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ピュアハート~異世界に魔法聖女爆誕!~  作者: 初雪しろ


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記憶にない聖女の宝石

「それで、改めてシロナさんの気になることとは。いえ、ここまでの話で想像はつかなくもないですが正しく聞きたいので」

「あたしの能力がこれまで伝承や記録にある聖女の能力に前例がないものみたいで」

「なるほど」

「まだわからないことは多いんですけど。その中で、宝石かはわからないんですが宝石みたいな石を使った装飾品が関わっているということはひとまずわかったんです」

「ですが、その装飾品がどこにあるのかまではわからないと」

「はい。前例もない能力だから、類似するものを探そうにも手がかりがそもそもといった感じです」

「まあ、たしかに情報は少ないですが。装飾品が魔道具であったり、それに近しいものの可能性は高いと考えたローズがワタシの店を勧めたと。流れはわかりました」

「あたしの確認不足で遠回りになってすみません」


 エイルさんは少し考え込むようにすると、一度部屋から出ていき数冊の本を持って戻ってきた。


「記憶している中だとワタシもピンとくるものはないのですが、このあたりの本に各地域の宝石や魔石の特徴が描かれていたりデッサンされたものです」

「なるほど」


 あたしは渡された本をさっと見てみる。

 文字で特徴が羅列された本はすぐに理解できるか怪しいから一旦後回しにして、デッサンされたイラストがのっている図鑑の方を先に見てみた。


「うーん……それっぽいのはあるけど、一致してるかがあたしだと見分けがつかない」

「一応、どれか教えてもらえます?」


 あたしは言われた通り青い宝石を複数伝えた。

 他のものはイラストだとピンとこなかったけれど、青い宝石はイラストをみただけでなんとなくどれかは当てはまりそうと感じたものがでてきた。


「なるほど……この2つはたしかに宝石ですね。もうひとつは魔石の類になります」

「あの……単純すぎることかもしれないんですけど、宝石と魔石ってどう違うんですかね?」

「魔石は名前の通り魔力が籠っている石になります。ただ、宝石の中にも魔石はあるんですが……その場合は宝石扱いされてます。宝石として価値を見出されているかどうかの違いですね」

「……つまり魔石という大きなカテゴリーの中に宝石も混ざっているってことですか?」

「大雑把にはその認識でいいかと。それで判別する際は宝石としての分類が優先されるとだけわかっていればいいです」

「なるほど……」


 そうなってくると魔石ではあるけど宝石みたいな価値を見出されていないものは装飾品としては使われないなら候補から外して良いのかな。


「それでシロナさん」

「は、はい」

「正直なところを申し上げますと、とても興味深いですがすぐには一致するものはワタシでも浮かびませんでした」

「そ、そうですか。いえ、こちらも突然変なことを聞いてすみません」

「ですが、とても興味深いですし聖女への協力は個人的には惜しむべきではないと考えていますので、こちらでも調査をしてみます。店の経営に影響が出ない範囲でですが」

「それだけでも助かります」

「そこでなのですが折り入ってご相談があります」

「は、はい。あたしでできることであれば」

「話から想像するにシロナさんには、それらが見た目的にはどういうものかはわかっている模様ですので。上手さはおいておくので、それらを描いてみてはもらえませんか。視覚的な情報は大きなヒントになります」

「へっ? あ、あ~……できるだけやってみます。ただ、数日もらってもいいですか?」

「いえ、世界的には危機になりますしシロナさんが対応せねばならない事象もあると思いますので期限はもうけませんので。お手すきの際に描いていただいて、ローズ経由でもいいので渡してもらえれば」

「わかりました」


 本当だったら変身してあの端末を見せれば一発なんだけどな。

 紙とかは普及しているけれど、流石に写真だとか印刷機能はこの世界にないから自分で描くとかしないとか……でもあたし美術の成績ってギリギリすぎるぐらい絵は苦手なんだよね。

 どうしても色々なもののバランスが絵で描こうとした瞬間に崩れるというか、自分が思っているように描けない。

 誰か変身姿を見せても大丈夫でイラストがかけるような人がいないか城で聞いてみようかな。調査のために必要ってことなら手伝ってくれるかも知れない。

 その後もエイルさんと何かのヒントでも見つからないかと色々と話をしたり魔道具や資料を見せてもらったけれど、残念ながら収穫はなかった。

 日が落ちはじめて空もオレンジ色になった時間にあたしは店をあとにする。


「長い時間すみませんでした」

「いえいえ、ワタシは元々店は任せていることが多くて来客対応をするか外にでているか部屋に籠っているので」

「そ、そうでしたか」

「今回の件に限らず黒の魔物や魔力への対処で魔道具が必要になった際には気楽にきてください」

「必要な時は頼らせてもらいます」


 あたしは改めてエイルさんに一礼して店をあとにした。

 城へと戻っていく間、騎士団が南門に向かっていくのと通り過ぎたけれど……そういえばこの前出現した南門の魔物と城の中にきたやつは別だったのかな。

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