2体のボウエイオーは失われた。もう、日本防衛所の存在価値はなくなってしまった。


「私は研究を続けるわ。どこか、適当な研究所にでも行って平和の維持に努めるつもり」

「んー、私は自衛隊にでも入ろうかしらー。あそこなら、私の能力も生かせるでしょうしねー」

「俺は無職へ逆戻りですよ。新しい就職先を見つけないといけないですね」


 その話の中、センセイだけが耳を垂らし、傍観していた。

 センセイはその能力を解明すべく、どこかの施設へ送られる事が決定していた。

 そこで何が行われるのかまだわかっていないが、防衛所のように緩く生きていくことはできないだろう。


「私のことは忘れてくれ。きっと他の動物の為になるさ」


 少し弱気な哀愁漂う台詞には胸を締め付けられる。


「防衛所に来られるのは、今日が最後でしたね……」

「すぐにでもこの建物は取り壊されはずよねー。地下施設が凄いから、解体には時間がかかるみたいー」


 こうして、一同がここに集まるのは、今日で最後。

 各々が新しい未来に一歩踏み出していくのだ。

 ありがとう、日本防衛所。

 そして、ボウエイオー。


「あー、疲れた。あれ? みんな揃って何してるんです?」


 突如、居間のドアが開いて予想外の人物が現れた。

 それは――


「愛子! 生きていたのか!」

「は?」


 なんと、亡くなったはずの愛子がここに現れたのだ。

 幽霊などではない。本物の愛子。

 一体、何があったと言うのだろう。


「秘密にしていたが、愛子くんは密かに別の施設へ移送され、治療を受けていたのだ。もう大丈夫なのかね?」

「はぁ……」


 くそっ!

 愛子が生きてるなんて、思わなかった。

 これは最後のサプライズだ。


「あのーさっきから――」

「愛子ちゃん、だめよー。まだ寝てなくちゃー。怪我に触るわよー」


 確かによく見れば、愛子の様子が少しおかしい。もしかして、まだ意識がはっきりとしていないのか……。


「ちょっと! 何してんすか! 話が読めないですよ!」

「ああ、愛子。酸素欠乏症にかかって」

「やはり、治療が遅かったというのか……」


 俺とセンセイは変わり果てた愛子に対して、憐憫を抱くしかなかった。

 何て、哀れな愛子……。


「大丈夫! こんなこともあろうかと、記憶修復剤を作っておいたわ!」

「流石は博士! そこに痺れるし、憧れるかもしれない!」


 いつもながら、こういう唐突もないアイテムを出してくれる。

 これに何度助けられたかわからない。


「もー! 何なんすか! 酸素欠乏症とか、意味がわからないです!」

「あー、そろそろ限界ですかねー」

「さすがに幕切れか。仕方ない」


 俺たちは折れるしかなかった。


「愛子ちゃん。私たち、『最終回ごっこ』をしていたのよ」

「え? 何……ごっこ?」

「この長く辛い戦いが終わった後のことを、適当に話をあわせる遊びだ。ちなみに、お前は戦いの中で死んでいる」


 よくわからないと、ぽかんとしていた愛子だったが、そのうち、理解できてきたのか、顔を真っ赤にして怒ってきた。


「何、そのよくわからない遊び! あたしも混ぜて欲しかったです! のけ者なんて酷い!」

「機会があれば誘うわ。まあ、その時にね。もう二度としないでしょうけどね!」


 怒る愛子にあおる博士。

 クラッカーを食べ続ける雪絵さんに、久しぶりの出番にご満悦なセンセイ。

 今日も日本防衛所は平和だなぁ。

 湯飲みの温かいお茶を飲みながら、そう思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。