心配
もうお約束になった天井を見たことはさておき今回は夜だったけれどその日のうちに起きることが出来た。
聖女の彼女も城の客室にいるらしくその夜に話をする時間を作ることが出来た……ことは一旦置いておき。
あたしはその話し合い前に部屋で正座していた。
もちろん、目の前にはエミリア。
「シロナ様。言いたいことはわかりますか?」
「は、はい」
「私も別にシロナ様の行動を制限したいわけではありませんし、聖女としての自覚を持って協力いただけることそのものはとても嬉しく思います」
「う、うん」
「ですが、それで命の危機に瀕することは違います。たしかに戦いをお願いしている私がいうのはお門違いかも知れませんが、まだ短い時間かもしれませんが大事に思っている方が不意に死んでしまったなどと、もしも報告を受けたらどう思いますか」
「悲しい……と思います」
「そのとおりです。私はそこに怒っています」
「はい……ごめんなさい」
聖女として無茶したことよりも、そっちの比重のほうが重いんだ。
それは嬉しくはあるものの……あたしもちょっと無茶というよりも考えが甘かった。
結果的にエミリアの負担減らすどころか必要以上に不安にさせてしまった。
「もうすぐこれからの動きなども話ができると思うので……せめて何をしているかはわかるようにしてください。せめてこの国にいる間だけでもいいですので」
「う、うん。これからはせめて報告する」
そこまで話してひとまずこの話は終わりとなった。
そしてもう1人の聖女の彼女が待っている部屋へと一緒に向かった。
** *
城にある談話室にはいると昼にあった彼女と見覚えがないが姿勢から気品の高さを感じる女性がいた。
さすがに時間もあってかセーラー服ではなくてこの世界の部屋着に着替えている。
「あ、大丈夫? 急に倒れたから心配だったよ」
「うん。悲しいけどもう何回か似たようなことあるから」
「シロナ様。それは悲しみながらだとしても改善してください」
「はい……」
ひとまずお茶を用意してから机を挟んでソファに座る。
「シロナ様。ご紹介させていただきます。この大陸の魔法使いを代表する1人であるアンシー・リミナル様です。現在は我が国の友好国で魔法使いの育成などに関わっています」
「姫様はそう言ってくれているけれど、そんな大層なものじゃないよ。アタシはただ魔法にのめり込んできたら結果的にこんな立場になっただけさ」
立ち姿も座り姿も整っていると感じるけれど、話してみるとどちらかというと姉御とかそういう雰囲気の人だ。
「姫様からご紹介に預かったアンシーよ。まあ、一応は公爵家の人間ではあるんだけど家とは今はほとんど関わりがないから魔法使いのアンシーってことでいい。そんでこの子はアタシが今いる国で召喚した結果やってきてくれた聖女様」
「宮坂真琴です」
日本人でいいのかな。名前的にも見た目的にも。
「マコト様……でよろしいでしょうか?」
「はい。大丈夫です!」
「ありがとうございます。私はエミリア・セイティスといいます。そしてこちらが私の国の召喚に応じてくださった聖女であるカンザキシロナ様です」
「神崎白奈です」
ひとまず当たり障りなく流れにのっておこう。
「マコト。エミリア様はこの国のお姫様だから失礼はないようにね」
「は、はい」
ひとまず最低限名前だけでも自己紹介はすんだけれど。
改めて話を切り出す時ってどうすればいいんだろう。
高校でならくだらなさすぎて全く意味もない話題と適当に振ったりしてるだけで休み時間とか過ぎていくし楽しかったでいいけど。
この場は絶対そういう場所じゃない。確実に情報共有の場だ。
あたしだって真琴に聞きたいことはやまほどあるし。
でも、改まって話す場所みたいになるとどうやって切り出すのが正しいのかわからなくなる。
「では、お互い聖女で話したい事もあると思いますからご自由にこの部屋はお使いください。アンシーさん、ローズに用があるんですよね?」
「せっかくこの国に来たからね。あの子に挨拶の1つもしておきたいよ」
「でしたらこちらへ」
あたしが頭ぐるぐるになりながら悩んでいたらエミリアはそう言ってアンシーさんと一緒に部屋からでていった。
そして真琴と二人きりになる。
「白奈って高校生?」
「へ? まあ、そうだけど」
「だよね。いや、よかった。年は近い!」
「うん……えっと、真琴でいい?」
「大丈夫。まあ、それで……色々と聞きたいことはある! けど、まずはそっちからで」
結構押しが強いな。
「とりあえず、真琴ってあたしと同じ世界から来たかどうかってわかる?」
「へ? あー……とりあえずなんか最近あったことをじゃあ話そう。ここに来る前に」
あたしと真琴はとりあえずこの世界に来る前の最近の大きなニュースであったり、特徴的と思う建物だったりをお互いに出し合っていった。
結果的に同じ世界の可能性が高い。違うとしても常識だとかは類似した世界だから色々とそういう部分の齟齬は起きなさそう。
ただ、それ故に能力が判明した時の懸念を思い出した。
あたしの能力ってそういう世界からみたらコスプレすぎる。
「じゃあ改めてボクに聞きたいことは? ……っていいたいけど、ごめん我慢できないからひとつだけ聞かせてほしい」
「な、なに?」
「あの姿って何?」
やっぱり気になるよね。




